第81倭 イコロ=タㇰとモシリ飛び交うヤオヨロズたち
ヒメの身体とアマムを求めクスターナへ…。
「…大丈夫でしょうか…?」
心配げにヤチホコはヒメに尋ねた。
「…まだ…大きなチカラ行使さえしなければ営みを保つ事は叶います…」
(…もう先程の様な索知はさせられませんね…!)
「わかりました! 少し急ぎましょうね!」
クスターナの街の外へ船達を泊め、純陀の店へと向かった。
「おお! 良く来たべさ! ちょ~どこれからそっちさ連絡さしよっかと…」
そこまで言いかけた純陀の言の葉に待ちきれず割り込む様にキクリが尋ねる。
「…アマム…お兄ちゃん…ここに来たの…?」
「お? おお! ここにいるべさ…ないだってまだちびっとしかエウン出来ねって言うがら…話さ聞いただけだべさ!」
キクリは一度目を閉じ…すぅっと息を吸い込んだ後、ゆっくりと吐きながら目を見開いた。
「…! アマムお兄ちゃん!」
(…我が…観えるとは…! うわぷっ!)
キクリは幽体と化しているであろうアマムへ勢い良く抱き付いた。
(…! そなた…我を…トゥカㇷ゚=ケゥエのみのこの我を…掴めしとは!)
「…修行したもん! 今のアタシは…エウンオピッタ=アンペケゥエ=マェでカムイ=エウンしてるの!」
(…! な! そ、それは…それこそ我の求むるシ=パセの業…!)
驚いている内にアマムは皆に観える姿に具現化された。
「…!? こ、これは…一体…? そなたの…チカラ…か?」
キクリは微笑みながら頷いて応えた。
「…これで話しやすいと思うわ♪」
そこには…立派な九本の尾を携えた狐とも緋徒ともつかぬナニカが椅子に腰かけていた。
「…落ち着きましたか…ろーしさま?」
「お久しぶり! ボクたちもあれからね…へへ♪ 色々とガンバったよ♪」
声の方を観て驚いて応える。
「…おまえ達! ヤチホコにスセリ…! …。…。…! ヤチホコは…己がチカラ粗方モノにした様であるな…! スセリ…成程…。斯様な道歩みしか…。二人とも…大したモノだ!」
二人は老師であったアマムに褒められて満面の笑みを浮かべた。
「…ろーしさまが以前お話しされていた…アノ刻観たメノコが…きっとキクリちゃんです!」
ヤチホコがそう言うとキクリはいつもよりも少し年長の少女の姿へと変身した。
「…! そ、その姿…イネ=サラ…正に…!」
「…お兄ちゃん…アタシ…お兄ちゃんがしてくれたコト…その後あのモシリでの頑張り…すべて知ったわ! 本当にありがとう…イノトゥを賭してアタシの為に! だから! 今度は…アタシが…お兄ちゃんのチカラになるわ! そのためにココに来たの!」
「…キクリ…以前オハィンカㇻに顕われしメノコよ…。委細承知致した…。まず…我の知る限りを話そう…」
アマムは皆に今までの…小さきアリの世界へ三つのヲモヒ抱いて舞い降り、九千九度の転生を超え現世に戻ってきた事、このままではすべての権能が不足していて己の内に氣力と霊力を呼び込む術が必要であり、その為の実体を欲し緋徒伝いに純陀の元へと足を運んだ事を説明した。
「…たしか今はかんっぜんに自分のケゥエさ喪った状態っしょ? したっけイコロ=タㇰとんまぐウカムレ出来るべさ! あとは…!」
察した様に笑みを浮かべてキクリが応える。
「…材料の…ピリカ=タㇰね!」
「んだ♪ ひとつ良いモノさ探してきて欲しいべさ♪」
「…まかせて! 最高のモノを…見つけてくるわ!」
「…チャチャあとね…こっちのヒメちゃんなんだけど…?」
「うん? こ、こいつは…! カムイ=ニさ彫って…ふうむ…。確かにウタㇷ゚ケさ効かねぇほど痛んでるべさ!」
「そ~なのよ…でね、ヒメちゃんも…ど~かな? って…」
「タアン=ラマトゥに降りしモノ…しかしなしてこったらケゥエさ入ってるんだべか?」
「…ワラワは…生まれし直後にケゥエを失い…トゥカㇷ゚=ケゥエのみとなりし処…ムカツヒメさまのカムイ=イノンノイタクにてタカヒコさまが彫りしミ=ノカ=タに宿りて今まで生を紡いでこれたのです…」
「…な~るほど…そのいきさつだったら…きっといけるべさ!」
「チャチャホント? じゃ、じゃぁヒメちゃんも…?」
「おお! 立派なタㇰさ見つけてきて欲しいべさ♪」
「純陀さま…そのようなこと本当に叶うのでしょうか…?」
「ああ…! ヒメちゃん…アンタぁ…生まれた刻にこのコたちと同じになっちまったべさ♪ したっけなんも難しいコトないべや♪ 間違いなくんまぐ行くべさ♪」
純陀がそう応えるとアマムが尋ねてきた。
「我は…かのモシリよりシセイペレして参ったが…真に可能であろうか…?」
「アマムさんもケゥエなしでコッチさ来てるっしょ? んだからまんず問題なぐいけるべさ♪」
「左様であるか…! 手を煩わせるが何卒便宜の程宜しく願う!」
「な~んもさ♪ ま~かせれ♪」
「…じゃぁ、ヒメちゃんとアマムさん以外のみんな…イコロ=タㇰさがし…行くよ!」
「あ、は、はい!」「うん!」 「…今回ダケはゼッタイにアタシが見つけるわ!」
「ミヅチもがんばる~!」
「ヒメの為だ! オレも協力する! で、どうしたらいい?」
「わたしたちのよ~にトゥムが遣えるモノは…自分が強く惹かれるモノを選んだらそれがイッチバンなんだって♪ だからねイレンカのまま…」
「ラム惹かれるモノ持ち帰れば…!」
「そ~なのよ! それがど~やら一番いいモノみたいなのよね♪」
「…良し! シㇼはどこだ?」
「ふふ…このまんまついて来て…しっかりと…ね♪」
そう言うとミチヒメは影を残して疾走していった…!
「な、なんて迅さだ! 見失う前に!」
ミケヒコも必死に同様の歩法を行い追随する。
(…ホントすごぉ~いね~ミケヒコくん…日を追うごとに生長するわね♪)
ミチヒメは遥か後方より追随するミケヒコを観てヲモヒ廻らせて感心した。
(…く、くそ! 今はまだ離されるばかり…! 何の! 今に…今に観ていろ!)
「…本当に日を追う毎に上達していますね♪ メル=ストゥ=マェ遣えし刻には間違いなく抜き返されますね♪」
そう言いながらヤチホコは横を走り抜けていった。
「ぼくもついこの間までトゥムを自由にエトゥッカすら出来なかったから…きっとミケヒコならナニカのきっかけですぐだろうね」
そう言の葉を残しアビヒコにも置き去りにされてしまった。
その後ろからミヅチを乗せてキクリが飛翔してきた。
「…アンタも…のってく?」
「…かまわん。いずれ追いつく! 先に行ってるが良い」
「…そう…。きっとそうね…。…先で…待ってるわ!」
微笑んで目配せしながらキクリは飛び去って行った。
またしても飛翔する存在が…翼を展開したスセリであった。
「…つかまって。…ナニをつかっても…ダレを利用しても…目的を果たせれば…ボクはそれでいいと思うよ!」
ミケヒコははっとした。今の目的は…少しでも早くヒメの身体となる玉を見つける事。決して誰より迅く走れる事ではない…。
「…。…。そうか…そうだな! …頼む!」
ミケヒコは手を伸ばしスセリに摑まった。
「それでイイとボクは思うよ! じゃぁ…全力でいく!」
そう言うとスセリは氣力を放出させて加速していく…!
「…ぐぐっ…!」
その迅さは…息も出来ぬほどであり氣力を放出していなければ身を裂かれるほどであった!
(…ヤチホコくんやアビヒコも迅くなったケド…ま~だわたしの勝ちかな~? ふふ♪)
そうヲモヒ廻らせながら先頭を疾走するミチヒメの横を一陣の風が吹き抜けていった。スセリとミケヒコであった。
「ええ~! ウッソ~! すっごぉ~い♪」
ミチヒメはその信じがたい速度に驚きつつも感心していた。
「…はい!」「…おう!」
軽く前方に振りながらスセリは手を離した。
上手に構え滑りながら着地して一番最初に到着したのはミケヒコであった。
「…仲間のチカラに頼っても…目的を果たせれば良い…か…!」
「うん♪ みんな得意なコトちがうと思うし、ダレが出来ても出来るコト自体が大切だと…ボクは思う!」
「…我モスセリに賛成ダ…誰が為ソウが…為ス事が肝要ダ…」
「コンコン=ラㇷ゚=タンネ=カムイさま…しゃべれたの!」
「…我ガ表在シ過ギルとスセリの支配ニ支障ヲきたス故…控エてイタが…今は問題無キ様なのデナ…」
「…ありがとう! ね! ミケヒコくん…。ボクも…ボクのチカラじゃないケド…出来るコトのほーが大切と思うから…なんだ!」
「…何か…少しだけ解った気がする…礼を言う!」
「うん! じゃぁ良いイコロ=タㇰ…さがそ!」
森の奥…瞬時に旅する門付近の白玉河の上流でスセリ達はヒメとアマムの身体となる玉を探し始めた。
「ざん! ってもう探し始めてるのね! さっすが~♪」
追いついてきたミチヒメは素直に感心して自分も探し始めた。
「…フシギと…大きさはあんまりカンケ~ないんだよね♪ きっと錬成の刻にモシリにあるトゥムを吸い込んで大きくなるのかもね~♪」
川底を眺めてさらいながらミチヒメはそう話しかけてきた。
「…ならば本当にイレンカ集中してラム惹かれるモノを見つける事が肝要…そう言う事だな!」
「うん! そーだと思うよ!」
「…よし…!」
ミケヒコは川辺に座り静かに目を閉じて氣力の流れに集中してみた…。
(…なる程…。トゥムに集中して観るならば…今のオレでもこれは…解る…!)
少し離れた処に強く輝く気配を観じた…。
ミケヒコは目を閉じたまま川に入りゆっくりと歩いてゆく…。
(…近い…。…。…! ここ! この…ポㇰ!)
目を開き観ると…拳大の乳白色に輝く美しい玉があった。
「…これ…きっとこれだ! 見つけたぞ!」
その声を聴いてミチヒメが確認しに来た。
「…うん♪ これきぃっとすっごくイイと思うよ♪ さすがの集中力ね~やるじゃない♪」
満面の笑みでミチヒメはそう褒めた。
その言の葉と表情を観たミケヒコは何故だか突然胸を穿たれたかの衝撃を受け直視出来なくなった。
(…な、なんだ? コイツ今…オレにナニか撃を見舞ったか…?)
胸を押さえ俯くミケヒコに対し傍にいたスセリが駆け寄る。
「…ダイジョーブ? どこか…痛むの?」
「む…スマン…大丈夫だ…急にここが何かに撃ち抜かれたような衝撃に見舞われたが…ケゥエはどこも痛んでなかった…?」
スセリは落ち着き直して思考を廻らす…徐にミチヒメへと視線をやると…
ミチヒメはアタマを一本指で掻きながらちょっぴり舌を出し困り笑いを浮かべ目配せした。
何度か二人を交互に眺め…スセリもやっと理解し納得した。
(…まだ自分のイレンカに気づいていないみたいだから…ね?)
(…うん…ソーゆーコトか! わかったよ!)
小さな声で耳打ちし合う二人であった。
「…? ナニしているんだ? 他にも目ぼしいモノ…次探すぞ?」
「あ、そ、そ~ね!」「う、うん、ソーしよ!」
二人はそそくさと玉探しに戻った。
(…ヘンなヤツラだ…)
そうヲモヒ廻らせながらもミケヒコも集中し直した。
「…アタシはぺㇳの外のトィ=トゥムを…イッキに探すわ…!」
そう言ってキクリは権能を解放して一気に放った。
「モシリに眠るシ=キロルよ…アタシにイコロ=タㇰを示し給へ!」
観えるすべての大地にキクリの放った権能が駆け廻る…!
「…! ソッチね! あと…むこーにも!」
瞬時に二つの宝玉を手にして戻ってきた。
「わ! きえたとおもったら…すご~いふたつもみつけたんだね♪」
「ふふ…♪ どぉ? ミヅチから観て…ナニカ…観じるかしら?」
「うんと…。なんとなぁく…こっちのまっしろなの…すっごくイイきがするよ♪」
「…上出来だわ♪ そのとーりだわ! ミヅチ…アンタが今観じたのが良いイコロ=タㇰの気配よ! それとおんなじカンジのを頑張って探してみると良いわ♪」
「…うん! ミヅチがんばる!」
キクリは今は自分の為にすべての権能を喪った筈のミヅチが…至極的確に見抜いた事に驚き、そして感心して言の葉伝えし後暫しヲモヒ廻らせていた。
(…これは…ミヅチ自身に…眠れるチカラが…ある…?)
神威たるキクリが探ってもミヅチにその様なモノは観えない。
だが先程的確に宝玉の質を見抜いたのも事実である。
「…アタシも…まだまだだわ…!」
そう呟いて更なるモノを探し始めた。
「…! ミケヒコ…キクリちゃん…な~るほどですね♪ その様に探すと良いのですね♪」
なんとなく手探りで川底をさらっていたヤチホコは、そのまま浅瀬に座り封を外した。
「みんなちょっと離れていて下さいね! はぁ…!」
ヤチホコはそう言うと透明に輝く氣力を纏い霊力と融合させて練り上げていく…。
「あ! アレはみんな離れたほ~が良いよ!」
いち早く気配を察知したミチヒメがそう言った。
「アレは…あの…塔の刻の…!」
「うん…トゥムとヌプルを同時に合わせ練り上げる…メル=ストゥ=マェよ!」
(…本当にここまで身に着けているんだな…!)
「ど~やらさっきのキクリちゃんのは…そのさらに上のモノだったわね♪」
(な! そ、そうか…はは…今はワカる…認められる…弱いモノイジメは…スンケでは…無い…!)
「ミケヒコくんも…ヌプルをホンキで解放したら…きっとできると思うけど…ね♪」
「オレがせずとも…ヌプルならヒメがいれば事足りるからな!」
その言の葉を聞いてミチヒメは納得した様に応える。
「そっか…そ~だったの…。…。大丈夫! ヒメちゃんは…ミケヒコくんがヌプルを磨いて何でも出来るようになったとしても…ヒメちゃんにしか…他の誰にも出来ないコトがきっとあるから…大丈夫大丈夫♪」
「…! そうか…。そうであろうなきっと…。なに、元々あまり得手ではなかっただけだ!」
「じゃぁそ~ゆ~コトにしておくね♪ これから先は頑張らないとね♪ じゃないともぉっと先へ行っておいてっちゃうぞ~なんてね♪」
「わかっている、が…メル=ストゥ=マェとして練り上げる事…それを止めるナニカがここの内にある…! 封輪火斬…さまと契約してそれは一層強まった…」
ミチヒメは納得して微笑みながらミケヒコの頬に唇を押し当てた。
「ナ、ナニを…!」
真っ赤になっている事に気づかずにミケヒコは言った。
「さすが…ね! その内なるイレンカ…正しいと思うわ…! もしかしたら…ヒメちゃんが全力出せるよ~になったらへ~きになるカモね♪」
「…ヒメが…? そうか…オレには解らんが…オマエが言うなら…そうかもしれんな…!」
「…オマエじゃなくて…ミチヒメよ♪」
「…ああ…スマンミチヒ…、ミチ…、…くっ呼び方なんぞワカれば良いではないか…!」
(やぁん~♪ イイヨマプカすぎるぅ~♪ けど…これは…このイレンカは…きっと初めてだから…大切にしてあげたい…な♪)
ミチヒメは軽く抱きしめてそっと離し、振り向いて言った。
「…うん♪ ミケヒコくんの…好きに呼んで…良いよ♪」
ミケヒコは何故か解ららないがあまりの眩しさに直視出来ず目を逸らして応える。
「…そ、そうさせてもらうぞ…!」
「はぁい♪」
やっとのヲモヒでそう返した。物凄く苦しく観じたが決して嫌なモノではなかった。
(…最近オレは…オレが良くワカらん…が、不思議と悪いカンジはしない…。こんな今のイレンカなら…己のヌプルに…耳を傾けられるかもしれんな…)
そうヲモヒ廻らせてその場に座し、氣力を完全に鎮めてみる。そして…もう一つの世界の声…構成要素へと心を集中してみた…。
(…ヒコ…ケヒコ…。…ミケヒコ…きこえますか…?)
(…! そ、その声は…?)
(…いつもずっと…イレンカ寄せていましたよ…遠く離れたモシリからも…いつも…いつも…)
(…母…上…で…ある…か…?)
(…はい♪ よくぞ…この声聞こえる様になれましたね…♪)
(…ちょっと気になる変わったヤツの…ソイツのおかげ…かもしれんな…)
(ふふふ…♪ そうかもしれませんね♪ なんであれ…出来たことは喜ばしいですよね?)
(…そう…そうだったな。ああ…今ならそうイレンカ抱ける…)
(とても素晴らしい生長です…♪ そのまま…イレンカを外へ廻らせてみて下さい…モシリから…トゥムと違うささやきが…きっと聞こえると思います…)
(外へ…イレンカを…わかった…いえ…わかりました…! 試して…みます!)
(…はい♪ あなたのその目を見張る生長…観じれた事…母はこの上なくピリカでございます…♪)
(…母上…ありがとう…試してみます…故…いずれまた…)
(…はい♪ あなたにモシリの加護があらんことを…またね♪ あたしのア=オマプミケヒコ…♪)
(…。…よし…! 外なるモシリへ…イレンカを…!)
言われた通りにしていくと…静かな世界がしばらく続いていた中…少しずつ少しずつ…ナニカが聞こえる気がしてきた…。
(…るり…。…るるりる…。…るるりるら~♪ ラムハプルそよぐ~♪)
(…ささらさら~ささらさら~ラムアㇺケに流れる~♪)
(…ずずんずん~ずずんずん~トゥムアスヌ固まる~♪)
(…ごおうごお~ごおうごお~ウェンルィ燃えさかる~♪)
「…! い、今のは…! モシリにあまねく…ヤオヨロズの声…か…?」
(…るるりるら~るるりるら~ミケヒコ~そ~だよ~♪)
(…ささらさら~ささらさら~みんないつもいるよ~♪)
(…ずずんずん~ずずんずん~すべての事柄は~♪)
(ごおうごお~ごおうごお~我らと共にある~♪)
(…そうか…オレのチカラ…アペヌィのトゥムも…オレ自身だけではなく…)
(ごおうごお~ごおうごお~そ~ゆ~ことだ~♪)
(…ら…。きら~。きらら…。…。…。)
(…! 今までと違う…が、聞き取りきれぬモノ…?)
(…ささらさら~ささらさら~カムイとなれば聞こえるよ~♪)
(…ならば…今のは…ニス…か…!)
(…ごおうごお~ごおうごお~その通りである~♪)
(…さあ目を開き観てみて…その状態で一番輝くモノの処へ…!)
ミケヒコは目をいったん開き辺りを見渡す…。驚く事になんと精霊神の多い事か…! 至る所に存在してはあらゆる事象に関わっていた。
(…故に…ヤオヨロズ…! 今…わかった…!)
静かに観続けると…先程とは違い…肉眼では見えない輝きを観じた。
(…これは…目で観じるメレメルでは…ない…。オレの中のナニカ…それで観るともなく観る…さすれば観えるモノ…!)
草を丁寧に掻き分けていくと…そこには小さな赤子の様な玉が確かにあった。
観えるそれに対しゆっくりと手を伸ばすと…触れない…? 確かにあるのだが…?
何度も空を切る手に少し焦りが走ったが直ちに心を鎮め思案する。
(…これは…もしや…ヌプルケゥエ…か…? 生きているならば…トゥカㇷ゚=ケゥエ…ならば…!)
そこまでヲモヒ至りし刻…ミケヒコはキクリを呼んだ。
「…なぁに? アンタがアタシを…ナルホド…呼ぶワケだわ…!」
キクリはそっとミケヒコの前に歩み出て手を差し出しそのまま赤子の様な玉を優しくすくい上げた。
「…この子…連れて帰ればいいのね…?」
「…ああ…! 頼む…!」
「…驚いたわ…。いつの間にかアンタ…いいえ…ミケヒコ…あなた…生長したわ! やるじゃない♪」
忌憚なき意見としてキクリはその様にミケヒコに伝えた。
「…ありがとう…。ラムの…イレンカのまま…と言うのは…なんとも気分の良いモノなのだな…!」
「…そーよ! 誰でもイレンカとイタクは一致しないと苦しいもの! でも…良くそれに気づいたわ。褒めてあげるわ♪」
そう言うとキクリは神威の乙女になりミケヒコを抱きしめ頬に唇を押し当てた。
それも刺激的だが、その下の双丘の張りのある弾力に全集中してしまった。
「…! そう…♪ イイわ! とっても♪ まっすぐに…ヲノコだわ♡」
キクリはそう言うともう一度抱きしめてゆっくりと離れた。
「…あんまり苦しかったら…教えて…アタシが楽にしてあげるわ…♡」
「…な、何をだ…? …? …? へ、平気だ。少しばかりラムが落ち着かんが…錬でもすれば晴れるはずだ!」
「…そう…。そーねきっと…。今はそれでイイと思うわ♪ じゃぁ…この子は大切に連れて行くわ」
「…重ねて…頼んだぞ!」
「まぁーかせて♪ ははっ♪」
少しだけおどけて優しく微笑みながらキクリは去っていった。
(…ハプルなようで硬いともチガウ張りのある…な、なんだなんだ! オレとしたことが…メノコの…ケゥエの事ばかり…。それも…オレ…か…それも真実か…)
ミケヒコは己の内に湧き上がってきた様々なヲモヒを葛藤しながらも認めるようにした。
「…他に目ぼしいモノがないか…探さねば…!」
ミケヒコは再度集中を試みた…。
(…ささらさら~ささらさら~もう十分に足りてるよ~♪)
「…そうか…。ならば…良い! みな! ありがとう!」
(…ささらさら~♪ るるりるら~♪ ずずんずん~♪ ごおうごお~♪ いつでもどこでも~我らは共にある~♪)
(…そう…であるのだな! 努々忘るる事なき様ラマトゥに刻んでおく!)
精霊たちは喜んでいるような気配を残し去っていった。
(…ヌプル遣えしモノは…これが…日常であったのか…これは…大変だな…!)
ミケヒコは周りを見渡しながら心の底よりそう思った。
そしてヒメをはじめ霊力遣えしモノ達をさらに尊敬した。
霊力の扉、開きましたね♪
いやはやご迷惑をおかけいたしましたm(__)m
合間の章のコーナーたちも逐一修正と追加をして参りますので
お待ちくださいませm(__)m
用語説明ですm(__)m
・エウン:現れる 顔に出す→「具現化」としました。
・シセイペレ:(セミや蝶等が)殻を破って出てくるより、人が生まれ変わる。→「転生」としました。
・カムイ=ニ:神の+木→「御神木」としました。
・カムイ=イノンノイタク:神の+祝詞、祈りの言葉→「神威之眞呪」としました。
・ミ=ノカ=タ:衣服を着る+形を模したもの(絵、像、彫刻等)+くりぬく、彫る
→「法衣纏いし彫像」としました。
・バイユゥチュァン:白玉河。名前の通り羊脂白玉を中心として採取可能な河(実在です♪)
・トィ=トゥム:土+(土・水・草むら・森林の)中→「地中」としました。
・シ=キロル:本当の、主な、大きい+力(トゥムよりも大きい力)→「偉大なるチカラ」としました。
・ヤオヨロズ:日本の言葉。八百万の神々より、「精霊神」としました。(第19倭参照)




