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花咲くサボテン  作者: oga
2/10

目的

「……あなた、貴族って言うくらいだから、お金持ちでしょ? 召使いとか、そういうのに頼めばいいじゃない」


 何で、わざわざ私に頼むのだろうか。

そんな風に相手に伝えると、目の前の華奢な男、サクはため息混じりに呟いた。


「あれは親父のモンでよ。 私用で好きに連れ回せねんだわ」


「だからって私を使うの? ハァ…… 私も忙しいんだけど」


「報酬は出す。 ウーバーより稼げるって」


 ウーバーイーツは1回で報酬500円。

距離は関係ない為、今回みたく砂漠越えをやらされても500円だ。


(最低でも今月の家賃3万は稼がないと、この灼熱の大地に野ざらしになるわ。 報酬次第ではむしろチャンスかしら)


 私は考えを改め、サクに言った。


「分かった。 前金で3万頂けるなら、相談に乗るわ」


「3万か。 あったかな」


 サクはパンツの中からシャネルの財布を抜き取り、いくら入っているかを確認。

そして、諭吉3枚を抜くと、私に差し出してきた。


「あったよ、丁度3万」


「どうも。 貴族も現金持ち歩くのね」


 契約が成立すると、サクは立ち上がって説明を始めた。


「改めて、目的はこの国で一番キレイな花を探すことだ。 つっても、こんな砂漠の国には花なんてロクに咲いてねー」


「う~ん……」


 私は腕を組んで考えてみた。

確かに、花はおろか植物だって珍しいかも。

あるのはサボテン位で、運良くオアシスを見つけられれば、その周辺には何らかの花が咲いてるかも知れない。

と、言うことは……


「オアシスを見つける気?」


「いや、何でオアシス?」


 アテが外れた。

でも、それ以外に良い案があるのだろうか。

妙案を思いつけないでいると、サクは意地の悪い笑みを口に浮かべる。


「ま、ドのつく一般人のおめーにゃ閃かねーわな。 ダイヤモンドの花を作るんだよ」


「は、ダイヤモンド?」


 

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