助け
新学期が始まり、クラスが変わる。
新しく後輩が出来る。
入学式が終わり校内は浮き立っていた。
実は今年度の新入生、なかなか個性のある生徒がいてだ。
まず新入生代表を務めた雨季氷。凛々しい、美しい、惚れたの三拍子のやばい人。
入学初日から告られていた。
次に橘祐樹。惨めに巻き込まれた交通事故で子供を助けた少年。
優しそうが第一印象で比肩されて俺が嫌な目で見られた。
他にもいっぱいいるが興味の薄い自分は覚えてない。
担任からクラスの方針やら話を聞き半日下校。
半日の今日とにかく周りの視線がうるさかった。
「あの人」「そうそう」「コソコソ」
ストレスがマッハで溜まった。
だがしかーし、決意を固めた自分は表には出さなかった。
学校から出る前スマホに連絡が来ている。
『胡桃:新しいクラスメートに出掛けないかって誘われました、どうしましょう』
心底どうでもいい連絡に電源を切りそうになるが既読を付けた手前返信だけしておく。
『俊介:誘われたなら行けばいいと思うよ』
『胡桃:分かった、行ってみる』
もう返信はしない。
高橋は順風満帆な生活を送り始めているようで以前遊んだグループと度々遊びに行ったり、友達も出来たと報告をくれた。
彼女に気のある八神とはよく話しかけてくれる友達と認識している、本人談。
なぜ今でも連絡を取り合っているのか不思議に思っている。
正直返信するのめんどいし削除したい。
スマホをいじるのを切り上げ頑張って帰る。
まだつらい登下校。
車で送ってもらうのはどうしても嫌だ。
あいつらには頼りたくない。
そうは思っても途中で車がいい、歩きたくないと嘆いてしまう。
悲鳴なんか聞こえた日には運命を呪ってしまう。
今歩いている道の少し先、細道があってそこで男二人が一人の少女を襲っている。
しかも同じ学校の制服。
「やめてください」
「うるせえ!顔がいいからって調子乗んなよ」
「暴れんなよ」
抵抗空しく女は服は乱れ押さえつけられてしまった。
陰から伺いながら助けた方がいいだろうか悶々と悩む。
下手に関わって助けられず返り討ちは最悪、でもこのまま見捨てれば襲われちゃうんだよね。
悩んだが足は自然と奴らの背後に向かっていた。
気付かれず背後にまでたどり着けた。
押さえつけるのに必死な男、抵抗するのに必死な少女。
男の一人を後ろから渾身の力を籠め頭を蹴り倒した。
軽く脳震盪を起こし倒れたがもう一人が気付くと同時に激情し殴りかかって来る。
急所に向けて攻撃し、見事に命中。
男二人を制すことが出来た。
アドレナリンが分泌され興奮しながらも少女の手を引きこの場から離れた。
離れることが出来落ち着くと、体に痛みが走る。
頬の内を噛み痛みを誤魔化し安心させるように話しかける。
「ここまでくればひとまず大丈夫。えぇっとこれから家まで一人で帰れる?」
俯きながらも頭を横に振っている。
「うん、じゃ、じゃあ送るよ」
頑張って少女を家の前まで送り届けた。
「親に言って、学校にも言って...。うん、気を強く持って...心身癒して、じゃじゃあ」
コミュ障を発揮して逃げるように別れた。
家に帰り、無理した分自室で痛みに苦しんだ。




