8/10
5月(3)
「入学式も車いすだったよね?何処か悪いの?」
1人の女の子が聞いてきた。
入学式も?私は思った。記憶がない。
というか、全く周りを見てなかった…彼は入学式に車いすできていたのか。
「ちょっとね!」
彼は病気を濁した。私にはすぐ話したのに…何故だ?
もう1人の女の子がに何かを決意したように私達に質問してきた。「ふたりは付き合ってるの?」
えっ!えっ!付き合ってる…
「学校も一緒に毎日いるって噂聞いて!…気になっててさ!」
待って私はただの付き添い!って言おうとした時に彼がすかさず答えた。
「付き合ってないよ!僕の片思い!僕が一目惚れして、いろんなことに付き合ってもらってるんだ!」
えっ…その答えはますます私をパニックにさせた。
「そーなんだ!」1人の女の子は嬉しそうに答えた。もう一人の?女の子はどことなく悲しげに見えた。
私は混乱して声が出ない。
「良かったら、友達にならない?」
彼はふたりにそう言っていた。