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魔王の唄  作者: 紅葉コウヨウ
8/8

アナザーエピローグ

「これは酷いな、本当にここがユーリの家か?」

「……うん、この家にあいつの生体反応、染みついてる」

 ユーリがリシアと共に宮殿のバルコニーに立っている時、ラグナは彼の実家へとやってきていた。その目的は作った借りを返すため――知らない間に暴走し、道を誤っていた自分を止めようと必死になってくれただけでなく、すんなりと自分たちを逃がす様に話をつけてくれた。

 その借りを返すために、ラグナは彼の実家にやってきていた。目的は簡単、話に出てきたユーリの幼馴染の足を、アリスの魔法で完治させるためだ。

「そうすれば借りは返せると思っただけどな……っと!」

 床で気絶していた兵士に愛剣で止めを刺し、ラグナは二人の少女の惨状を見る。

 一人は首が落ち、もう一人は腹を貫かれている。

「……痛そう」

「あぁ、屑だな。こんな事する奴らは生かしておけない」

「どうする、の?」

「ん、とりあえず治しておけ。その後は一時的に俺たちで保護する」

 ラグナはアリスの頭をわしゃわしゃ撫でた後、部屋を出ようとする。

「待って……どこまで、治す?」

「治せるところ全部だ」

 言うと、アリスは「わかった……」と頷き、二人の少女の死体に魔法を使用する。あらゆる生命に干渉する力『生命の樹』を。

 その様子を見たラグナは今度こそ部屋を出て、廊下を通って家の外へ出る。そして、夜空に光るもっとも明るい星を見ながら呟くのだった。

「若干返し過ぎた気がするけどよ、ユーリ。確かに借りは返したぜ」


 ――お前は間違うなよ、俺みたいに。


 夜は静かに過ぎていく。


とりあえずこれで完結です。

楽しんでいただけたでしょうか。

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