普通ではない
兄の話だと太郎は無事に友達も出来、順風満帆な高校生活を送っているという。
楽しそうな写真も送られた時は呆れた。
元友達なんかどうでもいいのかよと。
でも大人な俺は気にしない。
社会に出たら上辺だけの関係は当たり前だろ。
会社のため嫌いな奴に酌を注いで、笑顔の仮面をかぶり、言葉巧みにおだてる。
生きるのめんどくせー。
「起立、おはようございます」
『おはようございます』
「起立、さようなら」
『さようなら』
3学期はこれぐらいしかまともに声を出さない。
自主性がない自分は意味のない時を過ごしていた。
でもさ今の時代、最低でも高校は卒業しないと厳しい目で見られる。
あと2年、大学に進学もする予定だし4年、無意味に時間が過ぎると思うと生きる渇望が無くなってくる。
土曜日になったので一人映画を見に来ている。
近場の劇場で公開していないため電車で少し遠出。
ほんとにここでいいのかなと不安を胸に潜めながらも無事に見ることが出来た。
面白かった。
作画安定してるし、推しキャラはかわいいしでこの時代に生きててよかった。
空いた穴は十分に満たされていた。
この後はふと見かけるリア充集団を妄想で爆発させたり、急に心細くなって本屋で自分の世界に入ったり一人だからこそ他を気にせず思うがまま行動する。
特別じゃない男子高校生はこんなもん。
時に鬱ったり、時に楽しんだり。
だが彼は主人公だ特別な存在。
親は偽り、他人が信じられない歪な心の持ち主だと忘れてはいけない。
次回から新章です。
数日は更新をお休みします。




