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二人の奇跡(訂正)

作者: Gumi

俺の名前は柿崎翔也。一応この物語の主人公である。俺は近くの北桜高校に通う2年B組の生徒だ。

ある金曜日の放課後、俺の親友で頭の悪い松本佑介が週末についての話かけてきた。

「なぁ翔也、土曜日にさ自転車で海に行かないか?」 

突然、佑介の口からそのようなことを言っていたが俺は申し訳なさそうに言った。

「ごめん、佑介。その日は明日歌に呼び出されちゃって、行けそうにないや・・・」

俺は両手を合わせ、軽く頭を下げて佑介に謝った。でも佑介は一切怒ることはなかった。さらに俺は続けて

「今週は無理だけど来週ならいいよ!!だから、その時に行こうぜ!!だってその時にはなんか催し物があるみたいだよ。」

笑顔で言っている俺に対して、佑介は「催し物があるから行くって、お前は小学生かよ!」と笑顔で冷たいつっこみをした。

「じゃぁ来週の土曜日にな!!」と二人で言い合いながら別れた。

そこで、俺が歩いていると一人の少女に話しかけられた。

「ねぇ翔也、佑介となに話してたの?」

彼女は、俺と同じ北桜高校に通い、同じクラスで、幼なじみの東条明日歌である。彼女と俺は幼なじみと言っても最近まであまり話す機会は全くなかった。

しかし今年になって9年ぶりに同じクラスになった。このことによってまた話をするようになった。

「え〜っと、明日、海に行こうって誘ってきたのさ。もちろん明日じゃなく来週のことだから安心しろよな・・・」

なぜか俺は、無意識に早口になって、慌てて言い訳をするように明日歌に聞こえたようだ。

そしたら明日歌は笑いながら俺に言った。

「ねぇ、翔也〜どうしてそんなに慌ててるの?もしかして好きな人できたの〜?」

明日歌は、笑いながら言っていたので俺は無償にイライラしていた。

「んな訳ないだろ!!俺は・・・」

その後、なぜか俺は言葉が詰まってしまって続かなかった。「ん?どうしたの翔也?」

明日歌はまだ笑っている。俺は今何を考えていたのか自分でも分からなかった。彼女は俺が困っているのを察知したらしく、彼女もどのようにフォローすればいいのか言葉が見つからなかった。

彼女が考えた結果「翔也、帰ろうか・・・」と言った。

俺も考えるのをやめて素直に彼女の言葉に従った。

俺はまだ少し頬を赤く染まっていたが明日のことが楽しみで、何度も「明日は楽しみだな!」とずっと繰り返してた。

「うん。そうだね・・・あ、そういえばどこ行くのか決めてなかったね。どこ行こっか?」

俺は彼女がそのようなことを決めていなかったのを改めて気がついた。

「そうだな、とりあえず駅に行くか?そこに行ってから決めるか?それとも明日歌、どっか行く希望あるか?」

面倒くさい俺はとりあえず明日歌の意見を聞くことにした。彼女の顔を見ると、少し恥ずかしそうだった。

「一応ね、行きたいところあるんだ。実はね、誰も知らないと思われる「秘密の海岸」があるんだ。ここからは自転車で1時間程度だからそこに行ってみない?」この「秘密の海岸がある」という発言を聞いて興味津々の俺は「おもしろそうだな!

じゃぁそこに行ってみるか!!」

俺は同意して明日歌は思わず笑顔を見せて

「ありがと、翔也。」とお礼をしてきた。さらに明日歌は「さぁ、さっさと帰って明日の準備でもしようね翔也。」

俺も「そうだな」と言って、盛大に背伸びをして明日の確認をした。

「じゃぁ、明日は明日歌の家の前まで行くから。」

ちょうど話が終わったときにいつものT字路が見えてきたので俺と明日歌は別れることにした。

「じゃぁな明日歌」 「またね、翔也」

俺は帰宅して携帯を確認してみたら、佑介からメールが来ていた。俺は仕方なく確認してみた。

「明日、明日歌と遊びに行くんだろ〜十分楽しめや!!」

相変わらずバカでお節介だなとぼやきながらとりあえず返信だけしておいた。

「当たり前や、お前はバカかっつーの!!」

自分の返信内容を改めて確認してみると思わず笑みがこぼれた。

「明日は明日歌とずっと一緒なんだな〜」って思いながら佑介に送信した。

夕食を食べた後、俺はすぐに自分の部屋に戻り明日の準備をした。終わった後俺はベットに横になったらいつの間にか睡魔に襲われて寝ていた。

俺が一度起きたとき時間は深夜2時を指していた。妹が気を利かせてくれたのか知らないが、電気が消されていて、さらに毛布まで掛かっていた。

一応携帯を確認してみると一通のメールが来ていた。内容は「明日の9時半にきてね!!」

明日歌からのメールだった。そう言えば時間を決めてなかったことに気付いた。俺は再び眠りに就くことにした。

土曜の朝、俺が起きたのは9時だった。俺は慌てて朝食を済まして、すぐに家を飛び出した。何とか間に合った俺は彼女の家に着いた。彼女はもう表に出ていて彼を待っているかのように立っていた。


「ゴメン、遅れた〜!」

「おはよう、翔也って、どうしたの?息を切らして」

挨拶したあと翔也は「ちょっと寝坊してね・・・」笑顔で答えておいた。

明日歌は笑いながら「翔也、行こっか!」俺は明日歌に道案内されつつ、色々と楽しい話をしているうちに明日歌が言う「秘密の海岸」というところに着いた。

明日歌は自転車を降りて「翔也、こっちだよ!」と手を振りながら俺をそこに促した。

そこには大きな洞窟があり、俺は思わず足を退いてしまった。

その奥から「どうしたの、翔也?早く来ないと置いていくよ〜」と彼女の声が聞こえたので俺は仕方なく彼女の方へ進むことにした。

俺はやっと彼女のところに追いつくことができた。

そこには澄んだ青空のように海が光っていた。俺はあたりを見回してると天井に僅かに小さな穴が空いていて、そこから光が入っているのだろうと推測した。

俺はこの光景を見て「明日歌、ここ本当にすごいな。海の輝きも綺麗だし、天井からの僅かな光とうまく組合わさっているから。」

明日歌は俺の感想を聞いて

「ここはね、昔、お父さんと一緒に来たところなの。だからね、この光景を翔也にも見せたいなって思っていたから今日はここに決めたの。」

「へぇ〜そうなんだ・・・本当にここは良いところだな!」

俺はさっきから「良いところ」しか言っていないような気がしてなぜか無償に笑っていた。

「ねぇ翔也、弁当作ってきたけどここで食べない?」

暗い空間で表情を確認する事はできないけど、なぜか彼女は頬を赤く染まりながら言ったような気がした。

俺は彼女の言葉が不意打ちのように感じたので少し驚いた。「じゃぁ食べるか!!久々だな明日歌の弁当!!」

「ちょっと、翔也、そんなに期待しないでよ・・・少し失敗しちゃったから・・・」

彼女は俯きながらそのようなことを言った。

「大丈夫だよ明日歌!明日歌は料理上手いから、多少のミスでも大丈夫だって、だから顔を上げなよ」俺の励ましに近い言葉を聞いて明日歌は顔をあげて笑顔で答えた。

「ありがとうね、翔也。まったく、翔也のフォローにはかなわないよ。さて食べよっか!」

こうして俺らはこの不思議で幻想的な空間で昼食をとった。「いや〜、やっぱり明日歌の弁当は上手いな〜また食べたいな。」

翔也は彼女の作った弁当を賞賛している。

「もう、翔也ったら褒めすぎだよ〜」

といいながら彼女は俺の背中を叩いた。俺は思わず落ちるのではないかと少しびっくりした。

「おい、明日歌、もう少しで落ちるところだったぞ!!ってあれ?」

俺は岩から生える一輪の花を見つけた。すぐにバランスを整えて彼女に知らせた。

「あ、本当だ。綺麗だね。あ〜摘んで家に持ち帰りたい!!」俺は彼女がく駄々をこねる姿を始めて見たので「明日歌は本当に可愛いな」と感じた。

俺は「明日歌、花は好きなの?」と当たり前のことを聞いていた。

そしたら彼女は「当たり前でしょ。女の子なら常識だから。」と言いながら俺と明日歌は何時間も話続けた。

時計を確認した俺は「明日歌、そろそろ帰るか。だいぶ日が傾いてきたからさ。」と言ったら

「うん、そうだね。」

彼女は少し浮かない顔で返事をした。

それに疑問を抱いた俺は「どうした、明日歌帰らないのか?」

「うん、ちょっとね話があるんだ・・・」

(え?なんのことなんだろう?)

「じ、実はね・・・ずっと前からなんだけど・・・翔也のこと好きなんだ・・・」

俺は彼女にどう答えればいいのか分からなかった。

「あのさ、明日歌・・・」

言葉が続かない、早く返事をしないと・・・

「翔也・・・?」

彼女の顔を見ると頬を赤く染め、今にも泣きそうな顔をしていた。

「なぁ、明日歌。付き合うのは良いけど、こんな俺みたいな奴でいいのか?なんも取り柄もない、平凡、凡庸な俺でいいのか?」

俺は思わず熱が入って大声になっていたことに気付いたので「ごめん、言い過ぎた」と謝った。

「大丈夫。私はね、ただこれからもずっと翔也の傍にいたいだけなの。それに翔也といるといつも落ち着いていられるの。だからお願い・・・」

彼女はもう泣く寸前だ。俺はすぐに決めなければならなくなった。数十秒経ってから俺は彼女に返事をした。

「いいよ、明日歌。付き合うか?」

彼女の口を挟んで言ったことなので彼女は、少し驚いた状態だ。

「え!?いいの?」

彼女はただそのような言葉を繰り返すばかりだった。

「ああ、いいさ、いつでも傍にいてやるよ」

言い終わったのと同時に俺は無意識に彼女を抱きしめていた。

「よかった。ありがとうね翔也。」

彼女は泣きながらそう答えた。

「さて、そろそろ帰るか。マジで暗くなってきたし。」

「うん、そうだね。」

彼女はその一言を言ってから洞窟を出るまでは一切話さなかった。

洞窟を出てから俺は久々に外の空気を吸ったと言う感じに

「明日歌、外の空気吸うのってやっぱり気持ちいいよな!」

彼女も同じような意見で

「そうだね、翔也。外も・・・やっぱり・・・いいよね。」

その後二人は何も話すことなく来た道を1時間かけて戻った。

そしていつものT字路に戻った後俺は

「明日歌、今日は楽しかったな!また今度行こうな!」

俺は思い切りの笑顔を彼女に向けた。

「そうだね、翔也。また行こうね」



俺は帰宅したとき、時刻は既に6時を回っていた。部屋に戻って携帯を確認すると、新着メールが5件来ていた。差出人はほとんど佑介からだった。

「明日歌との」「デート」「どうだった」「か?」

このような途切れながら送られたので俺は「早くコイツ(佑介)を殺したい」という気持ちになった。

もう一通は明日歌からのメールだった。俺は思わず喜びに浸っていた。

「翔也、今日は楽しかったよ、ありがとうね!あと、時間があったらまた行こうね。」

俺はすぐに彼女に返信をした。

「俺も楽しかった。こっちがお礼を言いたいよ、ホントにありがとうな。」

返信をした俺は机に携帯を置き、ベットに寝ころんだ。俺はそれほど疲れていないはずなのに睡魔が襲ってきて眠ってしまった。

ハっと気が付いたときにはもう夜中の1時を回っていた。

辺りを見回してみると、カーテンが閉められて、僅かに窓が空いていた。机の上には妹か母親の気遣いなのか知らないが晩ご飯がラップにかけておいてあった。丁度視界に入ったのと同時に腹が鳴った。俺は動くのが面倒になったのか「また寝るのもいいな。」と思っていたが、空腹の限界が来ていたようなので俺は食べることにした。

晩ご飯を食べ終えて食器を洗い終えて自分の部屋に戻ったときにはもう2時を回っていた。 戻ったあと俺はまた携帯を確認した。明日歌からの新着メールがあった。

「今度、成琉大学のオープンキャンパスあるけど一緒に行かない?」

俺は「明日歌が行くなら俺も行よ。」と返信しようと思っていたが、時間も遅いというのもあるので送るのを諦めて寝ることにした。

翌朝俺が起きたのは九時半だった。着替えてリビングに入るとそこには明日歌がいた。

「おはよ〜翔也!」 俺はなぜ彼女がそこにいるのか把握できず、動揺していた。「ちょ、何でここ(ウチ)にいるの?」

「何だっていいじゃない?暇なんだからさ。顔ぐらい出したっていいでしょ?それとも邪魔だなって思ったのぉ?」

「そ、そんなことないよ。冗談だよ、冗談。」

俺が笑ってごまかしている中、彼女は突然俯いていてしまった。俺から見ると少し心に傷を負ったように見えた。

俺はどうすればいいのか分からず、とりあえず謝ることにした。

「わり〜な明日歌、俺の失言だった。」そんなことを言ってると彼女は突然笑い出した。

「今のことで俯いてへこむ人なんているわけないじゃん!!」俺は唖然とした。彼女がこんなに腹黒いなんて思わなかった。しかし俺は彼女の腹黒さに怒りを露わにしそうだったが抑えて笑顔で返すことにした。

「そ、そーだよな。ホントそんなひといたらマジ爆笑だな。」

「そうね。翔也、ちょっとどこか行こ。」

いきなり言われた俺は、「おう!」といいつつ少し慌てて身支度をした。

外に出ると彼女は「ほら、翔也、おいていくよ〜」って言われたので俺は改めて「なんていうわがままな女なんだ。」とぼやいた。

彼女について行くとそこは、「秘密の海岸」だった。俺は一回時計を確認した。なぜなら前回ここに来たときは、一時間もかけて来たのに今回は20分足らずで着いたからだ。そしたら彼女は突然言い出した。

「翔也、実はねここに行くのに近道があるんだ。この前考えたときは回り道しか思い出せなかったの。だから一瞬行こうか迷ったの。でも翔也との思い出を作りたいから行こうと決めたの。ホントごめんね。」

彼女は、「てへ!」っていたずらな笑みを浮かべながら、俺に謝った。

俺は唖然したが彼女の笑顔を見るとふとあることを毎回考えてしまう。

俺はこれから、彼女と一緒に生活して、彼女を支えていかなければならないということを決めなければならなかった。

そして、ある出来事が鮮明に蘇った。


昨日の夕方、俺は明日歌の母親に呼ばれてある真実を言われた。

「実は隠してたことあったの。あの子、小学校卒業するまで入院してたの。元々心臓が弱くて6年生のときに手術したの。先生からは「恐らく長くて10年でしょう」って言われたの。だから一つだけお願いがあるの。最初言ったようにずっとあの子の傍にいて欲しいの。今はいきいきしている姿でも、もしかしたら1年、半年、もしくは1カ月後あの子が倒れてしまう可能性があるかもしれないの。表では笑ったりしているけ

ど家に帰ると必ず薬を飲んで家でもできる簡易点滴をするの。そのあの子の辛そうな顔をもう見ることができなくなって・・・」

俺は辛かった。しかし真実を語る彼女の母の方がより辛そうに見えた。そのとき俺はあることを考えた。

もしかしてこの前海岸から帰るときすぐに帰ろうとしなかったのはちょっとした発作が起きたのではないかと思った。そのことについて俺は彼女の母親に聞いてみた。

「あの、先週の土曜日の夕方帰ってきたとき、明日歌さん辛そうではなかったんですか?」

そしたら「え?どうして知ってるの?」という表情を見せた。

「実は・・・」俺はあのときの彼女の様子について語った。彼女の母は納得し俯いた。そしてあることを言った。

「翔也君何回も言うけどこれからも明日歌の傍にいて支えになってね。でもね、もしかしたらあなたの未来を無くすかもしれませんよ。その覚悟があるならあの子も喜ぶし、おばさんも安心するから。」



俺は迷わず彼女の母が安心することを言った。

「安心してください。これからも彼女と一緒にいるつもりですから。」

その言葉を聞いた途端、彼女の母は安心したようで、手で胸を撫で下ろしてた。

ここは「秘密の海岸」俺は彼女(明日歌)に自分の本当の気持ちを“今”此処で伝えなければならない。

俺が「明日歌・・・」と言いったのと同時に「あのね、翔也・・・」と重なってしまった。

俺はすぐに「明日歌から言っていいよ。俺の内容はとてもくだらないことだから・・・」と付け加えた。

「私もそんな翔也には関係ないと思う・・・けど言うね。」俺は思わず息を飲んでしまった。

「実は、下手すればもうすぐで死ぬかもしれないの。小学生のときある心臓の病を患っていてずっと入院していたの。でも高校生になって少し治まってきたから通学許可をもらえたの。」

俺は改めてそのことを聞くと胸が苦しくなって彼女にどのように言葉を返せばいいのか分からなくなってしまった。さらに彼女は続ける。

「翔也から見て元気そうに見えるけど、あと5年位経ったらこの姿はもう見られないと思うよ。翔也、神様って酷いよね。私の未来、全部奪っちゃったもん。」

俺は彼女の発言に否定した。

「そんなことないよ。未来が奪われてしまったなら新たに見つけ出そうよ、俺と一緒に。」

今の俺の発言によって彼女の心が動いたように見えた。そして涙が一滴頬を伝って流れたのと同時に言った。

「一緒に見つけ出してくれるの?本当にいいの?」

俺は彼女の問いかけに同意して「ああ、いいさ」と言った。彼女はさらに続けて「過酷だし、下手すれば翔也の未来がなくなってしまうよ。それでもいいの?」俺は昨日彼女の母に同じように聞かれたが、さっきと同じように「ああ、いいさ。俺が決めたことだから。」と言いながら最高の笑顔を彼女に見せた。

彼女も俺に笑顔を見せたがすぐに俯いてしまった。そして悲しそうな顔で言った。

「でもやっぱり無理だよ。」

ほとんど彼女が諦めているような顔をしていた。彼女は内心怖がっていると俺は察知した。だからあることを彼女に聞いた。

「なぁ明日歌。お前にとって今一番欲しいものは何だ?」

その問いかけに彼女は考えた。

「私の今一番欲しいもの・・・」と呟きながら考えた。

数分経った後に彼女は俺の顔を見つめながら「あるよ」と言った。

俺は「今叶えれるか分かんないけど言ってみろよ」と言った。

そのとき岩の隙間から風が吹き、彼女の声が遮られた。しかし、彼女の口の動きから「結婚」という2文字が浮かび上がった。

俺は確かめるように彼女にもう一度聞こうとしたら「2度目はなしだよ」と言われた。そして「翔也が見えた口の動きの言葉を思ってくれれば私は嬉しいから。」そう言いながら彼女は「帰ろう」と言った。

俺は明日歌の体のことを配慮して自転車に乗らないで歩きながら近道を通っていった。今日の帰りはとても楽しかった。彼女も同じ事を感じたのだろう。

そのとき俺はあることを誓った。

『俺は東条明日歌を支え、彼女が幸せな日々を送らせることを誓う。』


2年後、俺たちは北桜高校を卒業して彼女と結婚した。高校2年のとき長くて5年と言われた彼女の余命は15年と長く生き、27歳という彼女の長くて短い生涯を終えたのであった。そして俺と彼女の間に一人の男の子を産んだ。彼女はこれからも彼に健やかに明るく生きてもらいたいことから健明(やすあき)と名付けた。


ある爽やかな晴れの日、俺は健明と二人で彼女との思い出の場所に行った。

「健明、ここは俺と母さんの思い出の場所なんだよ。とても綺麗だろ!」

彼は言葉に表さず頷くだけでの意思表示をした。

俺は健明にこの場所を説明した後ある花言葉を思い出した。

アイモネ「固き誓い」

俺は一生、彼女と生きたこの瞬間を忘れない。


   〜end〜


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