表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
【2期】Baby Tune 〜謎の少女に人生を破壊されながら頭痛だけは治る件〜  作者: 末紀世(まつきよ)


この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

7/12

打ち上げろ!爆誕生日!?



京都。


夜。


暖簾が揺れる。


「いらっしゃいませー!」


店の中は。


にぎやかだった。


焼き鳥の匂い。


油のはじける音。


人の笑い声。


そして。


テーブル席。


四人が座っていた。


「かんぱーい!」


グラスがぶつかる。


カチン。


チェリは。


目を輝かせていた。


「なにこれ!!泡!!泡!!!」


ビールの泡に。


指を突っ込もうとしている。


「やめろ!」


ユウが慌てて止める。


安田。


もう半分笑っている。


「朝霧」


「はい」


「お前の人生、急に騒がしくなったな」


「本当ですよ……」


ミナは。


焼き鳥を一口食べて。


ふと。


考える顔をした。


「……でも」


間。


「さっきから思ってたんですけど」


三人が見る。


ミナは。


カバンを開けた。


取り出したのは。


少し古い。


スマートフォン。


「これ」


テーブルに置く。


「ゲーム用のサブスマホなんですけど、ほら!ノケモンGOやってて!」


チェリ。


身を乗り出す。


「それなに!?」


ミナ。


静かに言う。


「チェリさん」


真顔。


「これ、触れますよね?」


チェリ。


ドヤ顔。


「触れるよ!」


ユウ。


首をかしげる。


「いや、だから?」


ミナ。


少しだけ。


前のめりになる。


「つまり」


間。


「これで、私たちとも」


ゆっくり言う。


「会話できるかもしれません」


沈黙。


安田。


グラスを置く。


「……なるほど」


興味津々。


完全に。


乗ってきている。


「やってみよう」


ユウ。


まだピンと来ていない。


「いや、普通に喋れるだろ」


ミナ。


きっぱり言う。


「私たちには見えないんです」


その言葉で。


ユウは。


少しだけ。


止まった。


チェリは。


スマホを。


そっと触る。


画面が。


光る。


全員。


息を止める。


チェリ。


真剣な顔。


指で。


ポチ。


ポチ。


ポチ。


数秒。


静寂。


そして。


ポン。


通知音。


ミナのスマホが震えた。


画面に。


表示された。


---


『はじめまして!!!』


---


たくさんのさくらんぼの絵文字。


安田。


固まる。


ミナ。


口を手で押さえる。


ユウ。


ぽかん。


「……マジか」


チェリ。


満面の笑み。


「できた!!!」


---


そのあと。


しばらく。


三人は。


スマホを見つめていた。


まるで。


本当に。


そこに。


もう一人。


いるみたいに。


---


安田。


ふと。


言う。


「……で」


真顔。


「どんな姿なんだ?」


チェリ。


胸を張る。


「かわいいよ!」


ユウ。


即答。


「いや、普通だよ」


ミナ。


身を乗り出す。


「特徴、教えてください」


メモを取り出す。


「髪型は?」


「水色」


「身長?」


「これくらい」


手で示す。


「服装は?」


「赤いマント」


「さくらんぼ?」


「ある」


ミナ。


頷く。


スマホを操作する。


「ちょっと待ってください」


画面を見つめる。


数秒。


そして。


言った。


「生成します」


画面が。


読み込みを始める。


くるくる。


くるくる。


全員。


見守る。


そして。


表示された。


一枚のイラスト。


そこには。


水色の髪。


小さな体。


さくらんぼのワンポイント。


元気いっぱいの。


少女。


チェリ。


完全一致。


沈黙。


ユウ。


目を見開く。


「……いる」


安田。


思わず。


立ち上がる。


「これだ」


ミナ。


小さく。


笑う。


「アイコンにしましょう」


数秒後。


グループチャットができていた。


名前:


チームチェリ


アイコン:


チェリ。


本人。


大満足。


「かわいい!!」


ユウ。


ため息。


でも。


少しだけ。


嬉しそう。


---


そのあと。


料理が運ばれる。


串。


唐揚げ。


だし巻き。


チェリ。


爆食い。


「うまっ!!!」


「食いすぎだろ!」


笑い声。


止まらない。


時間が。


ゆっくり流れる。


---


やがて。


店の外。


夜風。


少しだけ。


静か。


安田。


急に。


黙る。


そして。


言った。


「……よかったな」


ユウを見る。


真っ直ぐ。


「お前」


間。


「一人じゃなくなったな」


沈黙。




「今日は、誕生日だ…」




その瞬間。


安田の目から。


ぽろっ。


涙が落ちた。


ユウ。


固まる。


「……え?」


ミナ。


びっくり。


「なんで泣いてるんですか!?」


チェリ。


困惑。


「え!?なに!?誰か死んだ!?」


安田。


鼻をすすりながら。


言う。


「いや……」


間。


少し笑う。


「なんか、嬉しくてな」


ユウ。


呆れながら。


でも。


少しだけ。


優しく言った。


「……泣きパイソン」


安田。


涙を拭きながら。


答える。


「おまっ!誰がパイソンだ」


一瞬。


沈黙。


そして。


四人。


同時に。


笑った。


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ