5月(2)
「神田、悪いな!住吉のこと、よろしくな!」先生は言った。
「よろしく!!!」
楽しそうなヒロ君…どうやって親を丸め込んだのだろう。
こっちは慣れない車いすの操縦にアタフタしてると言うのに…
車いすの操縦は思っているより大変だった。
実はこの課外授業は欠席するつもりだった。
レポートを提出すれば、出席したような感じになるらしかったから。ただ、レポートの量が半端ないとのことで大半はちゃんと課外授業に参加していた。それでも私は不参加の方向だったのに…
私は彼の参加決定と伴に強制参加が決定した。
彼は車いすで参加する事で話が纏った。しかも、何故か親御さんに信頼を得ている私が側にいる事を条件に…
彼が親御さんに上手いこと言ったのだろう…
念の為に学校用の連絡携帯を先生に持たされた。
なら先生が側にと私は思ったが、それでは楽しめないだろうと言うことで親御さんの許可も出てるので私が側にいる事となった。
「楽しいね!やっぱり!来て良かったでしょ?ねえヒロちゃん」
本当に彼は楽しそうだ。
「そうね…」
「楽しそうに見えない!ちゃんと楽しまないと!」
そうは言っても私は車いすの操縦で私は手一杯なんですけど…
「はぁ…そうだね。」
「あの…」
振り返ると2人の女の子がいた。