29/45
彼の高校生活
月曜の昼、太郎は険悪な雰囲気の教室で彼女、香奈と昼食を食べていた。
三学期の初めに転校し、友達どころか無視されてばかりの今。
この高校で高根の花として男子の憧れだった香奈。
それを転校してきたデブが彼氏だと知って周りは嫉妬の嵐。
無視をする、相手をしないと男子の間では共通事項となりつつあった。
だからか教室の空気は悪くなっていった。
太郎も太郎なりに仲良くしようと努力はしたが失敗に終えている。
今日も雰囲気は悪くも静かに昼食を終えようとしていたが一人の来訪者によって賑やかな食事になった。
「太郎くんいるかな」
誰もがイケメンと言う容姿、爽やかで親しみやすい彼。
この高校では知らない者はいない。
サッカー部副キャプテン、田中秀屋。
「お、海斗もいるのか。一緒に昼食どう」
それから太郎はクラスもとい学校に少しずつ馴染むことが出来た。
初めは戸惑った太郎だったが気さくに話しかけてくれる秀屋と仲が良くなり、友達もできた。
「秀屋先輩とどう知り合ったんだよ」
「えぇっと前の高校で先輩の弟と友達でそのつながりで」
軌道に乗り始めた高校生活。
友達も出来てきて、俊介という存在は徐々に薄まりつつあった。
楽しいことが在ったら、その時つらいことは徐々に遠いものになると思う




