1/1
ーこの雨が止んだ頃、貴方は何を想いますか?
導入
愁雨ー
人の心に憂いを運ぶような雨。
それはシンシンと、私の心を投射しているかのように降り続く。
別に何があったとか、とういうわけではない。
可もなく不可もなく、平凡な人生を過ごして17年。
私の心は決壊した。
平凡でそれなりに幸せだった人生だけど、その間に少しづつ、溜まってしまっていた
押し殺していたと思っていた感情が、ストレスが、爆発して。
別に荒びるわけでもないけれど、無になりたいと思ったんだ。
誰もいない、私を知る人のいない世界で、何もかも捨てて生きてみたい。
お金とスマホ、pcそれだけ持って女子高生2年目の私、神崎 幸は京の町にやってきた。
まあなかなか厳格な父や母を納得させるのが大変だったけど。
私はここ町で新たな人生を始める。
この、降り続く雨が止むまでは。