第51倭 消沈するモノと頼もしきイコロ=タㇰたち
塔主に言われて門を使ったヤチホコたちは…
少し刻を遡る。こちらは門を使用したヤチホコ一行…。
「…こ、ここは…?」
薄暗い玄室の中…の様である。
暫くすると目の前より光が差し込んできた。門の扉が開いた様である。
「あ!…こ、ここって…あの…みんなでススした…」
「ペㇳのあるニタィへの入り口…ク、クスターナ!」
「…信じられないわ…!でも…」
「すごーい!ほんとうにいっしゅんだったね♪」
ヤチホコ、スセリ、キクリ、ミヅチはそう言ってそれぞれに驚きを示した。
「ホント!ここからならすぅ~ぐポロ=コタンだね♪」
そのミチヒメの言の葉を聞いてヤチホコがそうだとばかりに尋ねた。
「あ、では…ポロ=コタンまで競争しますか…!」
「ミヅチまけないもん!」
「…良いわ♪勝った刻何かご褒美はあるかしら?」
「それはわからないケド…ボクも負けない!」
「…オオトシさまわたしたちも…」
ミチヒメは少し心が疼くのを観じながらオオトシを見やると…
とても誘える雰囲気ではなかった…。
「わたしたちは…ゆっくり向かうね!…ヤチホコくん頑張ってね♪…負けたら…本気のわたしと練武のごほーびだよ♡」
「わわわ!…は、はい頑張ります!」
「用意は良い?…じゃぁ…いくわ…!」
キクリの声と共に四人は一斉に駆け出していった。
全員氣力を全力解放したので瞬く間に視界から消え去っていった。
「うん♪みんな速くなったね~♪」
ミチヒメは感心しながらそう言った。
「ね、オオトシさま♪」
「…ええ…」
上の空での生返事が返ってきた…。
一つ溜息を洩らしながらも“あきらめない!”と心の中で呟きながらミチヒメは歩いた。
「…さぁて…誰がイチバンで戻ったかな~?」
しばらく歩いて皆に追いついたミチヒメがそう言うとそれに気づいたヤチホコが応える。
「あ、ミチヒメ!…誰だと思います?」
「フツーに考えたら全力出したヤチホコくんだよね~?」
「あ、僕もそうだと思っていましたが…」
「えっチガウの?…誰かな…?」
空の氣力解放できるヤチホコに勝る速さは…ゆっくり歩いてきた二人位しか出せないはずである…。
盟主と契約できているキクリとミヅチでも空の氣力使いし刻のヤチホコには及ばない。
ましてやスセリは三人よりも一段階は未熟である。
「…実は…スセリちゃんです♪」
「…ええ~!?…どぉやったの~すごぉ~い♪」
ミチヒメは心底から驚いてそう言った。
「僕も驚きましたが…レラのトゥムで僕の後ろにぴったりと張り付いて…到着の瞬間に爆風を起こし僕を飛び越して…だ、そうです♪」
「へぇ~♪スセリちゃんすごいすごい♪」
「へへ♪ボクみんなよりトゥムがまだまだ弱いから…いろいろ工夫しろって言われたから♪」
今で言うスリップストリームと慣性の応用である。
先の塔主との話にあった様である。
どうやらスセリは元々何らかの作用により規定外の事象で可能となった契約らしく、これからどこまで使え、高められるかは不明との事であった。
「…故に現状でも相性や特性を見極め立ちまわると良い…」
その塔主の言の葉を実行した様である。
「きっとまだまだできると思う!」
「うんうん♪わたしもスセリちゃん見習って頑張ろっと♪」
そう言いながら二人は互いの手を上に伸ばして柏手を打った。
「えと…まず宿の手配をしてから純陀チャチャの所ね!」
「ですね!…ミチヒメの…イリチ…キクリちゃんのイコロ=タㇰ…どーなったでしょうかね?」
ミチヒメは確信の笑みを浮かべながら応えた。
「きっと…出来ていると思うよ~♪チャチャ仕事はっやいからね~♪」
「確かにそーですね♪」
ヤチホコはマニィの錬成の刻を思い出しながらそう応えた。
「…楽しみだわ…!これでアマム…兄様の居場所が…!」
「アマム…にいさま…?」
「…そうか…そうね、ミヅチずっとヤィ=モ=トーヤさまの所にいたから会ったことなかったわね。アタシのすぐ上の兄様…とっても頼れる緋徒だわ♪」
いつになく弾んだ口調でキクリはミヅチに応えた。
「アマムは…確かにとても優れた能力を持っていましたね」
オオトシも思い出しながらその様に応えた。
「いまも…特別な修業をしてると聞いているわ。でも…どこなのか誰も教えてくれないの。オオ兄様なら知っているかしら?」
「…いえ…アマムの修業は特別で秘密である…としか聞いておりません…」
「そう…。でも、これできっと…探せるわ!」
「あ、着きましたね♪」
一行は純陀の店の門をたたき呼び掛けてみた。
「…おお!待ってたさ!入れ~」
声のする方に行ってみると…そこには小さな男の子が美しい玉と共に座っていた。
「…イリチ…」
ミチヒメがそう呼びかけると小さな男の子はゆっくりと目を開きこちらをしばらく眺めた後にこやかに話し始めた。
「…ミチヒメ…へへ…ただいま♪」
「おかえり~!」
ミチヒメはぎゅっと抱きしめて嬉しそうにそう言った。
「…アタシの…イコロ=タㇰは…これ…?」
イリチの横の玉を見ながらキクリはそう言った。
「おお、そうだべさ。こいつもちと変わってるさ~」
キクリがそっとその宝の玉を手に取ると…静かに声が聞こえてきた。
「…目的をお選びください…。Ⅰエㇲタン…Ⅱエカㇺケ…Ⅲエウン…。」
「わ!しゃべった!」
ミヅチは素直に驚いた。
「イコロ=タㇰさんよろしくね♪」
「三つ出来るコトがあるのですね♪」
スセリとヤチホコはこれまた素直に受け入れてそう話しかけた。
「…お選びください…」
落ち着いた所でキクリも話しかけた。
「わかったわ、Ⅰで!」
「…何をエㇲタンされますか…?」
「…アマム兄様…お兄ちゃんはイマどこ?」
「その方へのイレンカを強く抱きヌプルを籠めて下さい…。」
キクリは言われた通りアマムを強くヲモヒ描き、あらん限りの霊力を籠めて念じた。
すると宝の玉は輝きだし宙に浮き…何やら細かく明滅を繰り返し始めた…。
明滅の度に輪状の光が拡散する様に放たれて飛んで行くのが観えた。
「…これは本当に光っているようですね…」
無限に拡散したかの様に思える光の輪は一定の刻を経るとゆっくり戻ってきている様に見える。
輪が戻る度に玉は激しく明滅していた。
「…。…。…。 パしました…。」
「!」
一同驚いて玉を観ると、また明滅しながら話始めた。
「…ポㇰナ=シリの一つ…ポン=イトゥンナㇷ゚=モシリ…」
「ポン=イトゥンナㇷ゚=モシリ…!そこにお兄ちゃんはいるの?」
「…生存確認出来ました…おります…。」
「そこへはどうやったらいけるの?」
「…この世に生を受けしモノは侵入不可能です…」
「ど、どういうコト?」
「…輪を廻りヌプル=ケゥエとなる、もしくは同様の状態に変化する事により可能です…」
「あ…!それってアビヒコの得意な…アレ…ですかね?」
ヤチホコの言の葉に玉は応える。
「左様でございます…。直に追いつき合流されると思います…その刻にまたお試しください…」
「ちょ、それってアタシ達に出来ないの?」
「アビヒコのアレは…言ってみれば一回輪を廻るするようなものですからね…どうしてできるのか全く分からない技の一つですよね…」
そこまでの話を聞いてミヅチが言う。
「…からだから…はなれる…ミヅチやってみる!」
ミヅチは頭に思い描いた通りに自分の精神を身体から離そうと試みた。
すると突然激しく震えだし叫び声をあげた。
「う、うわあぁぁああ~!」
「だ、大丈夫!?」
「はぁ…はぁ…これ…ミヅチなんでかわからないけど…しちゃ…ダメみたい…」
その場にしゃがみ込んでミヅチはその様に言った。
「…!…アタシが…してみるわ!」
キクリはミヅチの様を見て一瞬怯むも意を決して試みた。
(…ケゥエから…ケゥトゥㇺを…解き放つ…!)
一瞬キクリが二人に観えかけたがすぐに軽い衝撃と共に戻ってしまった。
「…ナンで?出来そうだったのに…もう一回!」
再度試みるも同様の結果であった…。
あきらめきれずその後何度か試したがやはり結果は同じであった。
「…どうやら二人共何かしらの封が成されている様です…」
「…ミヅチはそーみたい…だってすっごくあぶないきがしたもん」
「アタシは…出来るけど…出来ない…今はしてはいけない…そーゆーことみたいね…悔しいけど!」
「まぁ、明日辺りアビヒコ達も追いついて来ると思いますし、今日はアマム兄がポン=イトゥンナㇷ゚=モシリ…と言う処にいることが分かっただけでも良しとしておいたらいいのではないでしょうか…?」
ヤチホコは二人の様子とオオトシの言の葉を聞いてその様に述べた。
「…そーね…。無事なのと居場所が分かっただけでも…前進だわ!」
「うんうん♪今日は色々あったしみんなそれぞれゆっくり休も?」
ミチヒメのその言に皆賛同し一旦純陀の店を後にしてそれぞれ宿へ向かって行った。
「あ、ミチヒメ…。僕、一番じゃなかったので…練武の罰を…」
「ふふ、今日のはスセリちゃんの工夫がとても良かったとゆ~ことにしておいてあげる♡、また明日…ね♪」
ヤチホコの頭を軽く撫でながらミチヒメは頬に軽く唇を押し当て、目配せしながら微笑んで去っていった。
ポン=イトゥンナㇷ゚=モシリ…小さきアリの世界!
外伝からお付き合いの皆さまには…お待たせいたしましたm(__)m
とうとうリンクしていきます♪
もし読まれていない方は…後数話本編を読まれた辺りで…
外伝「地底王国編」を読まれたらまた楽しめるかと思います♪
さてさてオオトシとミチヒメはどうなるのでしょうか…(^-^;




