主人公は大抵過去がやばい
小学生の時言われた。
「家族と全然似てないよな」
同級生に言われたこの言葉は当時幼稚な自分には深く刺さった。
実際に両親、兄、妹とは距離を感じていた。
時折見せる哀愁深い両親の視線、長い休みの時には祖父と祖母の家に行くと二人は申し訳なさそうに見てくる。
兄はサッカーの才能を開花させ始めていて劣等感を募らせていた。
段々と心の内に膿は溜まっていき最後決定的な瞬間に出会ってしまった。
小学校の卒業式の夜。
兄も妹も寝静まって物音ひとつしない中、トイレに行こうとした時に父と母がリビングで話しているのが聞こえた。
「中学生になるし、そろそろ俊介に本当の事言わないといけないかしら」
「いやまだ。せめて高校生か働き始めてから言った方がいい」
思わず陰に隠れ耳をすませた。
「中学生なんて多感な時期だ。俺たちの子供じゃないと知ったらどうなるかわかったもんじゃない。それこそ弟に申し訳がつかん」
「わかったわ...」
父の声がでかいのが幸いかはっきりと聞こえてしまった。
両親が眠りについても陰で呆然としていた。
納得できた、兄のような才能がないのも、兄と妹にだけ肩入れするわけ。
そして他人が信じられなくなった。
中学に上がってから唯一仲が良かったは甚平だけ。
周りからは兄と関わりたいから話しかけてくる、秀屋の弟として見てくる奴しかいなかった。
うちの母と父の子供は容姿が優れている。
だから妹も人気があったし人当たりもいいから友達も多かった。
妹目的もあった。
これと同時に実の子じゃない問題がのしかかっり心はズタボロになった。
主人公みたいだろ、きっとこれから異世界行ったり異能バトルしたりさ運命的な恋をするんだぜ。
嫌な出来事ほどよく思い出す。
時折思い出して胸が締め付けられる。
だから意見交流会もとい兄のいる高校に行きたくない。
当日ずる休みしたいと思うのも仕方ないだろう。




