第二話 幼さってもどかしい
書き始め2026年1月22日
書き終わり2026年2月1日
「はい、あーん♡」
「んぁ~ん」
「やーん!やっぱアリデラは可愛いわねぇ!」
この世界での母親に食事を口に入れられながら頭を撫でられる。
この親、優しんだが如何せんアホ感が滲み出てるのは何故か。
「んー…出来ればもう少しだけアリデラと遊びたいんだけど…ゴメンネ。お父様とお母様が来ちゃったから暫くここで良い子にしててね」
そしてこの世界での俺の母…もといミヨザ・アリデラは俺専用に制作された子供部屋(って思えないんだが)から退出する。
…すかさずスキル「巡風」を確認。
どうやら「巡風」は自身の近くに居る生物の感情…即ち喜怒哀楽を感じ取れるスキルらしい。
そして当然と言うべきか、効果範囲は決まってる。
更に言えばここは、他国のスパイに俺を攫われない様に作られた城から飛び出るように作られた塔の中。
だからこそ、スキル「巡風」を使えば周りに人が居ない事をすぐ調べられる。
「だれもいないてちゅね」
数秒沈黙。
前世の頃の口の動かし方で普通に喋れるようになったがやっぱ幼いと口調がなんかゆるーくなってんだよなぁ…
「ま、いまちゃらでちゅね」
それよりも親にバレない様に幼いフリをするのもきっつい。
幼いってもどかしいな…
まぁそれはそうとしてちょいとスキルのトレーニングをしますか。
「うーん…ギニャレッタ」
…やっぱでねぇか。
やっぱりこれちゃんと言わないと発動しないっぽいぞ。ギニョレッタが一文字間違っただけで発動しない。
どうすりゃいいかな…
と、無言で考えている時だった。
《条件を達成しました。スキル「思考補助」を獲得しました》
「うにょい!?」
びっくりしすぎて変な声出たわ!え、何新しいスキル増えた!?うーわマジか「思考補助」っての増えてるし!?
…ん?待て、思考補助?
俺は今何をやっていた。
赤ん坊でスキル使うためにはどうすれば良いか考えていただけだろ?
考える、考える事は頭の中でする、思考…まさか
俺は一つの仮説を立て、それが当たってるかを検証する事にした。
だから、今から歌おう。
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「らーららーるらー♪」
高音は出せないが歌うだけだったら歌っぽく喋れば良いと思ったのでとにかく喋る。
「あーうあーらー♪らるらーうー♪」
テンションは高く維持しろ…維持しつづけろ…そしてこれが合ってたら…
《条件を達成しました。スキル「声帯補助」を獲得しました》
「はいビンゴー!!」
そして分かっちゃいたが普通に喋れるようになったぜ!
今さっきのスキル「思考補助」は明らかに俺が考え事してる時につけられたスキルだ。
だったら別に置き換えて考えりゃ良い!
ようは「考えるのを手伝う」スキルじゃなく「声を出すのを手伝う」スキルを手に入れれば良い!
そして手に入った「声帯補助」のおかげで俺は大人とほぼ変わんないレベルで話せるようになった。
それじゃ念願のスキルの能力の確認をしていくか。
どうやらスキル「知恵の存在」が鑑定代わりになってるんだが、読んでもさっぱり分らんかったスキルも多かったしな。
とゆうわけでサポートスキルから調べて行く事にするか。
《スキル:スカイデイル鑑定結果》
狙った方向に対して強風を起こす事が可能なスキル
魔物や重い物を吹き飛ばすのに使う事が可能
かつて、とある賢者がこの力で空を浮遊していた伝説があるがその事実を知る者は今この世界におらず
いや最後ポエムかよ(?)
まぁいいや。これについては若干分かる部分があるからスキップスキップ。
「えーと…次は」
「アリデラー!お母さんが帰って来たよー!」
「うん分かった。少し考えたい事があるから一人にして」
「…え?え、えぇ分かったわ」
次はさっき使おうとして失敗したギニョレッタあたりでも…ん?
待って今のって…お母さま!?
「…」←今何が起きたかよく分からず口をパクつかせるミヨザお母さま
「…」←うっかり前世の口調で喋ってパニックになったアリデラ
えっと…
「おか」
「貴方ーーーー!!!アリデラが!!!アリデラが普通に喋ってるわー!!!」
シャラッーーーーープ!!!???
お母さまドアから手を放して!いや今の俺が悪いがちょっと待ってマジで止まってーーーー!!!!
「貴方ーーー!!!今教えに行くわぐぇ!?」
必殺ランダムトラップ!んで運良くタライ落としだった!!
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後日、俺が喋っていた所だけピンポイントで忘れてくれたお母さまを見て少しホッとした。
いや本当に危なかった。
「…」
そんな冷や汗をたらたら流す俺を見続ける一つの小さな視線にこの時の俺は気づけなかった。
次回
第三章 姉の本性




