ただの黒歴史
互いに無言で止まっている。
まずは自己紹介だろうか。
「と、とにかく、座ってよ」
立ったままじゃ会話をしづらい。
ベットの近くの椅子をすすめる。
「えぇっと、俺の、名前は田中俊介、うん、よろしく」
座ったのをかわきりにぎこちなく自分の名前を教えてみた。
「じゃあ私は、高橋胡桃≪たかはしくるみ≫、こちらこそよろしく」
手応えはよし。
次はなにを話そうか...。
...。
無言。
気まずい、心苦しい。
どうしよう。
今日もお日柄がよくとか最近温かくなってきてねとか日常会話がいいのかな。
「き「初めて会った時もなんだけど足が悪いから入院したの?」」
話題を投げかけて助かっただけど直球だな。
「ちょっと交通事故に遭って、それでえぇっと怪我して」
「うん」
「ほんと激しい痛みですぐに意識失って...目が覚めて医者に言われたのが歩けないかもだって。リハビリで自力で歩けるまでいったけど...」
話すのをやめる。
つまらな弱音を聞かせたって面白くない。
キモイ奴だと思われてしまう。
「それはそうと、よく来たね。普通ほぼほぼ初対面の人のとこには来ないだろ」
誤魔化すように話題を変える。
これはすごく気になっていた。
「同じような感じだったから。言葉ではうまく言えないけど直感かも。それに私自身よくこんなことしてるなと改めて驚いちゃう」
驚いたのはこっちだ。
暗い気持ちを増幅させると共にその直感に興味が湧いた。
「よくわかんないけどその俺とあんたとじゃ共通点ないと思うけど」
「あると思う。例えば姉妹≪兄弟≫に対する劣等感とか暗い考えとか」
彼女はそれから簡素に抱える闇を話した。
何でもすぐ出来る天才肌の姉、それに引き換え自分は時間をかけても上位には食い込めるけど姉みたいに1番にはなれない。
両親はいいよと言うけどそれが余計に苦しめた、周りの人も姉の妹としか見てくれない自分を自分として見てくれない。
話す彼女は徐々に陰がさしていきていた。
確かに共通点はあった。
でも思う、彼女の秀でた容姿、努力をしていること。
絶対姉とか関係なく学校で人気あるでしょ。
もっと視野を広く持って受け入れれば陰は消えていくと思う。
これは俺が出来るようになりたいことで絶対に無理なこと。
「まぁ大丈夫じゃない。あんた顔綺麗だし、どうせ成績とかいいんだろ」
「勉強毎日しっかりやってます」
綺麗は無視かよ言うの意外と恥ずかしかったのに。
でも
「普通に友達なり恋人なり作ればいいら」
「投げやり過ぎないかしら」
所詮他人だし。
「まぁでもあんた話しやすくていいな。連絡先交換もしってるし友人として応援させてもらうよ」
自然と早口に言葉を紡ぐ
「姉とか知らんしあんたは俺の数少ない友人になった」
すごい主人公ぽいこと言って心臓が痛い。
てか自分すごくキモくね。
彼女の顔が見えない、このセリフはイケメンに限るじゃない。
「うん...うん。よろしくね。今日はもう帰る」
「じゃあな」
病室から出て行きやっと一人になり後悔の嵐。
何回も言う、キモイキモイ俺マジキモイ。
まだ気づかないがスマホに一件メッセージが届いていた。
『胡桃:ありがとう』
迷走してる...頑張って書いてきます。




