5月
「ヒロ〜〜!おはよう!」
「おはようトキ君。」
結局、毎日学校に来ている。
断れなかった…心疾患に嘘はない。
そして、親御さんもやって来て親御さんにもお願いされた。
もう逃げれなかった…渋々、了承した。
無理がないように毎日だいたい、3時間くらい。トキ君の体調を見て、もう少し少ないときもあるし、多い時もある。
「今日は英語と数学の勉強をやろう!」
トキ君は一見、今日も元気そうだった。体調がいい時は本当に心臓がに病を抱えているとは思えなかった。
「おーい!神田!!!」
先生が私を呼んだ。
「何~」って言いながら、早足で先生に駆けよるトキ君。
案の定息切れ…呼ばれたの私なんだけど…
「おい!大丈夫か住吉!走っちゃダメだろ!しかも読んだのは神田の方だ!」
「そうだよ!走っちゃだよ…何やってるの!」
私が注意すると彼は笑っていた。
「先生!僕、大丈夫です!」
「無理はするなよ!本当に…」先生は心配そうに彼を見ていた。
「ところで神田!課外授業の件だが、行くのか行かない、行くのか返事をくれないかな?」
「2人とも行きます!」大きな声でトキ君が答えた。
「何言ってるんだ住吉。住吉は行けないから、代わりのレポートと決まってるじゃないか」
「どうしても行きたいんです!先生、お願いします!」
「そう言われてもなぁ…親御さんに相談してみるか…何か方法があるかもしれないし。」
「よろしくお願いします!」
彼はそう言って、こちらを見た。また、笑ってる。
でも、さっきとは違う…何か企んでいる顔だ。嫌な予感しかしなかった。