プロローグ
4月8日―
新学期。
うんざりしてる人もいれば、ワクワクしてる人もいるだろうし、
クラス替えが楽しみな人だっているだろう。
私はどちらかというとワクワクしてる方だと思う。
春休みの間に修理した鞄と新調したローファーと
クリーニングから返ってきたばかりの制服に身を包んでから、
いつものように満員電車に揺られて、この緋色女子学園中等部に通ってくる。
クラス表の確認もほどほどに、さっさと席につこうと階段を上がる。
さっき、私はワクワクしてるといったが、
そんなに大したことはなくて、ただ、去年までのつまらない日常から
抜け出せたらいいなと思っていたのだ。
私は去年までテニス部に入っていて、球拾いばかりしていて、
クラスで特別仲の良い友だちができたわけでもないし、
何か凄いイベントが有ったわけでもないからだ。
こんなのはもうまっぴらだ。
でも私はまだ知らなかった。
つまらない日常から抜け出すどころか、
とんでもない日々を送ることになるとは…
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こんにちは、作者のいとしきと申します。
設定、プロローグ…ちょっとくどいというか長いですかね。
この子が普通すぎるだけで、多分これから描かれていくのは日常生活なので、
ご安心ください。(?)
それではどうぞごゆっくり。