弱る自分
朝は苦手だ。
睡眠をこよなく愛する自分はどうしても起きるのが嫌になる。
しかしいつも昼頃に起きる日曜の今日は学校がある日のように早く起きた。
伝えられた集合場所、駅に行くには少し歩かなければならない。
早めに出ないと時間に送れるのは目に見えている。
こういう時は一層自分の体が憎くなる。
駅までの道はいろいろ辛かった。
体はも論辛かった、それよりも周りの人の視線が気持ち悪い。
ぎこちなく歩き杖を着いている自分のこの光景は興味をそそりちらちら見てくる。
悪気はなく好奇心や哀れみからだ分かっていても気分のいいものでない。
駅に近づくにつれ人が増えれば視線は増える。
まだ時間より10分以上も前。
嫌な待ち時間を過ごした。
胡桃にその他男2女2が今日のお出かけメンバーのようだ。
女の内一人は見覚えのある眼鏡女だったでも自分のことは忘れているらしく気づいてない。
それに薄々感づいていたが胡桃たちは才才高校の生徒らしい。
学年だけ聞いていたのを今になって後悔した。
「こちら私の友達の田中俊介君」
「ど、どうも。よろしく」
男2人のチャラい方は山中大和≪やまなかやまと≫、気の弱そうな方が八神深夜≪やがみやまと≫どっちもかっこいい顔してやがる。
女2人は眼鏡女は早見華怜≪やはみかれん≫、ギャルっぽい奴は森崎由奈≪もりさきゆな≫、太郎の彼女のせいで容姿が霞んでいたが改めてみる整ってるギャル子もだ。
美男美女集団とか自分浮きすぎてる。
「あれぇー田中君ってどこか体でも悪いの?」
杖を見てギャル森崎が無遠慮に質問する。
「ちょっと腰を痛めてそのせいでうまく歩けなくて」
何とも言えぬ空気になりながらも駅から動く。
最初の接触は悪かったからこの後のことが心配となった。
案の情、空気扱いを受けていた。
ショッピングモールで買い物をするらしくオシャンティーな店を回っているが胡桃は他4名に囲まれ自分は後ろを付いてくのに精一杯。
時々こちらを見てくる胡桃に頑張ってとジェスチャーをする。
後ろから見てこの5人の関係性が何となく分かった、分かりやすすぎた。
まず八神は胡桃に気がある、その気を知ってか山中と森崎がからかいながらも手伝ってる。
眼鏡女も気を使っているのが目ざとい自分には見え見え。
なら今日のこのお出かけも八神と胡桃をくっつける為仲良くさせるため。
一度、自分、山中と森崎の三人になって時があった。
「俺たちはな八神を応援するために強行して出かけたんだ」
厳しめの口調から、警告だろう。
無言で頷くことしかできない。
「八神は消極的だから私たちがこうして機会を作ったわけ」
「だからな言っておくが気がないなら邪魔するなよ、怪我かなんかで同情を引いたか知らんが」
この2人は友達思いのいい奴だろう。
茶化したりせずに真剣に応援して。
最後の一言でこのイメージは崩れたが。
お昼を食べ、カラオケに行く。
最初は戸惑いを見せていた胡桃もなんだかんだ楽しんでいる。
カラオケ店に行く道中、自分がダウンしているのも気づかないくらい。
『俊介:ごめん、ちょっと用事があったの思い出したから帰るね。みんなによろしく言っといてね』
メッセージを飛ばしても既読が付かないあたり楽しんでるのだろう。
自分はベンチで体を休ませてから1人帰ろう。
あの場では不要な存在、体のせいでも迷惑を掛けるし居てもいい奴ではなくいない方がいい奴。
沸々と苛立ちが湧くと最後には悲しみになる。
大人にならないと、自分に言い聞かせ家に帰った。
家には妹がリビングでテレビを見ていた。
自分を見た瞬間ゲッとした顔になる。
「俊介、何があったか知らないけど死ぬなよ」
珍しく心配されてしまった。
「あぁ...大丈夫」
部屋に入ると布団になだれ込む。
もうヤダ。
人生が嫌になる。
誰にも関わらずに生きるために引きこもりたい。
でも理性がそれをさせてくれない。
引きこもったら更に不必要な人間に落ちる、学校ちゃんと卒業して就職して自立しないと。
逃げたらだめ大人になれと訴えてくる。
体も弱り、心の弱い俺はそろそろ限界が近そうだ。




