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【2期】Baby Tune 〜謎の少女に人生を破壊されながら頭痛だけは治る件〜  作者: 末紀世(まつきよ)


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3/12

また、騒ごうっ!


医者から帰ってきて、薬を飲んで、布団に潜り込んだ。

そのまま、ぐっすり寝た。


そして。


目が覚めた。


真っ暗だった。


ユウはゆっくりと起き上がり、スマホを手に取る。

画面が光る。


23:48


沈黙。


「……やっちまった」


昼間に寝すぎた。完全に。


「詰んだ……」


布団の中で天井を見上げる。眠れない。まったく。


その時、ふと思い出した。


「……明日」


京都。

出張。

プレゼン。


「うわぁああああ……」


頭を抱える。


「安田先輩と2人で京都……」


プレゼン資料。説明。質問。失敗。沈黙。


「考えれば考えるほど眠れねぇええええ……」


ユウは布団の中でゴロゴロ転がる。右。左。右。左。


眠れない。


「……どうする俺」


沈黙。


そして。


「……そうだ」


思いついた。


「羊でも数えるか」


小さく頷く。


「羊が1匹……」


少し間。


「……こんなんで寝たやつ、聞いたことねえぞ」


それでも続ける。


ユウは天井の模様を見つめた。


「羊が1匹……」


「羊が2匹……」


少しずつ、目が重くなる。


「羊が……」


一呼吸。


「3匹ぃいいいいいいい!!!!!!!」


「どわぁあああああ!!!!」


ユウは飛び起きた。


顔のすぐ前。


そこに。


いた。


小さくて。

元気で。

うるさくて。


「きゃぁああああああ!!!!」


「ねえねえねえ!!!みてみてみて!!!」


「うぉおおおおおお!!!!」


ユウは完全に固まった。


数秒。


沈黙。


そして。


「……チェリ」


喉が乾く。


「チェリ!!!??」


少女は満面の笑みで両手を広げた。


「久しぶりぃいいいいいいい!!!!」


ベッドの上でぴょんぴょん跳ねる。


「すげぇえええ!!!ここ!!!相変わらず男子の部屋!!!」


「うるせえ!!!」


ユウは頭を抱えた。


「なんで夜中なんだよ!!!」


「だって会いたかったんだもん!!!」


「時間考えろ!!!」


「今何時!?」


「知らねえよ!!!」


チェリはカーテンを勢いよく開けた。


「わぁああああ!!!真っ暗!!!夜だ!!!」


「そうだよ夜だよ!!!」


「夜って楽しいね!!!」


「楽しくねえ!!!」


チェリは部屋中を走り回る。


本棚。


机。


ベッド。


「うわぁあああ!!!懐かしい!!!」


「静かにしろ!!!」


ドン!


何かが落ちた。


「やべえ!!!」


次の瞬間。


---


ドンドンドン!!


---


壁の向こうから、重い音。


沈黙。


ユウとチェリが同時に固まる。


そして。


---


「うるさいぞぉおおお!!!」


---


低い怒鳴り声。


隣人だった。


完全に。


「……すみません!!!」


ユウは慌てて壁に向かって頭を下げた。


チェリは小声で囁く。


「怒られた?」


「怒られたよ!!!」


「すごいね!!!」


「すごくねえ!!!」


しばらくして、部屋は静かになった。


ユウは深くため息をついた。


ベッドに腰を下ろす。


心臓がまだ速い。


チェリはその横でニコニコしている。


「楽しいね」


「……楽しくねえ」


少し間。


でも。


ユウの口元が、少しだけ緩んだ。


その時。


ふと、時計を見る。


デジタル表示。


---


4:36


---


沈黙。


ゆっくりと、顔を上げる。


天井を見る。


そして。


小さく呟いた。


「……電車」


少し間。


「5:30だぞ……」


チェリは目を輝かせた。


「旅行!?」


「出張だよ!!!」



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