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EP4.入学

楽しかった春休みもあっという間で、いよいよ新しい場所での新しい生活が始まろうとしていた。

高校生になった実感はまだあまり無く、緊張も少ししながら高校へ向かった。

始めの感想というか率直に、田舎の高校にしては大きいなと思った事だ。

受験時は、距離的な事を配慮してもらい、中学校で特別に高校の教師に来てもらいテストを行ったので、実際に学校に来るのは初めてだった。


「意外と大きいな」


僕は、恐る恐るその門を通った。

その時だ。


「あっ、寺川君」


後から声を掛けたのは、橋本さんだった。

あれ以来1週間会っていなかったので、何故か新鮮に感じた。


「お、おはよう。橋本さん」

「家、隣だから一緒に行ってあげたのに」

「いやいや、そんな事してもらうのを悪いって」

「そう?」

「それに、僕達まだそこまで親しくないでしょ?」

「寺川君がそう思うならそうかもね~」


彼女は、少し拗ねた様に学校に入って行った。


「わ、悪かったって。そんな怒らないでよ」

「寺川君が、「僕達まだそこまで親しくないでしょ?」とか言うからだよ」

「いや、だって実際…」

「実際?」

「いや、実際会ったの1回だけだなって思っただけだよ?」

「1回じゃ友達じゃないんだね?」

「え?」

「じゃあ、毎日私と登校する?」

「いやいや、いきなり何を」

「私は真面目に言ってるんだけど?」

「えーと…考えさせて?」

「分かった」


正直、彼女の考えてる事が解らなかった。

一体何故、僕と一緒に登校しようと持ち掛けたのか。

僕は、この時は解らなかったんだ。


式の前に既に仲良くなっている人達を見つけたり、中学から仲が良かったのか「久し振りだね~」って言い合ってる人達を見て、僕は不安になった。


「はぁ~僕はやっていけるんだろうか」

「最初から弱音吐いてちゃ何も始まらないよ?」


彼女の言うとおりだった。確かに最初から諦めちゃいけないな。


「あっほたるちゃ~ん」

「あっ」


突然、前からツインテールの可愛らしい女の子が走って来た。

走って来て、橋本さんに抱き着いた。


「ゆいゆい、苦しい」

「久々だね~ほたるちゃん、元気だった?」

「うん、至って元気だよ」

「あれ?そちらの方は?」

「お隣に引っ越しして来た人」

「へ~」


女の子は、僕に近付いて、


西本にしもと 結衣ゆいです。宜しくね」

「寺川 夏樹です。宜しく」

「あっ、もしかしてほたるちゃんの彼氏とか」


この子は突然何を言っているのかと思った。


「ち、違いますよ!そんな」

「あれ?照れちゃってる?」

「ゆいゆい、この人は私と親しくはないって言ってるから照れてるわけじゃないと思うよ?」

「えー親しくないってどういう事?寺川君」

「いや、ちょっと話を色々混ぜないで?」


今すぐここから逃げたかった。とんでもない状況になったと。


「まぁ、2人共似合いそう!あっ、私そろそろ行かなきゃ。じゃあね」


そう言って、西本さんは颯爽と去った。


「全部違うって、否定したら良いのに」

「え?」


彼女は、そう言って体育館の方へ走って行った。


to be continued…

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