太陽がにじり寄る。
掲載日:2019/12/03
じんわりと忍び込んでくるよ、休息に染まる肌。
掬い上げる気持ちも宙に舞う。
手付かずの空もないというのに、未だ僕には遠い空。
空っぽの箱が運んでくる日暮れの騒音。
焦げ付きそうな記憶を整理したくて、空箱から隠したい虚しさを追い出す日々。
なにも残ってないというのに。
黄昏時に歩く砂浜は、僕が仕組んだ憐れみの舞台。
どうすればいいのかも知らないというのに。
月明かりに抱擁する自由は、僕が陥った潜伏の果て。
理解しがたい言い訳の虜になっていく。
名前を捨てて、足跡を消して、訪れる朝を待っている。
どうなるかは嫌になるほど知っているのに。
手付かずの空はないというのに。
僕だけの空などないというのに。
僕だけに訪れる朝などないというのに。
太陽がにじり寄る砂浜で、遠くを歩く僕を見つけて。
太陽がにじり寄る砂浜で、囚われの身になった僕に会いに来て。




