根暗とデブ
太郎坊とは夏にあった体育祭以来今ほど仲良くなった。
極度のコミュ障である僕は学校ではほとんど話さないし授業での発言もしないため悪化する一方だった。
そんな中、僕と同じような一人のコミュ障感漂うデブと波長が合いぽつぽつしゃべるようになっていった。
同じゲームをやっているから話題はあった、でも両者ともに一歩引き気味でぎこちなかったと思う。
夏には体育祭が行われクラスの中心人物は必然イケメン、かわいい奴らやお調子者のクラスカーストが高い者が主導で言い方は悪いが自分勝手に進めていく。
一人一種目は出ないといけない体育祭余り物のリレーに入っていた。
当日のリレーは最後の方の種目なのでクラス待機場所で長い時間待たなければいけなかった。
太郎坊は障害物リレーでこれもまた最後の方で同じく待機場所に居た。
仲良しグループで固まるクラスメートの中仲良しの子などいない自分らは二つぽつりと残り自然と話していた。
「めんどくさいね」、「暑いね」なんてどうでもいいその場しのぎの言葉を紡いで結局はゲームの話になっていた。
体育祭というイベント事で多少なりとも気が高まっていたのだろう話はゲームだけでなく好きな物、事などしゃべることを楽しんでいた。
趣味、趣向をさらしていく中で自然と距離も縮まっていた。
体育祭が終わり休みを挟んだ月曜から友達を過ごす日常が始まった。
ちなみに前の建部君が慌てふためいていた日は太郎坊は発熱で休みでした。