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【2期】Baby Tune 〜謎の少女に人生を破壊されながら頭痛だけは治る件〜  作者: 末紀世(まつきよ)


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やれる!



京都。


プレゼン会場。


スクリーンの前。


ユウは立っていた。


背筋を伸ばして。


資料を持って。


でも。


手のひらは少し汗ばんでいる。


控室とは違う。


静かな緊張が、会場を包んでいた。


正面には。


腕を組んだ担当者たち。


真剣な目。


逃げ場はない。


「……それでは」


小さく息を吸う。


そして。


言った。


「本日はお時間をいただき、ありがとうございます」


声は。


震えていない。


頭痛も。


ない。


その横で。


チェリが小さくガッツポーズをした。


「いけるいける!」


ユウは資料をめくる。


レーザーポインターを手に取る。


赤い光。


スクリーンに当てる。


「こちらが、今回ご提案させていただく製品の――」


その時。


チェリが。


横から。


覗き込んだ。


「それなに?」


嫌な予感。


「触るな」


遅かった。


ピッ


赤い点が。


天井に現れた。


ピッ


今度は壁。


そして。


会場中央。


いかにも偉そうな部長の額に。


赤い点。


ぴたり。


沈黙。


完全な沈黙。


ユウ。


青ざめる。


時間が。


止まった。


そして。


小さく。


つぶやいた。


「……暗殺みたいじゃん!!」


一瞬。


間。


誰かが。


「ぶふっw」


と吹き出した。


空気が。


少しだけ。


緩む。


安田が。


小さく咳払いをする。


「朝霧」


「はい」


ユウは深呼吸した。


そして。


もう一度。


スクリーンに向き直る。


「大変、失礼しました」


間。


少しだけ。


落ち着いた声で。


言った。


「現場では、

 もっと予想外のことが起きます」


会場。


静か。


全員。


聞いている。


ユウは。


続けた。


「だからこそ、

 作業をシンプルにする必要があります」


スライドが切り替わる。


工程図。


複雑だった作業手順。


そして。


改良後のシンプルな工程。


ユウは。


はっきりと言った。


「私たちは、

 職方の負担軽減につながる設計を、

 一番の価値として考えています」


会場。


少しだけ。


前のめりになる。


ユウ。


もう止まらない。


「今まで大変だった工程が、

 材料をほんの少し改良するだけで、

 驚くほどスムーズに進むようになります」


ミナが。


静かに頷く。


安田も。


腕を組んだまま。


小さく。


うなずく。


ユウ。


続ける。


「作業が楽になると、

 現場に余裕が生まれます」


間。


「余裕ができると、

 『もう少し丁寧に仕上げておこう』

 という行動につながります」


会場。


静か。


でも。


確実に。


伝わっている。


ユウ。


最後に。


ゆっくり言った。


「楽になることが、

 一番の品質だと考えています」


沈黙。


数秒。


そして。


正面の担当者が。


静かに。


頷いた。


「……なるほど」


短い言葉。


でも。


重い。


その時。


横で。


チェリが。


小さく。


拳を握った。


「やった!」


ミナが。


資料をそっと閉じる。


安田が。


低く言った。


「……いけたな」


ユウ。


まだ信じられない顔。


でも。


少しだけ。


笑った。


「……やれました」


会場を出る。


廊下。


静かな空間。


ドアが閉まった瞬間。


チェリ。


両手を突き上げる。


「きゃぁああああああ!!!

 やったぁあああああ!!!」


ジャンプ。


ジャンプ。


ジャンプ。


ユウ。


力が抜ける。


壁にもたれかかる。


「……疲れた」


ミナ。


笑いながら。


言う。


「先輩、めちゃくちゃ良かったです」


安田。


静かに。


一言。


「チームだな」


一瞬。


沈黙。


ユウ。


三人を見る。


チェリ。


満面の笑み。


ミナ。


誇らしげ。


安田。


まっすぐ。


ユウは。


小さく。


息を吐いた。


そして。


少しだけ。


照れくさそうに。


言った。


「……チームチェリ」


チェリ。


即答。


「そう!!!」




安田


「美味い店、行くぞ!!」


チェリ


「パイソンやるぅう!!!!!惚れてまうやん アチキw」


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