第20倭 ルースの中のペケレ=シリ
ルースに言われ街の散策に…
大通りに出ると様々な店が立ち並びイホクシを形成していた。
「も、もしかして帝のモシリより賑やかでは…?」
端にあるルースを皮切りに様々な店が立ち並ぶ。
ルースの裏手、門を入って左手奥には大きな宿があり、向いに武具や道具を売る店が並ぶ。
中央には広場があり噴水が湧く。その奥中央にカムイ=チセがあり、両脇に迎賓館と領主の チャシが建っている。
「規模は小さめだけど…今までで一番すごい建物がある気がします」
「あの窓って…もしかして…玻璃…?それもこんなに!」
ヤチホコとスセリが目を丸くしながら言う言葉にアビヒコが答える。
「とうさんが製法を編み出してみんなでつくっているんだ。このルースの名産だよ!」
「…あれを使えば光を入れて風を止めるのはすぐ出来そうですね…!」
「まぁそうだね。でも実は…玻璃、ものすごく高いんだ…実際によそのモシリに売る刻には…」
アビヒコはヤチホコにどのくらいで取引されているかを教えた。
「ひぇ~!そ、それは…いくら作物の為とは言えおいそれと使えるモノではありませんね」
「ここでは殆どのチセやチャシに明り取りなどで使っているけど、ふつうはモシリ=コロ=クルくらいしか使えないよ。あとね、さすがに作物覆うほど大きいモノはまだ作れないんだ」
(た、たしかに…ふつうは使えませんし…良く見ると小さなモノをつなぎ合わせて使っているようですね…それにしても…)
ヤチホコはアビヒコの話に納得した後、生家を思い浮かべその差を痛感していた。
玻璃…ガラスが使われていないのはもちろん、プィヤラを開けないと光が入らないチセ…そのほかのウタラのチセなどはサラキで葺
ナ・ラ
「もし…とうさんの言う、“透明な布”が、玻璃
「それは楽しみですね♪しかしアビヒコのおとうさまは本当にすごいですね!」
「うん!トゥムやヌプルはまったくない…普通のウタラ
「左様であるな。その中でもこの…綿あめなるモノは真に素晴らしき美味なり♪皆も是が非にもひとつ食されよ♪」
ウガヤが何やらカント=トコロ
(…よっぽど美味しいのですね…♪あんなウガヤ兄初めて見ました…)
そう思いながらヤチホコをはじめ皆も受け取り一口頬張ると…
「~~♪♪な、なにコレ~!!お、おいひぃ~♡」
スセリが声にならぬ感動を頬張りながら叫んだ。
「ほーんと、おいっしぃ~♡ この為だけにルースに来るウタラもいるくらいだもんね~♪」
ミチヒメも満面の笑みで頬張りながらそう言う。
(へぇ~。この…カント=トコロのニスみたいなモノ…そんなに美味しいのですか…)
ヤチホコはそう思いながら一口頬張ると…唾液と混ざった瞬間に口腔内で消え去るとともにものすごい甘さが広がっていく。
「おおお、おいしい~~です~~♡ なんでしょうかこれは!」
「ルースや近隣の土地でとれるてん菜と言う作物から粗目
このてん菜のおかげでこのルースでは…甘い味の食べ物がたっくさんあるんだ♪ 餡、クサーブ
(アハ
ヤチホコは感心すると同時に素朴な疑問が浮かんだ。
「この…麦
「そう。点在する様々なコタン
「あ、なるほどですね♪ ルースはそれでみんな十分に暮らせるのですね♪」
「そうそう♪ おかげでああやって トペムペ
「あれは…ステキでしたね…♪」
ヤチホコは エシカルン
(この世にあんなステキなモノがあったのですね…♡)
「ウタラ…ステキですよね♪」
「そうだね♪ぼくもそう思う」
「ステキ…だからこそ」
「守らないとね」
「それが力を有す我等…緋徒
抱えていた大量の綿あめを食べ切ったウガヤがそう話を結んだ。
(…甘いモノ…ものすごーく大好きだったのですね…)
その後もしばらく街を散策して回った。
先の玻璃
「なんでもね、カネ
今でいう鋼である。そして手動、もしくはトゥム
その他、ルースより少し北に昇った所に存在する天然の氷穴から氷を切り出して使ったり天然の保管庫としても利用しているらしい。
「一年中凍っている場所、そんな場所もあるのですね♪」
「そのおかげで長期的に アエプ
何やら街の中央奥に美しく荘厳な建物が見えてきた。
「うわぁ…あれはきっと…カムイ=チセ
「見た目もだけどこの辺りで跳びぬけて清浄なシリ
確かに…観るからに聖なる気配を感じる…。
「…かあさんはここでみんなの治療をするんだ。ここでだと持っている力が最大限ひきだせるからって」
アビヒコからその様に話を聞いたのでヤチホコ達も礼拝していく事にした。
やや小ぶりだが石造りのとても美しい建物である。
中へ入ると…一般民
アムソ
「こ、これは…ぼ、僕でも観えます…ものすごいヌプルです…!」
「そうよね~!ここだとわたしも自分だけでトゥムを解放出来ちゃうみたい…!」
「…世には斯様
「なるほどですね!僕らが中に…そしてミカヅチをうまく外に誘導できれば…!」
「うむ、そこであのアビヒコのアィエ
「話が通じず戦うことになっても…勝てる!」
「うむ!…これは一つ良き収穫であった…!」
「…そう言えばここ…このスゴイ気配…どなたを祀られているのでしょうか…?」
ヤチホコは横にいるサンガ
「はい。私が伝え聞く所によりますと…始まりの天使、真理への導き手…そう呼ばれる方が祀られているとの事です」
「はじまりの…カント=ラプ=クル
「真理への…導き手…?」
「天住まう翼持つモノ
ヤチホコが呼び名からその様に推測するとミチヒメが答える。
「でもここのお方は…フンイキから言って…ぜぇったいに悪モノじゃなさそ~ね♪」
「うん、ボクも…そう観じる…やさしく…懐かしいカンジの…ヌプル!」
「えぇ?スセリちゃんヌプル観じるの~?」
ミチヒメが聞いた話ではスセリはまったくもってヌプルを観じられなかったはずである。
「…うん…。きっとみんなほどわかってはいないと思うケド…きっとウタラでもハッキリ観じるんじゃないかな?」
「確かにそうかもね~!って、さっきさ、懐かしいって言ってたよねスセリちゃん?」
納得しながらもスセリの不思議な一言についてミチヒメは問いかけた。
「うん…。前にも…会ったことがある気がする…ずっと前…前の世でかもしれないケド…」
スセリのその言葉を聞いたヤチホコも言われてみれば観じた事ある気が…そう思ったが、単につられただけかなと気にするのをやめた。
「…なんか~チカラもらえちゃったカンジ♪」
ミチヒメが軽く飛び跳ねながらそう言った。
それは気のせいではないと皆も思った。
今まで観じていた身体の疲労感がすべて消えてしまったのである。
「今なら夜通しイケ
「ホントホント♪一晩でも二晩でもいくらでもね~♪」
ヤチホコとアビヒコは何故だか少し照れくさそうに気まずくしていた…。
(…おそらくルース殿が我らを散策に向かわせた理由は…このカムイ=チセであろうな…後あの素晴らしき綿あめであろう…!)
それぞれにイレンカ抱きながら万事屋ルースに帰宅する事にした。
自然界で貴重品である糖を取り込み血糖値をあげる仕組みは人体にいくつもあります。
…それほど貴重で大切だから…でしょうかね…ウガヤも(笑)
11/15追記です
ガラス→|玻璃=ボォリィ(日本の古語で「はり」)に変更しました(^-^;
…この時代ガラスはサンスクリット語の漢訳だったようです、そして同様の「瑠璃
本当の宝石を指す場合もあったのでこうしましたm(__)m




