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藪に道なし (その3/3-2)
泣いた顔に再び袋をかけられ、車に乗せられた。
降ろされたのは、見戸代桟橋というところの駐車場であった。桟橋には釣り竿をたらす釣り人が十人ほど、穏やかな海に対していた。その先には別の島が何事もないかのように聳えていた。
「あとひとつ橋渡ったら本土やから、まっすぐ帰るんやで。」
「わ、わかりました。」
山田は、男たちに見送られるように自分の車を出した。
逃げるように山陽自動車道に走り、心を落ち着かせようと宮島パーキングエリアに車を入れた。そこで自宅へのナビをセットしようとして気付いた。今回の走行軌跡をナビに記録していたのであった。
山田はその記録を見て驚いた。軌跡は道の駅の後、瀬戸内海を渡り、徳島県の美馬市の林道を走り止まっていた。(海を越えたのか?あいつら何者だ?)そう思ったら手の平の疼きも無くなり、火傷の痕も消えていた。




