第30倭 ティティでラッチな類稀なるノカン=クル
あのまま朝を迎えてしまったヤチホコとミチヒメは…?
(…レラ…心地良く…良く…ない…?か、かなり強い…です…ち、ちょっと待ってくださ…!)
ナニカを察したヤチホコが勢いよく起きると眼前にペウプンチセの様なウェンレラを携え今まさにそのレラを放とうとしている凄い形相のスセリが観えた…。
「う、うわわわ!ま、まってスセリちゃん!一体どうし…」
そこまで言いかけた手には何やら慎ましやかながら柔らかくも張りのある感触がある…。
ヤチホコはどうやらあのまま眠ってしまった事に気付いた。
おそるおそる下の方を見ると…履いて…いや…履かせてもらっていたようである。
(下履き履いていたのは良かったですが…この手は…言い逃れは出来ませんね…)
ヤチホコは大きく息を吐き力無く項垂れる。
「…う…ん…。…え?あ!ありゃりゃ!こりゃまたど~も…あは、あはは♪」
ミチヒメも目を覚ました。自分のケゥエに何かが触れているのを感じる。勿論ヤチホコの手である。
(…な~るほど~。こりゃスセリちゃん気が気じゃないよね~。)
一本指で頭を掻きながら困り笑いを浮かべる。
「…スセリちゃん、ごめんね!ヤチホコくん…あなたの事でとっても悩んでいたのよね…」
スセリはそのイタクを聞いて今にも打ち出さんばかりのアスケウコムを下ろす。
「ボクのコトで…なやんでた?」
「そ~よ~。スセリちゃんがイイヨマプカ過ぎてエサムペルイルイしてどうしようってね♪」
それを聞いてスセリの拳のトゥムは瞬時に霧散した。
そして頬を赤らめ神妙な面持ちで尋ねてきた。
「…そーなの…ヤチ…?」
「え?あ…うん…。今までは何ともなかったのですが…この間の戦いからスセリちゃんの事も気になっちゃって…」
顔面神経支配の皮筋である前頭筋が眉弓を引き上げ、皺眉筋が眉間に皺を形成した為、片方の眉が吊り上がりスセリは詰め寄る。
「…も…?」
「あ、うん。あとミチ…ぐはぁ!」
「あ~。ミチすがら二人でゆっくりお話ししたいけど二人だと今は少し照れくさいかな…でしょ?」
「は…はひ…そぼでず…」
ヤチホコに触れていた手背で季肋部を突き上げる様にミチヒメの寸勁が入ったが、完璧な暗勁の為誰も気が付かなかった様である。
(こ、ここまでの勁を打ち込まなくても…で、でもありがとうですかねこれは…。や、やはり…強さは遠く及ばないようです…。こ、呼吸を整えて伝えませんと…)
「…ウコホトゥケしていますと…そう言うイレンカで見るモノでは無いはずなのに…目のやり場に困ったり…エサムペルイルイしてしまってですね…」
ヤチホコはスセリに対し観じたイレンカを素直に話してみた。
「…そっか…そうなんだ…ボク…うれしい…カモ…♪ヤチがそーゆー目でみてくれるなんて…。だって…ボク…も…な、なんでもないや!う、うん、わかったっ!ミチヒメもっアリガトー!」
話しながら急に恥ずかしくなった為不自然な結びとなってしまった。
(…ななななんか…ボクもイシキ…しちゃったかも…)
「ささっ!ポロ=モシリへオパイ=オパイェー!」
スセリは照れ隠しする様に不器用ながら話しを切り替えようとした。
そんなスセリをミチヒメはとてもイイヨマプカと思って後ろから抱きついて言った。
「りょーかいで~す♪さぁびゅーんっと行っちゃいましょ~!」
鍛錬も兼ね全力でトゥムを放出し西へ向かってひた走る。さらに合間に組み手も交えつつ旅は順調に進んでいった。
組み手の際にヤチホコに対し珍しくアビヒコが、かなり本気のイレンカ込めて挑んできた。
「…やりますね…!カムイ=カミヤシ=アスケ=ウク=アリキッパしている刻はトゥムもかなり使えるのですね!」
「まーね。ぼくの体内できちんとヌプルとウカムレ出来ればもっと良いんだけどね…そんなことより!…昨日…ミチヒメとなにがあった…!」
アビヒコ話しながらそばに寄ってきて小声でそう言ってきた。
(…まぁ…あの状況観たらだれでも気になりますよね…)
ヤチホコはそう思いながら応えた。
「さっきのおはなしの通り…悩みの…相談ですよ」
「それはわかってる!で、何をしてもらったのって聞いてるんだよ!」
アビヒコはヤチホコの頬をアム=ポチチしながらそう言った。
「あだだ…!そ、その状態でこれはとてもキケンです…ってあだー!あ、あのですね…」
痛がりながらもヤチホコも小声になってアビヒコに伝える。
「…実はですね…僕も良く解ってはいないのですが…ケゥエを触られて…僕もミチヒメのトットに…触れて…そのままなんか不思議なカンジに…その後はよく覚えていないのですが…とてもラムがラッチして…気づいたらスセリちゃんがいました…」
ヤチホコの話を聞いて納得するように頷きながらアビヒコも言う。
「…そうだったんだ…。たしかに…触るとラッチするもんな…」
そのイタクにかえってヤチホコの方が驚いて聞き返した。
「…い、いつもそうして寝ているのですか?」
「…強制的にウコライェされて…ね」
「そうでしたか…。あ、昨日は無事に寝付くこと出来ましたか?」
「え?あ、あぁ…」
「…?」
少し顔を背け応え難そうにアビヒコはそう言った。
「聞いたわよ~ん♪よかったね~♪昨日はスセリちゃんに寝かせてもらったんだってね~!」
例によって音も無く背後に顕れたミチヒメがそう言ってきた。
「え!ちがっ!…わない…。昨日は夜中に目が覚めちゃって…ヤチホコをさがしに来たスセリちゃんに…伽をしてもらったんだ…」
「いちど寝たから大丈夫かな~?と思ったんだケド…起きちゃったんだね、ごめんね」
ミチヒメは両手を合わせ目配せをしながらアビヒコにそう言って謝った。
「うん…。でも大丈夫。スセリちゃんのも…良かったよ…♪」
そのイタクにミチヒメとヤチホコは驚いてアビヒコを見る。
「ん?どうしたの?」
「ア、アビヒコ…良かったと言うのは一体何がでしょうか…?そして…“のも”と言うのは…?」
「ちょちょちょっとアビヒコちゃん~?スセリちゃん相手に一体ナ~ニしたって言うのよ~?」
アビヒコはきょとんとして二人に応える。
「え?なにって…いつものミチヒメと一緒だよ?…スセリちゃんも…まぁその…よく似たカンジで…ねごこちが良かった…そう言うことだよ?」
それを聞いたミチヒメは納得して安心して言う。
「あ、あ~!なぁんだ~そっかそっか♪スセリちゃんも…なのね♪」
「え?え?どういう事です?」
事情が呑み込めないヤチホコがミチヒメに尋ねる。
「アビヒコが…ホントに一緒に寝たいのは香さんだからね~♪…似たカンジの…つつましやかなティティちゃんの持ち主と一緒だと安心して寝れ…むぐぐ」
「ナイショにしてくれるって言ったのに!」
アビヒコは必死に両手でミチヒメの口を塞ぐ。
(…そうでした…アビヒコ…まだ僕よりも幼かったのでしたね…。能力はありますが…エラマスのイレンカも…僕たちとはまた意味が違うモノなのでしょうね…)
「…さびしいトキ、だれかのそばにいたいのはみんな一緒だよ!はずかしくない、ボクはそう思う!」
慰めや同情等ではなく本心からスセリはアビヒコにその様に伝えた。
「ボクも…昨日はちょっと寂しかった…だからアビヒコがそばにいてくれてうれしかった…」
そう言ってスセリはそっとアビヒコを抱きしめた。
「そっか…これでいいんだね…たしかにこうするとラッチしてラム=シリネするもんね…」
「さびしくない様にみんなでくっついて寝たらいいと思います♪」
ヤチホコも二人に抱きついた。
「そ~ね~♪にぎやかでそれも楽しいかも~♪」
ミチヒメも抱きついてきた。するとゆっくりと全員まとめて浮かび上がった。ウガヤであった。
「…皆類稀で優れたる闘士であるが……まだノカン=クルであったな…」
優しく全員まとめて抱え上げながらウガヤはそう言った。
こういう事は身体操作を習得している前提で筋力がないと難しい。ヤチホコ達も身体操作で瞬間的な強さは出せるが持続させる為には…トゥムを放出し続けるか筋力を出し続けねばならない。しかしケゥエは少年少女故そこまで単純な筋力はある筈も無い。巨躯を誇るウガヤならではである。
皆の兄…父と観ずる安心感、信頼感はこの体躯とそれに驕らず鍛え続ける佇まいから醸し出されるのであろう。
ウガヤは暫くしてからそっと降ろし一人一人の頭を撫でて回った。
一番年長のミチヒメは少し照れくさそうであったが喜んでいた。
「そりゃ~アチャポからみたらまだまだわたしだってノカン=クルよね~」
「チカラはいずれ我を大きく超えてゆくであろう。だがラムとイレンカなくば乗り越えられぬ事の何と多き事か。よく笑い、泣き、大切なモノの為悲しみ憤り、己が壁を前に悩み、苦しみ…ヤイ=カトゥ=エカラし、ウ=ウェラマスし、され…様々なイレンカに磨かれし果て…優しくしなやかで強きラムを持たんとするが良い。それこそが最高へと至れしル=クイタクぺなり」
「…ハイ!」
ノカン=クルたちはそれぞれのラム=アサムに観ずるイレンカを抱きながら揃って元気に返事を返した。
様々な経験をいろんな感情を抱きながら乗り越えていく事は僕らにも必要ですし有益ですよね♪
…合間に失敗しても逃げ出しちゃってもまた戻って立ち向かえたらいいと思います(笑)
用語説明ですm(__)m
今回は日本語の説明が主かもです(^-^;
・手背:手の甲の事です
・季肋部:ろっこつ(あばらぼね)の下側の出っ張り辺りの事です。「季」は末の意味です。
・寸勁:一寸(約3㎝)ほどの距離から放つ打撃です。ブルース・リーの得意技です♪
・暗勁:動作が極まって力の発生がほとんどわからない状態の事です。
・オパイ=オパイェ:出発する+~へ行く で「しゅっぱつしゅっぱつ」としました♪
・ノカン=クル:子供 小さい+人(元々こういう意味です♪)
・ル=クイタクぺ:道+目印→「道標」としました。
・ティティ:=トット=乳房部=おっぱい です。
「ティティ」(ti-ti)はシュメール語で乳房(本来は豊満なものを指す)、日本語の古語では「ちち」「おちち(敬称の”お”がついた場合)」、アイヌ語では「トット(本来通常使用するのは「トットトットホ」ですけど長いので(^-^;)」…
子音が一緒で母音の変化は転訛(てんか=なまり)と取れますね♪
通常は医学用語で、ミチヒメたちがしゃべる刻は「おっぱい」とフリガナふっていますが…
実は「乳房部」や「母乳」を「おっぱい」と言う様になったのは幕末くらいからですので使うのに迷いましたが…
解りやすさと音のかわいらしさで彼女たちのセリフにはそう振らせて頂きます(笑)
追記です。
色々調べた所…古代において女性の乳房は豊穣と生命の象徴の意味合いが強く性的な意味はあまりないと言うのが多くの文献の意見でしたが…医学的見地から考えますと…生殖器としての機能と感覚が存在する事と矛盾が生じます。(この辺りは後ほどコラムとして書こうと思っています(^-^;)
表向き…残されている文献や資料では…という事ではないかなと思い…
生命の象徴であり豊穣の女神が持つモノとして以外の感情も
実際はあったのでは?と推測して書いていっておりますm(__)m
「そう教わっているけどそうじゃないものに見えてしまってどうしよう…」
が思春期に差し掛かる頃に抱くイレンカにあるんじゃないかなぁ?
と思って書いてみましたm(__)m




