第69倭 ヒムカ=モシリのトゥスクルへ
日向のクニへ…
「…モシリも…ニスも…トゥムが強く観じられます…。ここがヒムカ=モシリ…なのですね…!」
「ホント…レラも…他のトコロより元気があるみたい♪」
ここから少し歩いた処に日向のクニがあると聞いている。
少し行くと入り口が観えてきた。ヤチホコ達は開門してくれた門番に挨拶して尋ねる。
「ありがとうございます。あ、ええとですね、ヒメちゃんと…ミケヒコって今どこにいますか?」
「は。ヒメ様、ミケヒコ様は共にあちらのカムイ=チセに住まわれております。今しばらくカムイ=ピリマ=ノミ終えし刻まで横のチセにてお待ち下さいませ」
門番が丁重に案内してくれたので迷う事無く到着した。
「…あ、本当ですね…。このカンジですともう少しですかね…スセリちゃんここで待っていましょう♪」
「うん。しかしココも…おかあさま住まうカムイ=チセくらいキレーなトコだね♪ ヒメちゃんのチカラ…かな?」
「だとしたら相当スゴイですね♪ これはチパ=チパできますよ♪」
「うん♪ それにしてもこのトペンペ、はじめてだけどスッゴクおいしい♪」
「ですね♪ 出されたウセィにとても合います♪」
「…お待たせいたしました…。カムイキリサム=コラムヌカラ以来でしょうか…? 久方ぶりですね二人共」
ヒメはおよそ見た目から程遠い位に落ち着き払っている。
年の頃はキクリと同じくらいだろうか、十にも満たない様に観えるが…醸し出す雰囲気はむしろムカツヒメに迫る…もしくはそれを上回るナニカを観じえる様であった。
「…成程…各属性のトゥム司りしラムハプル=モシリ=コロ=クルのルーガルの内、レラ=ルーガル…ですか…」
「索知が得意なキクリちゃんがアンナ使っても見つけられませんのでヒメちゃんならもしかして…そう思って来ました♪」
「レラ=ルーガルの棲み家…確か時代により変遷すると聞き及んでおります…よろしいでしょう…。ワラワが索知を試みてみましょう…」
「…お願いします…やったねスセリちゃん♪」
「うん♪ ボクが契約するタメなんだ、ありがとう♪」
「…おい、ナニ勝手にウチのヒメを連れだそうとしているんだ!」
「あ、ミケヒコお久しぶりですね♪ …あれからさらに腕を磨かれたようですね♪」
「オマエにそれが解るとは思い難いが…そう言う事だ。そしてオレに言うこと聞かせたくば…チカラを示せ!」
(…ボクたちヒメちゃんにたのみに来たんだケド…?)
どうやら単なる口実な様で、ヤチホコからナニカを観じ試したくなったのだと思われます。
「ええと、僕は構いませんよ♪ 久々ですし一緒に錬しましょうミケヒコ♪」
「フッ! そう来なくてはな! 用意はいいか? では…行くぞ!」
ミケヒコは炎の氣力を吹き上げて一心不乱に斬りかかってきた!
紙一重で身を捻り側方へ跳び退く。斬撃を受けた地面に大きな亀裂が入り両端から炎が上がる!
(…これは…もしかして僕のニスのトゥムと同質かも…!)
(…良いですかヤチホコや…。あなたのニスのメル=ストゥ=マェは…今はまだまだむやみに解放しない事です…。あなたの消耗が激しすぎて安易な使用は…トゥミの最中にイワン=モシリ=モコロ=ウンを誘発して大変危険です…。なるべくトゥムのみで切り抜けなさい…その様に再度封をしておきますからね…)
(パセ=トゥスクルさま…おかあさま…この段階まで磨かれた相手に僕の技量でそれは…キツ過ぎです…!)
「そらそら! ここだ! 喰らえ! イレスカムイ=ペウプンチセ!」
叫び声と共に剣に捻りを加えて突き出すと強力な炎が激しく渦巻きながらヤチホコめがけ跳んで来る!
(…こ、ム、ムリ! よけられ…! …! …!)
着弾と同時にヤチホコが激しく輝き瞬時にミケヒコの背後に回り込んだ!
「…はぁっ、はぁ…! あ、あぶなかったです…カリ・ラマトゥするかと思いました!」
「…己のトゥムで相殺したか…? フッ! ウデをあげたな! 良かろう、認めてやるぞ!」
どうやらミケヒコは手加減していた様である。
(…あぶなかったです…! 瞬時にメル=ストゥ=マェ解放してうまく回り込めたから良かったものの…単純な打ち合いは…トゥムの差で今はまだ勝てませんね…!)
「…ふう~。…上手く出来て良かったです…!」
「よくやったねヤチ♪ (相手に気付かせずに…ね♪)」
(…はい…危なかったですがなんとか…)
(あの子…ミケヒコはもの凄く気位が高いのです…。それ故に…ヤチホコや…自分の後ろを歩んでいたあなたがニスのトゥムを使い…ましてやメル=ストゥ=マェまでとなりますと…ヒメを連れだす事難しくなる事でしょう…試し合いにおいては…メル=ストゥ=マェは使わないか、ここぞの刹那のみの解放にとどめておきなさい…これがヒムカ=モシリに向かう際のわたくしからの助言です…)
(おかあさま…なんとかうまくいきました…良かったです…)
ムカツヒメの言の葉を思い出し、その通りになんとか出来たヤチホコは安堵のヲモヒで胸を撫で下ろした。
「…そのトペンペ…気に入ったのならすべて持っていくが良い!」
「わぁ! やったです♪ ありがとうですミケヒコ♪」
「じゃぁみんなで食べながらイヅモへ行こ♪」
全員で瞬時に旅する門に向いイヅモへと跳んでいった。
「…待ってたわ! 話しは聞いてるわね? アタシも今まで試したけど…もうちょっとが…観れないわ! だからアトよろしく頼むわ!」
「キクリちゃんもありがと♪ これどーぞ♪」
スセリはそう言って先のおやつを渡した。キクリは色々と角度を変えて眺めた後一口で頬張った。
「…! ナ、ナニコレ~! すっごく美味しいわ!」
「我がモシリの名産、ムンキの粉にチカㇷ゚ノㇰとトペを混ぜ…キビの汁をふんだんに入れ…焼き上げたモノだ。これはオレもウマいと思うぞ!」
「…こんなモノがあるなんて…♪ ステキだわ、ヒムカ=モシリ!」
「…お気に召しまして何よりでございます…。して…アンナというイコロ=タㇰはいずこに…?」
「…コレよ! この子がアンナ、よろしくね!」
「はじめましてヒムカ=モシリのヒメ…アンナと申します」
「~! しゃべり…ラムのある…イコロ=タㇰ…!」
「そーよ! この子の索知のチカラに…アンタのその…強大なヌプルを加えれば…見つけられる気がするわ!」
「理解致しました…試みてみます…アンナ…よろしくお願いいたします」
「…承知致しました…。これよりレラ=ルーガルの棲み家を極限範囲で索知致します…ヌプルを注ぎ込み下さい…」
ヒメはアンナの言の葉の通り霊力を全力で注ぎこみ念じはじめた。
「ヌプル許容量突破…極限索知開始します…。…。…。…。」
アンナは幾度も方向を変えながら明滅を繰り返す。あらゆる方向も逃さず探れる様に。
「…。…。…! 発見しました…。現在のレラ=ルーガルの棲み家は…遥かエチュㇷ゚カ…現地のイタクでトカㇷ゚チュㇷ゚=ポロ=コタンと呼ばれている…テオロ=タィ=ワッカカン…そこにレラ=ルーガル…コンコン=ラㇷ゚=タンネ=カムイの棲み家があります…」
「う~ん…門でいけますかね…?」
「…確かになんかすごく遠そうだわ…」
「どんなに遠くても…ボクは行く!」
「…アンナ…ロクンテゥやヤレパチプ使いし刻、どのくらいかかりますか?」
「ヤレパチプの最高速度で数~十回程の昼と夜…ロクンテゥの場合、十~二十回昼と夜廻りし後到着するでしょう…」
「今の僕らの駆るロクンテゥでもそこまでかかる遠さなのですね…これは素直に門を使いましょう…」
「そーだね…チョット遠すぎるね…」
「レラ=ルーガルの棲み家から一番近くの門はどこでしょう?」
「目的地、建造中の“レラ=ルーガルのカムイ=チセ”から少し離れた処にある“クンネチュㇷ゚=カムイ=チセ”より門の反応を観じます…」
「…よし! じゃぁ準備できましたら…いざ! レラ=ルーガルの棲み家へ! です!」
二人は身支度を整えるとイヅモ西の瞬時に旅する門に向かい、湖の上方林に在る地へと跳んでいった。
大凬統べる王のもとへ
※今回から語り部の口調を女性的(≒普段の僕の口調)に変更してみましたm(__)m
…固定観念で言いきり型の男性語り部が標準と思い込んでいたところに違和感を感じまして…(^-^;
用語説明ですm(__)m
・トカㇷ゚チュㇷ゚=ポロ=コタン:太陽の+大きな+村→「太陽の都」としました。
・テオロ=タィ=ワッカカン:ここ(場所)+林+水+上の→「湖の上方林に在る地」としました。
※音の響きから推察できるかもですが…現在世界遺産となっているこの都市の呼び方は…
ずっと後になってからのもので、この刻なんて呼ばれていたかはいまだ判明してません…。
最近の研究で「太陽の都市」と呼ばれていた可能性が示唆されているらしいのでそれを採用しました♪
・コンコン=ラㇷ゚=タンネ=カムイ:羽毛、柔らかい綿毛+翼+蛇の神(長い神さま)
→「羽毛と翼持ちし蛇神」としました。
この神様も…当時の呼び名は究明されていませんのでそのまんまにしてありますm(__)m
…今度イラストにしてみますね(^-^;




