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EP8.野外活動

4月末、ゴールデンウイーク明けに1泊2日での野外活動があると知らされた。


「野外活動ってなんだか初めてな気がする」

「中学の時には無かったの?」

「うん、中学によって違うのかもしれないけど、無かったよ」

「流石都会っ子ね」


彼女は、僕が都会から引っ越ししていた事をいつも間にかからかうネタにしていた。

最近ずっと言われる。


「そのネタまだ飽きないの?」

「飽きないよ。だって面白いじゃない」

「面白いって」

「寺川君いじるの割と好きだよ」

「僕は良くない」

「ケチ」

「またそういう捻くれた事を」


こういう会話が毎日だった。

正直、僕も今までこんなに人と馴染んだ事が無くて、入学してから友達も増え、彼女には少しばかり感謝していた。

彼女が僕に他の人とも仲良くしてみる提案をして、一緒に話し掛けに行ってくれたり、

そして今回も。


「はーい、では班を決めます」


先生の声と共に、クジを引いた。


「はい、ではこの班で野外活動で行動します」


落胆する声や、喜びの声がクラス中飛び交う中、僕も少し喜んでいた。

彼女が居たから。


「寺川君って私のストーカーなのかしら?」


そうやってまたからかっていたが、少し微笑みながらクジを握りしめる彼女の姿を今でも覚えている。


他に、2人のクラスメイトと班になった。


「俺、染井そめい 奏太そうたって言うんだ。宜しくな」

「私は、在原ありはら 水姫みずきって言います。宜しくです」


僕と彼女にとって、この2人もかけがえない人物になるなんてこの時は思ってはいなかった。


「寺川夏樹です。よろしく」

「橋本ほたるです。よろしくね。横の人ストーカー気質あるから、在原さん気を付けていた方が良いかも」


彼女はまた、ありもしない事を言い出したので、


「ち、違うんだよ在原さん、これはただの冗談で…」

「冗談なんですか?橋本さん真顔で言ってるのだけど」


確かに彼女はなんでも真顔で言う癖が有るけど。

僕が彼女に疑われる前に、


「大丈夫、本当に冗談。いつも登下校していてクジも当たったからストーカーなのかなっていう冗談」

「はぁ~驚かないでよ」

「ごめんね?」


彼女はいつもこうやって人と仲良くする。彼女にしか出来ない技と言ってしまえばお終いだが、その技を欲しいなと思った事もある。


「んじゃ、どう行動するか決めようぜ」


染井君はいつもリーダー的な役割を担っていたのか、かなり行動する人物だった、

何でも、こなせる彼もまた僕にとっては羨ましい存在だった。

本当に僕は何なんだろう。そう思った事がある。

皆とわいわい決めている間、僕はちょっとだけ沈んだ顔をしたらしい。彼女に気付かれたのだ。


「…」


to be continued…

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