4月(5)
彼が見せてくれたのは新たに出来たキーホルダー型心疾患マーク。分かりやすく言うとマタニティマークみたいな感じ。妊娠さんが良くつけているキーホルダーの心疾患バージョン。最近出来たばかりで私も見るのは始めてだった。
確か、お医者に認められた限られた人しかもらう事が出来なかったはず…
「びっくりしたよね?」私はだいぶ動揺していた。
「なんで私にそれ見せたの?私、何て言っていいのか…」
そして、彼は更に私を動揺させた…
「お願いがあるんだ!」
「お願い………?」
「まずは初対面でいきなり、こんなもの見せてごめん…これを持ってるって事は意味わかるよね?」
「何となく、心臓病って事だよね?」
「そう。心臓があんまり強くないんだ。だから、普通の高校に行けなくてさ…それでここに通う事にしたんだ!毎日通わなくていいし、調子が悪くなったら帰らるしね!」
彼はとても辛そうな話を明るく話していた。
私が彼に感じた違和感がわかった気がする。体調は悪そうだけど、彼はびっくりするくらい明るいのである。病気に負けないって気持ちの現れなんだろうか…
「それで本題!ヒロにお願いしたい事なんだけど…」
「何?」
「毎日、学校に着てくれないかな?」
「はぁ!」思わず出てしまった!!!
「いつまで、学校に通えるかわからないんだ僕。だから、通えるうちは普通の学校みたいに過ごしてみたいんだ!」
「だから、、、お願い!毎日、学校に来て!」
嘘でしょ………どうしたらいいの……