第50倭 それぞれにエィアムする夜
門を使ったヤチホコたちは…
「え~と…これが門の…扉でしょうか…?」
「そーみたいね…。ここからホントにクスターナまで…そしてイヅモまで行けるワケ?」
「しんじられないよね~!」
「塔主さまが言ってたし、ボクはきっと行けると思う」
「…下らぬ詮索はそろそろにして使ってみるが良い。全員扉の前の陣に入り、左手にある仕掛けの“クスターナ”と書いてある所を押してみよ。その際絶対に陣よりケゥエがはみ出ぬ様にな。この門のチカラによってはみ出た部分は奪われ失う故…」
「こ…こわいですね…。みんなしっかり陣の中心へ…くっつく位に寄り添いましょう!」
ヤチホコのその言の葉に皆出来る限り中央に寄り添った。
「良いですか? では押します! クスターナへ! 塔主さま、また来ます! ありがとうございました!」
重く硬質なモノがはまり込む音がすると低いうなり音が発生し一瞬大きく揺らめいてヤチホコ達は消えてしまった…。
「…本当にいなく…なった…?」
「あっちは速いわよん♡ アタイたちはゆっくり行きましょ♡」
「…我々もそろそろ参るとするか?」
「あ、はい、では準備します」
「うむ」
ウガヤ達も身支度を整え大型万能船で天と地の基礎となる叡智の聖塔を後にパミールのビビ・ファティマ温泉へ向かった。
「あそこのお湯は最高だわん♡」
「…お湯の良さもわかるんだ…」
「とーぜんよ♡ アタイのラムは…ホンモノだもの♡」
(…ラマトゥはつくりモノでは無い…そういうことか…)
「…緋徒に宿るか…イコロ=タㇰに宿るかの差であり、そのモノの存在の本質から見やれば大差なき事やもしれんな…」
ウガヤはアビヒコの独り言に賛同してその様に応えた。
「…思ったよりも早く着いたかな…?」
「そぉねぇ♡ アビヒコちゃんがアタイと合体して…出したから♡」
「思った以上に出たんだね…」
マニィのチカラで融合し例の銀色の状態で氣力を振り絞った様である。
「…我よりも眠りしチカラは上やもしれぬな」
ウガヤも感心してそう応えた。
「其方等も今日はゆるりとするが良い」
「ウガヤさまは?」
「一つ、用を済ました後休むとしよう」
「あ、はい、わかりました、お気をつけて」
「うむ」
そう返事をしてウガヤは集落の中へ入っていった。
「…ぼくらは…カムイワッカを味わうのがすべきこと…だね」
「そうよん♡ アタイと一緒に仲良くねぇ♡」
「わ、わかった…。じゃぁ入ろうか」
「はぁい♡」
ウガヤは集落の奥にある一軒の小さな宿へ向かっていた。
合図をすると中から入るように促されたので扉を開ける。
「…兄様お疲れ様♪ いかがでしたか…?」
その問いに対しウガヤは重い口調で応えた。
「うむ…やはりタギリ…其方の言う通りであった…。オオトシはラム…いやラマトゥに強烈な痛手を受け戻って参った」
「…やはり…そうなりましたか…。この先のオオトシさまの進み方によって…先の世は大きく揺らぎます」
「左様であるか…。良くなる方は良い、悪しきへ揺らぎし刻…どの様な事態訪れるであるか…解る限り応えてくれまいか?」
「かしこまりました…最悪手を打った場合は…」
タギリは静かにウガヤに伝えた。
「…オオトシはその…先の世の顛末を観せられたであるか!」
「お話より察するに恐らくは…」
「むう…。あのウタラとモシリへのエィアムのイレンカ篤きルーガルであるオオトシには耐え難き事であろう…」
「はい…。そして…ここまでが今の段階で観えし刻の流れです…」
軽く頷いてウガヤは応える。
「これより先は…我ら次第、であるな?」
「その通りですわ兄様。…頑張られて下さいませ…」
「我も望むモノを追う術を賜った。落ち着き次第歩を進める所存。」
「そう…なりますよね…。それをお止めは致しませんわ…ですが…それは…万が一もありうる選択ですわ」
「かまわん。今までの全てもそうであった故」
少し俯きながら悲しげな表情でタギリは応える。
「…残される方が…辛いのよ、兄様…」
そう言いながらいつになく暗い表情をタギリは見せた。
頬をつたう一筋の滴が道の険しさを物語っていた。
「…いつも…すまぬ…。今回も必ずや本懐を果たし帰還いたす!」
「うん…。わかってるわ…。でも…だからこそ…あたしに兄様のイレンカ…しかと刻んでゆかれて下さい…!」
「…タギリ…。…承知いたした…」
「…はい♪」
揺らめく蝋燭の明かりが二人を照らしたかと思った刹那…夜の帳が部屋ごと二人を包んでいった…。
…場面は変わり夜のビビ・ファティマ温泉…。
「…アビヒコちゃん♡ すこーし逞しくなったわん♡」
「そ、そーかな? 自分ではまったくわからないけど…?」
「アタイとはじめて逢った刻よりはほら♡ 背中、一回り大きいわよん♡」
マニィはアビヒコの背中をこすりながらそう言った。
「んふ♡ じゃぁ今度ははんたーいよーん♡」
「…え?あ、いや、こっちは自分で…わわわ!」
「アタイとアビヒコちゃんの仲じゃない♡ 照れちゃいやん♡」
(…一対の…一組の…と言う事…?それはたしかにそうだけど…だからってこんな…うれしくなくは…もちろんうれしいけど…恥ずかしいとのイレンカは…あるんじゃないのかな…みるのもみられるのももちろん…触られるのなんて…でも…まぁ…いいの…かな…♪)
アビヒコはそうヲモヒ廻らせて少し困りながらも…胸中には確かに嬉しさも存在していたので…複雑なヲモヒだったがあれこれ考えるのはやめて堪能する事にした。
「そぉよん♡ それでいいのよん♡」
そう言いながらアビヒコの身体を洗い流してマニィは言う。
「ハイ♡今度はアタイをキレイにしてねん♡」
アビヒコは驚きのあまり言の葉を詰まらせながら応えた。
「…ええ!あ、ええと、その…じゃぁ背中を…」
アビヒコは泡を立て背中をこすり始めた。
シミ一つなくものすごく肌理細やかで滑らかな肌である。
しなやかで細身ながら柔らかさと美しい曲線美を携えた背中から下に降りていくと小ぶりながら張りのある半球状の美しい双陵が伺えた。
「そう、そうよん♡ 上手上手♪ あぁ…気持ちいいわん♡」
「そ、そう? ならよかった」
「ハイじゃぁ次はこっちよん♡」
マニィは椅子に腰かけたままくるりとアビヒコの方を向いた。
「うわわ…!そ、それは、ちょ、ちょっと…」
しなやかに伸び美しい曲線を描いて魅せる脚、程よく引き締まりくびれた腰つき、その延長上に一部が隆起した様でいて全く別の素材で形成されている様に伺える微かなふくらみ…現在の医学で言うならばタナー段階Ⅱと言った所であろうか。
満面の笑みで全く隠そうともせずにマニィは言う。
「あは♡ 大切なエイワンケプだとイレンカ寄せてくれるなら…きちんとキレイにしてほしいわん♡」
羊脂白玉そのままの滑らかで透き通る様な輝きの肢体を魅せながらマニィはアビヒコを優しく…少しだけいたずらっぽく見つめた。
「…わ、わかったよ!確かに大切だから…しっかり洗う!」
アビヒコは身体の芯に強い火照りを感じながらもしっかりと洗った。
「…あん♡ ありがとぉ♡ とってもきれいになったわん♡ さぁ一緒に入ろ♡」
「あ、う、うん…」
ここパミールにある、ビビ・ファティマ温泉では滾々と湯が自噴しており、古くから湯治の里として知られていた。泉質は数種あり、アビヒコ達は現在で言う所の単純泉…弱アルカリ泉に入っていた。
無色透明な泉質なので…湯に浸かっていても月明かりに照らされると色々と透けて観えた。
「あらん? もっとそばで入って良いのよん♡」
「え…だ、だってそばに行くと…いろいろと観えちゃうし…」
「…観たいのなら…観ても良いのよん♡…ほら…」
マニィはそう言って静かに立ち上がった。
湯舟より滑らかで艶やかでしなやかな肢体が顕れた。
アビヒコを見つめて微笑み、ゆっくりと手を下ろし少しだけ視線をそらすように目を伏せる。
その細身ながら美しい曲線を描く肢体にアビヒコは思わず見とれてしまった。
「…キレイ…♪」
思わず言の葉が口をついでこぼれ、自然となだらかな双丘へ手を伸ばした。
「ありがと♡ やさしく…ね♡」
アビヒコは双丘の片方の感触を手で確かめつつもう片方を授乳する赤子の様にそっと口に含んだ。
「あん♡ そう…そうよん…そのまま続けてね…ん…♡ アタイ…アビヒコちゃんのコト…エラマスよん♡」
マニィはアビヒコの頭を優しく抱きかかえてそう言った。
「…ぼくも…エラマス…かも…」
アビヒコがそう言った瞬間、マニィより溢れる何かがアビヒコに入ってきた。
(…ん、んぐぐ…!こ、これは…トゥム…を帯びた…何…?)
「こっちもぉ♡」
反対側も同様に受け取る。アビヒコの身体の隅々までトゥムを帯びたそれは行き渡っていった。
「アタイが授けられるコトは…出来たわん♡ あとは…また…きっと…」
「…あと…? きっと…?」
「…クスターナで…ね♡」
「…クスターナ…キクリちゃんのイコロ=タㇰ…?…イリチ…?」
「そう…よん♡ きっとそこで…出来上がるわん♡」
「よくわからないけど…そうなんだね」
マニィは微笑みながら頷いた。
「…そろそろ上がって休みましょ♡」
「あ、うん…!」
良く温まったおかげかアビヒコは夢も観ずに深い眠りについた。
アビヒコはマニィよりまた何かを授かったようですね♪
用語説明ですm(__)m
・エィアム:前に出た「保管する」の他に「大切にする」の意味(今回はコチラ)があります♪
※もしかしたらビビ・ファティマ温泉はすべて塩化物と硫黄の混入があるかもしれませんが、
塩化物泉も無色透明なのでそのままお読みくださいませm(__)m




