第7倭 カムイキリサム=コラムヌカラの章(終章)
とうとうヤチホコたちの順番です。さて結果は如何に…?
校正無いまま上げてしまってすみません(^_^;)
最低限整え直しましたm(__)m
「…少々熱が入りすぎたやもしれぬな…!比武台直りし後…ヤチホコとスセリ…最後の組…参るが良い…!」
「あ…とうとう僕たちの番ですね…!」
「しっかし…お義父さんに打ち込むの…そ~と~タイヘンなカンジ!」
「そうですね…よほど工夫しないと難しそうではありますよね!どうしましょうか…」
ヤチホコとスセリはヲモヒをめぐらせる。
「そうです!…まず僕のトゥム、ヌプルの全てを…」
「…それなら…当たるカモ!…でももしイレスミチの攻撃がこの刻に当たったら…」
「…そこはうまくやりますので…援護よろしくです♪」
「うん!…じゃぁ…ヤチ、いこ!」
「あ…はい…!」
準備も終わり、ふたりとも元気にコラムヌカラ=ミンタラへ飛び降りたった。
「…準備は良いな…。ほう…策…あり、であるか、其の表情は?」
「あ、は、はい…!成功するかわかりませんが…やってみます!」
「…其の意気や良し…!いざ…参られよ…!」
「うん!いくっ!はぁぁ~!」
「…ラムハプル…ヌプル…そして…トゥム…!」
ヤチホコはスセリの両拳にヌプルを付与し、更に己のすべてのトゥムもスセリに与えた。
「ヤチホコよ…それではそなたは…闘えぬであろう…?」
「…良いんです…これで…♪…スセリちゃんの方が強いですからね♪」
ヤチホコはにこやかにそう答えた。
「ふむ…。それも一つの方法ではあるな…。良い…では…参るが良い…!」
「うん!…いく!…はぁっ!」
「ややややや~っ!」
右拳左拳右膝~右回し蹴り~防がれた脚を軸に左後ろ回し浴びせ蹴りと、一息で五連撃を放った。
「ぅわっ!あれって(今の)わたしよりも疾いっ!」
その連撃を見てミチヒメは驚いてそう言った。
「この比武ではあの子…スセリちゃんの方が確かにすごいね!」
アビヒコもそう答えた。
「…ま~仕方ないよね~…。そして…其の枷を外しても…届かなかったしね…!」
「そう、あの状態のミチヒメでダメなら…今のあの子がどんなにすごくても…まるで届かないと思う」
「そ~よね~。…まさか…あれすら通用しないなんて…ね!」
「…あれでダメなら…オオトシさまみたいに…メル=ストゥ=マゥエを発せられなきゃ…と思うよ…」
「…まだわたしたちみんな…ちょっち…遠いよね…」
「うん…。…!そうか…!と、言うことは…はじめからぼくたちが勝てないのをわかっていて…オオクニさまは比武されてるんだね…!」
「そうなのね…。と、言う事は…勝つことがいちばん大事では…ないってことかな?」
「…多分そうだと思う…」
「…そっか…コラムヌカラ…だもんね!」
「うん、きっとそう…!」
二人はそう納得して視線を比武台へ戻した。
「…返すぞ…ぬん!」
オオクニは最後の浴びせ蹴りを受けた勢いで回転しながら後ろ回し蹴りを放った!
「ぐっ!」
スセリは両前腕で受け止めるもかなり後方へ蹴り飛ばされた。
しばらく滑りながらも辛うじて比武台に踏みとどまった。
「…ヤチからラムハプルしてもらってなかったら…危なかった!」
両手に纏わせているポン=ペウプンチセを見ながらスセリは言った。
「…あれを凌ぐとは…素晴らしきなり…!」
「へへ♪…でもまだまだ、もっと…もっと疾く…いくっ!」
両足にも小さな竜巻を纏い、羽型推進装置の様に蹴り足の力を増幅させて跳ぶ。
「これは間違いなく今のわたしより…迅い!」
スセリは囮の拳を数発左で放つ。
もちろんオオクニは片手で余裕であしらう。
「…今!やあぁ~っ! レラ=モイ=コトゥイエぇ!」
拳と反対側の下肢で激しく震脚し発生した体幹の螺旋運動を爆発開放した渦巻く風のトゥムと共に拳に乗せて放った。
片手で囮を払っていた為左手のみで受け止めるも…そのまま押し込まれていく。
「…うまく正中を狙っておる…!軸を捻り返すは叶わぬか…!」
「穿けぇ!やぁぁ!」
オオクニの身体が拳の威力に更に押されていく。
「ぐっぐぐ…!…正中を外したぞスセリ…!ぬぅん!」
僅かな力みで拳がぶれたのをオオクニは見逃さなかった。
拳を流す勢いでその場で水平回転し裏拳をスセリへ放つ。
「…避けられねば…廻るぞ…!」
スセリは必死に軸と反対側の下肢で地面を蹴り込み飛び退いた。
比武台周囲の壁面に乾いた音とともに大きく亀裂が入る。
「音を超えし刻生まれ出ずる見えざる刃…!」
見るといつの間にかオオクニは例の岩鎧を両手に纏っていた。
そして技の威力のためであろうか部分的に崩れていた。
「…よくぞ躱したな!これは生半では防げぬ技故…避けるが正答である…!」
そこまで言い終えた刻オオクニの脇腹に幽かな衝撃がはしる…?
見るとヤチホコがいつの間にかオオクニへ剣撃を入れていた。
「や、っややりましたぁ~♪…う?う、うわぁ~!!!」
激しく身震いしたかと思った瞬間ヤチホコは弾け飛んでしまった。
「…愚かなり…わしの境涯で発したトゥムに無防備で斬りかかれば当然であろう…!」
よく見ると既の所で薄い膜のように張り巡らされたトゥムにヤチホコの剣は阻まれていた。
「…廻らずとも相応の痛手を負うたであろう…気取られぬ様トゥムをすべてスセリに注いだのは良いが…ウタラ並では…こうなるのは自明であったろう…?」
(…い…いたい…です…こ、このままでは…イノトゥが…輪を廻って…しまい…ます…!)
乾いた破裂音が鳴り響き、比武台の敷石の上にナニカが落ちて金属音が鳴り響いた。
「…ヤチ!大丈夫? 動け…!そ、その…トゥムは…!?」
先の音が鳴り響いた刻、一瞬宙にとどまったかのように見えたヤチホコが比武台に降り立った。
「ちょちょちょ!アレってまさか…イシキないんじゃ…?」
ゆらりと脱力して立つ姿は…其の様にも…そして究極の自然体にも観えた。
「!何にせよ今っ!やぁぁ!」
拳に風を纏いスセリが打ち込む、間髪入れずあらん限りのトゥムを込めて打ち続ける!
「…かなりの手数…しかも全て体が入っておる…!」
一瞬捌いていた左手が浮く。スセリは見逃さずに靠撃を放った。
「レラカムイ=ネノ=アン=ケゥエ=エコラウキ!」
爆風とともに体当たりを放つも、オオクニは身を捻りながら吸収して返そうと放ったが既にスセリは眼前から消えてはるか上方へと退避していた。
「ヤチ~!今ぁ!」
その声に反応したのか剣を逆手に持つやいなやオオクニ目掛けて突撃していく。
「好機であったがトゥムもなしでは…!」
オオクニに当たる其の瞬間だけ…ヤチホコより透明に輝くトゥムが吹き上がり剣に伝わり放たれた!
それはオオクニの両腕の岩壁甲をいとも簡単にすり抜け胸元に炸裂した。
「な…まさか…これは…!」
激しい音が鳴り響いた。見るとオオクニの胸元が皮下出血斑の如く赤黒く変色していた。
「よもや…其の…トゥムで…発動われるとはな…!天晴也…!」
オオクニはそう言って少しよろめき姿勢を崩すも踏みとどまった。
当のヤチホコは技を放った直後に力をすべて使い果たした模様で、その場に突っ伏していた。
気づいたスセリは駆け寄って起こそうと声をかけた。
「ヤチ!ヤチ~!やった~!当たったよ~♪」
「…ん…ス、スセリちゃん…何が…当たったで…うわわ!」
どうやら先のオオクニの返し技は間一髪だった様で、躱す際に微かにかすめた衝撃で衣が粗方吹き飛んでしまっていたのである。
ヤチホコはほぼ衣を纏わぬ柔らかくも張りのあるなだらかで慎ましやかながらもそれでいて確実に存在する双丘に顔をうずめられた為(もちろん埋まる程の膨らみなど全くないが)気づいた瞬間叫んだ模様である。
「ス、スセリちゃん…カ、カラダが…肌が…!」
そういうヤチホコはどうやら喜びや照れではなく困惑と罪悪感が先立っているようであった。
「あ…ホント…でもちゃんとカラダに当たらないように避けれた!ホラ♪」
傷ひとつない白い肌を見せてスセリは言った。
「…メノコがそう易く肌を見せるものではないぞ…?そしてよくぞ躱したものよ!」
そう言いながらオオクニは衣を羽織らせた。
「…そ~なのかな?へへ♪ありがと♪」
「…そしてヤチホコ…見事な剣撃であったぞ…!よくぞ己の力引き出せたものよ!」
「…僕…?あ!セレマク=アカムが…!…そうでしたか…それで…届いたのですね…!」
ヤチホコは自分の左腕を見ながら納得してそう言った。
「…ケゥエに問題なかろうか?」
「…大丈夫みたいです…!きっと…ほんの一瞬でしたから…」
「あっ…これね…。ハイど~ぞ♪ヤチホコ…くん♪」
ミチヒメは比武台に降り立って守護封環を拾いヤチホコにわたしてそう言った。
「あ、ありがとうございますミチヒメさん」
「ふふ♪…ミチヒメって呼んで良いよヤチホコくん♪」
「え?あ、は、はい…♪」
「もう~ナニだらしないカオしてるのぉ!」
スセリはそう言いながら軽く小突いた。
「いた…くないですね…?」
「…今日はだって…ヤチ…とってもガンバったから…ネ♪」
上気した顔で笑みを浮かべながらスセリはそう言った。
「…アンタ…やるわね…!見直したわ♪」
「ミヅチもすごいっっておもったよ♪」
キクリはそばに来てそう言いながらヤチホコの頬に唇を押し当てた。
「ホントホント♪わたしでも当てられなかったのに…すごいゾ♪」
ミチヒメも反対側から唇を頬に優しく押し当てた。
「…なんかアナタのは少しイヤらしいわ…!」
「ええっ!…たぁしかにちょっとダケ…エラマスのイレンカこめたかも♪」
「な!ミ、ミチヒメ…?まさかヤチホコの事を…?」
アビヒコは聞いた瞬間振り向いてミチヒメに言った。
「いやいや~、ほぉ~んのちょっちだけよ♪」
ミチヒメはそう言いながら一瞬とある所に目をやった。
「フン…。偶然でもまともに当てたには変わらんからな…そこは認めてやる…!」
「…ワラワと同質のモノをお持ちの様ですが…お互い未熟故…宿す力の器足り得ぬようでございます…。さらなる精進を楽しみにしております…」
「ミケヒコ…ヒメ…ちゃん…あ、ありがとうございます…!」
「ミチヒメのあれは許せないけど…よくやったね…!」
「アビヒコ…!」
「…そばで一緒に戦っていたからワカるけど…あの刻ヤチ…なんかいつもとゼンゼンチガうチカラが出ていた気がする…!
」
「…そ、そうですかね…?…僕は全く覚えていませんが…そもそもこのセレマク=アカムも何故しているのかもわからず、かあさま…ムカツヒメさまに言われてしているだけですからね…。?…そう言えば…外れたの初めてでしたね…?あの刻…イノトゥが取られ輪を廻りそうだからなんとかしなきゃと必死に思ったからでしょうかね…?」
「いずれ己の力となるであろうが…今暫し封をしておくが良い…。此度出場されたモノ達よ…大儀であった!稀に見る良き神前比武であった!…でありまするな?ハヤスサノヲ殿…?」
オオクニがそう言うと音もなく大きな人影が浮かび上がって形造られていく…。
「あ!お…おとうさま!」
「…久しいであるな我が愛すべき子ヤチホコよ…スセリよ…そしてわれに連なりしモノ達よ…此度の比武…見事であった!ここで生まれし…強き良きイレンカは…しかと自然の盟主へ届け…モシリの力となるであろう!今後も各々良かれのイレンカのもと励むが良い…!オオトシよ…キクリ…ミヅチ…しかと頼んだであるぞ…!」
「…かしこまりました…!母と共に更なる生長を…!」
「うむ!…タカヒコ…これからもワのナの長兄として…兄弟たちを…そしてイトムコカヌ=モシリのシ=サンガ=コロ=クルとして…頼んだぞ!」
「は!お任せを!おれがいる限り奴等に悪さはさせませぬ!」
「…何があろうとも…頼んだぞ!」
「タギリ…ウガヤの事…そしてこの子らを…共に頼んだぞ!」
「ま~かせてください♪」
「ふっふ…われにじゃれらるるのもそなた位であるな…!」
「一人くらいそういう風にしてないと…おとうさまも大変でしょ?」
「言いよる…♪…クシナダよ…色々と手を煩わせるが…信じて任せる…!」
「お任せくださいませ♪…火急の刻は八俣さまも手を貸して下さります故…没問題ですわ♪」
「うむ…!…ミケヒコよ…ヤチホコと共に鍵となるものよ…。今は己の…ヲモヒのまま歩むが良い…。更なる生長…そしてその果てのカムイへの道が…そなたを待っておる…!」
「フッ…当然。オレは必ずカムイとなってみせる!」
「その心意気や良し…!…ミチヒメ…そなたとは疎遠であったが…実はこの中でもそなたはわれにとても近しいモノであるのだ…。ヲモヒに従い今のまま奔放に歩め…!」
「は~い♪…おかあさんの次はわたしがスサノヲさまにじゃれてみせま~す♪」
「ふっふ…。…アビヒコ…そなたの歩む道…険しさも…であるが…臆せず歩むのだ…!望みも力もその先に存在しておる!」
「は、はい…!ぼくにまで声をかけてくれて…ありがとうございます…!」
優しい笑みを浮かべスサノヲは頷いた。
「…ヒメよ…いまが耐え刻である…。必ずや道が開ける故…その刻は躊躇せず歩み出せ…!そしてウタラとしての幸せも享受出来ればと願っておる…!」
「…もったいのう御言の葉…ありがたき幸せと存じます…仰せのままに…」
「うむ…!最後にオオクニ…そしてムカツヒメよ…未だわれはストゥ=モシリより動く事敵わぬ身故の…足労…このスサノヲ…ラム…ラマトゥより感謝いたす…!」
「なんの…。先のオロチの乱…民の飢饉の解決…そして今のわしの武…須らくあなたさまより賜りしモノである…!微力で道半ばであれど…あなたさまに頂いたこの力…惜しむ事なく使わせて頂く所存でありますぞ…!」
「有難き…!」
「あなたさま…。やはりあなたさまはわたくしの愛すべき…ルーガル・グゥでございます…。この…モシリの現状は…正にあなたさまの御力によるものでございます…!わたくし達はその感謝を忘れず…守り継いでゆく所存におございます…」
「うむ!…そなた等がおれば何も案ずる事などないであるな!…愛すべきすべてのモノ達よ…ウタラ達よ…次の季節も必ずや皆幸せに暮らせているであろうと…ここにスサノヲが宣言致す!皆…大儀であった…!」
そこまで言うとスサノヲと呼ばれし巨大な幻影のようなカムイはゆっくりと消え去っていった。
「此度のカムイキリサム=コラムヌカラも無事に終える事叶ったであるな…!これにてすべてを終えた故…挑んだモノ達の結果を申す…!」
一同固唾を飲んで次の句を待つ。
「此度のカムイキリサム=コラムヌカラ…挑みしモノ…すべて合格!皆良くぞ諦めずイレンカを示せたであるな!」
「え~?負けたわたしたちも?おとーさん?」
「はっは…ミチヒメ…コラムヌカラ…であるからな♪…元よりわしはおろかオオトシ等にさえそなたらが一太刀報いれるなんぞと微塵も思ってもおらぬ♪…その絶望的な相手に対し…イレンカ折れず…覇気を失う事なく…挑むモノは…すべて合格である…!何故ならばそのイレンカ強きモノこそが…先のスサノヲ殿の様に真なるカムイとなれるであるから…な!」
「そ~だったのね!それで…トゥミではなく…コラムヌカラ…!」
「左様である…。持てる全てを尽くしても敵わぬ…と観ずる存在相手に如何に己のイレンカを乱さず示せるか…そこを試していたのである…!」
「あ…た、たしかに今回…誰も諦めていませんね♪」
ヤチホコも納得してそう言った。
「左様…幾度もヲモヒ折ったつもりであったが…皆…なかなかにしぶとい…大したものである…!」
「ふふん♪お褒めの言の葉は頂いておきまぁ~す♪」
「…あとはもう少々…メノコではなく…カッケマッらしくなるるば…言う事無いのであるが…な♪」
以外にも少しおどけた面持ちでオオクニはそう言った。
「まぁ!こぉんなカワいくてステキなわたしにそれ言ぃ~ますぅ~?」
「…淑やかさと…恥じらいがな…少しばかり足りぬ様であるからな…。身体もであるが…何よりラムがまだまだ熟れておらぬ…!」
「そこさり気無くカラダの事言ってる!ぜっさん生長中(願望含む)なんですからね~!」
「…ではキチンとメノコの肌らしく扱ってやるが良い…見せすぎである!」
「そんなこと言ったって破ったのおとーさんじゃない!はっは~ん…さてはわたしの魅力に本当は…」
その言葉を聞き呆れたようにオオクニは言った。
「やれやれ…タギリ…参れ…」
タギリはすぅっとオオクニの横に立つ。
「…此の位になったらカッケマッとして扱ってやっても良いであるがな♪」
そう言ってちらりとタギリを見やった。
微笑みながら軽く頷いたタギリは軽く胸元を開けてみせた。
そこには…褐色の艶やかな肌と共に見事な渓谷を形成する双丘が垣間見えた。
「もぅ何させるんですかぁ♪」
「…わしがみなまで言う前に衣を開けたろうに…」
「…そっちも…負けないもん!わたしは…生長してみせる…!」
ミチヒメの年の頃にはすでに…育つモノはだいぶ実っていて、自分もそうであったとはとても言えないとタギリは思い、頭を一本指で搔きながら困り笑いを浮かべ…
「まぁ~ガンバってねミチヒメちゃん♪」
さすがにそれ以上の言は述べられなかった様である…。
「…ふふ…この後のイノミでは…もっと開けて舞いますので…皆さんご期待くださいね♡」
「それは後の楽しみと暫し置いておき…ヤチホコをはじめ…そなたらの望み…聞かせてもらおう…!なんなりと言うが良い…!」
「あ、は、はい!僕は…今修繕しているロクンテゥで…外のモシリに行ってみたいです!」
「ボクもヤチと一緒♪アトゥイも楽しみ♪」
二人は即座にそう答えた。
「あいわかった!許す!外なる世界…存分に見聞してくるが良い!…次…ミケヒコ…ヒメ!」
「オレは…ホアカリへの道を進みたい…!その為に…ヒムカでは阻まれて出来ずにいた…火の盟主との契約…ゆくゆくは火の盟主の王との契約をさせてほしい!」
「ワラワはミケヒコが立派なモシリ=コロ=クルとなるのを助けられればそれ以外望むことはございませぬ…」
「うむ…!…キクリ…ミヅチ…!」
「アタシは…遠くで修業していると言うアマムお兄ちゃんが…どこでしているのか…そして行けるなら…居場所を調べて逢いに行きたいわ!…オオクニのおじいさまは存じません?」
「ミヅチはたのしかったからなんにもほしくないけど、おいしいものはたべたいな♪」
「承知した!…キクリよ…残念ながらわしもアマムの修業場所はスサノヲ殿からも聞いておらぬ…が、調べ、逢いに行くこと…許す!ミヅチはこの後たらふく好きなモノを召すと良い♪」
「…最後…ミチヒメ、アビヒコ!」
「…わたしは…もう望みかなっちゃった♪だから何にもいりまっせ~ん♪」
「ぼくは…引き続き今の状態で任務できれば…それで良いです」
「…欲のない事であるな…。今の足るを知っているのであるやもしれぬな…。それはそれでとても大切な事である故…良きヲモヒであると言える!では…望むモノに必要なものを授ける、近う寄るが良い…!」
ヤチホコ達はオオクニの近くに行き、それぞれ、航海の許しの証、探知の法の修練について、火の盟主の居場所をオオクニより受け取った。
「…ミケヒコ…そなたは筋が良い。正しきヲモヒの元…錬に励めば…そこのオオトシをも超えてゆくやもしれぬ。これからも一層励むが良い!わしは…強く優しき良き王となると観ておるぞ!」
「…クニでは誰もそういうヲモヒくれるものはおらぬ…が、其の御言の葉…勝者の弁として丁重に頂くことにする!」
「…ミケヒコ…!あなたが他者の弁を受け入れるなんて…オオクニさま…有難き事と感謝申し上げます…!」
ヒメは表情からは分かり難いが口調より感嘆と感謝を露わにしてそう述べた。
「…これより先…色々とヲモヒ折れる難が山の様に待ち受けているであろう…ヒメ…ミケヒコを助け、支えてくれとわしからも願うぞ…!」
「…その御言の葉…ラマトゥに刻んでおきます…!」
「ヤチホコ…そなたは…今のまま…自然体で歩むが良い…!無理や無茶は程々に…な!」
「あ、は、はい!…いつもの通り楽しみます…♪」
「うむ…。ミチヒメ、アビヒコ…有事の際は…そなた等の真なる力…大いに奮いこのモシリを助くが良い!」
「…もっちろん!…このモシリは…ここは…きっと守ってみせる…!」
「ぼくも…その為の力だと…練ってきたからね…!」
「頼もしき!さすが領主殿のご子息であるな!」
「とうさん?…とうさんは…全く無いけどねこういう力は…」
「左様…。なれどもすべてのウタラを…モシリをとのヲモヒで常に動かれておる…そこが実に素晴らしい…!」
「…伝えておきます…とうさんのことも…認めてくれて…ありがとうございます」
「うむ…。さあ…この辺りで此度のカムイキリサム=コラムヌカラは終わるとしよう!…次はリムセとタプカルの後…カムイノミの楽しい部分…宴会である…!みな存分に楽しむが良い…♪」
用語解説です~m(__)m
シ=サンガ=コロ=クル…シ:とても、偉大な サンガ:神官(シュメール語)コロ=クル:モノ、人
現在で言う神職の浄階の方…神社本庁統理、神宮の大宮司…です。
→「特ニ浄キ神威誘梛」としました。(25’6/14)
女性のトゥスクル(巫女)に対するものとして創りました♪…我々の言葉での…コトシロヌシ…です♪
コトシロヌシはどうやら巫女職の男性版を指す称号だったという説がありまして…
それを踏襲しております(^_^;)
神事を司り神がかりにて神託を受け皆に王に伝える…そんな存在の長がタカヒコです♪
…これだけでもご存じの方には誰を示しているかバレますね(笑)
まぁもっともほとんどのキャラは神様の名前そのまんまですからね(^_^;)
そこで歴史や神話を僕がどのような解釈で書いて行っているか…
よろしければ楽しんでみていただければと思いますm(__)m
倭についてです。
「ワ」と読みます。諸説あり、蔑称との説もありますが、字の構造の通り…
「人に委ねる」…当時の大国が各地方の統治をそこそこのモシリ=コロクル(王)に委ねていた史実を鑑みてこの様に解釈して使っています(^^)
ルーガル・グゥ:シュメール語です。直訳は「わたしの王」そこからモシリの代表と言えるムカツヒメに言わせることにより「我々の王」と意訳しました(^^)