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第105倭 カンナが観せしウタラの可能性

カンナさんの実演開始です…!

「ではまず私がしてみますので…そこで観ていて下さい…!」


カンナは八卦図(バーグァトゥ)の中心…太極(タィジィ)と呼ばれる場所に立ち、深呼吸してから(じゅ)を発した。


挿絵(By みてみん)

(八卦先天図:伏犠考案とされる Wikipediaより引用)


「…チ=オカイ=マェ(我が業は我が為す) カ=ソモ=ネ(に非ず) カムイ・オピッタ=マ(天地神明の通力よ)ェ テタ=エゥコトィセ(ここに集い給え)!(我が業は我が為すに非ず 天地神明の通力よ ここに集い給え!) (チィェン)! (ドゥィ)! (リィ)! (チェン)! (シュィン)! (カァン)! (ゲェン)! (クゥェン)!」


先ほど見た美しい舞の様な所作と共にカンナはそう唱えて八卦図中央太極周囲の円の縁をを進み…再度中央に戻って叫んだ。


八卦(バーグァ) 発動(ファードゥン)!」


八卦図から柱状に権能(チカラ)が吹き上がりカンナへ集束していく…!


「…ではミチヒメさん…どなたかのチカラでトゥム(氣力)を解放して攻撃してみて下さい…!」


「ええ! だってカンナさんフツーのウタラ(一般民)でしょ? わたしがトゥム解放しちゃったら…ケガじゃすまないと思うよ…?」


「…メル=ストゥ=マゥェ(輝く根源のチカラ)でなければ…おそらく大丈夫です!」


「…付与霊呪(ラムハプル=ヌプル)観之眼(ヌプル=インカラ)解放後(ヒラキテ)刮目(ヨクミルデス)…!」


玄武に言われた通り観之眼(ヌプル=インカラ)を開いて()てみると…八卦図に強大な権能が集まりそれが(よど)みなくカンナを通過しては循環している様子が(うかが)えた…!


「…な、なるほどね…! わたしこの子たちからヌプル(霊力)もらわないと観えないからわからなかったケド…これはたしかに…大丈夫そうね…!」


「…はい! トゥムを解放して全力で打ち込んでみて下さい!」


「うん、わかったよ! よぉっし! ビャッコ!」


「よっしゃ~いくトラ!」


言うや否やミチヒメの身体から竜巻の様に突風が巻き起こり包み込んだ!


レラ()単体でもスセリちゃんより強いですね…!」


「ふふ♪ ステキでしょ?」


「え? あ、は、はいとっても…! ロインクロス(古代スカート)がめくれ上がる(ところ)…ぶっ!」


「そのイタク(言の葉)も嬉しいケド…今はそっちじゃないでしょ♪」


「あ、は、はい…。しかし…本当にその練り上げ方でカンナさんに…?」


「ヤチホコくんも観ていたらわかるでしょ? あれは…あれだったら…没問題(メィウェンティ)! 行きます! はぁっ! ホロカモィ=エポソ(螺旋突貫)キㇰ()!」


ミチヒメは身体中に竜巻状に纏わせた(レラ)氣力(トゥム)により身体操作(ケゥエ=エイキ)を急加速させて打撃を放った!


「あ! あれはスセリちゃんのよりさらに高位の…!」


「はぁああっ!」


着弾(ちゃくだん)衝撃(しょうげき)一瞬(いっしゅん)遅れる形で打撃音と乾いた亀裂音(きれつおん)が鳴り響く! カンナの左右の後方、八卦図より遥か向こう側の岩壁に大きく渦巻いた亀裂が入る!


「カ、カンナさん! 大丈夫ですか?」


ヤチホコは心配して()け寄ろうとしたが…それを観て足を止めた。


「す、すごいです…! あれでまったく…!」


観るとミチヒメの撃をカンナは見事に受け止めていた…!


「ええええ~! これって…チカラがぜんぜん届いていないカンジ?」


「ミチヒメさんその通りです! この八卦図に集いしチカラを以て受け止めました! さぁ…続きを…今度は私が参ります…!」


そう言うとカンナは太極円(タィジィユゥェン)の縁をミチヒメを囲む様に廻り始めた…。


「ここ…! 震雷打(チェンレイダァ)!」


「ー! (はや)い!」


ミチヒメは辛うじて左前腕で受け止めたがそのまま対角線上に反対側へ身体ごと押しやられてしまった…!


巽風(シュィンフゥン)(ジャァン)!」


「っ! 観えない刃! カタ()へ!」


遠方の岩に一筋斬撃の跡がつく!


「今です! 乾天(チィェンティェン)之矢(ジュィシィ)!」


「このチカラは…ニス()の…! ミチヒメこれはマズいトラ!」


太極(タィジィ)の上空で激しい爆発音が鳴り響く!


「まさか…ミチヒメ~!」


視界が晴れると例の姿に変貌したミチヒメが浮いていた…!


「…あ、危なかった…! 一瞬遅れていたら…!」


すぅっと降りてきたミチヒメの表情からはゆとりが完全に消えていた…。


「…その姿…メル=ストゥ=マゥェ(輝く根源のチカラ)(ふる)(トキ)の…ですね…! では…今度は私が稽古をつけて頂きます…! いざ!」


「…まさかニスのチカラまで(つか)えるなんて…手加減なしで良さそうね…! カンナさん…行きます!」


ミチヒメはそう言って地面を蹴り跳び掛かるも、カンナはするりと(かわ)して円の縁を歩き始めた…!


「さぁどんどん行くよ~! はぁ! やぁ! とぉっ!」


沖捶(ちゅうすい)から連環腿(れんかんたい)~後ろ回し蹴りと続けざまに放つ! 辛うじて連環腿を躱すも次撃に被弾する寸前…


離火壁(リィフゥオビィ)…!」


(けい)浸透(しんとう)してくる直前に炎の障壁を造りだし防ぐが完全には相殺しきれずに後方へ吹き飛ばされるも華麗に宙を舞いながら身体を捻り着地しすぐさま例の歩法で太極円(タィジィユゥェン)の縁へ戻る。


「~! なんの! まだまだ行きますよ~! ややややややぁ!」


右沖捶で跳び込み頂肘(ちょうちゅう)靠撃(こうげき)~回転しながら左貼山靠(てんざんこう)頂心肘(ちょうしんちゅう)裏拳(うらけん)からの寸勁(すんけい)と流れる様に連撃を放つ!


坤地柱(クゥィンディジュウ)!」


無数の岩柱が地面よりせり上がりミチヒメの連撃を防ぐ!


「…ホント…すごいよカンナさん…! 次! 本気…行きます…! みんな!」


「な! 正気かトラ? アイテただのウタラ…むぎゅぎゅ…」


「い・く・わ・よ・♪」


「わ、わかったトラ…!」


疾如(トクコト)白虎(ビャッコノゴトク)! 徐如(シズカナルコト)青龍(セイリュウノゴトク)! 侵掠如(シンリャクスルコト)朱雀(スザクノゴトク)! 不動如(ウゴカザルコト)玄武(ゲンブノゴトシ)! いっけぇ~! 啊啊啊啊啊啊(やぁぁあああ)っ!!! 獣王(ジュウオウ)究極発勁(キュウキョクハッケイ)!!!!」


「ぅわぁ~! ミチヒメ! なんて事を~!」


ヤチホコが叫んで跳び込もうとするよりも迅くミチヒメは全力の勁を撃ち込んでしまった!


「っ! まずいです! (ドゥィ)! (カァン)! (ゲェン)!!! 雨水降(ユゥシュィジャァン)山転化(シャンジュァンホゥア)生成澤(シェンチャンツゥァ)! 水龍神(シュィロンシェン)瀑布(プゥブゥ)!」



「し、水龍神(シュィロンシェン)瀑布(プゥブゥ)ってアビヒコ最大の…!」


突如として上空より水龍を(かたど)った巨大な(たき)が出現し強烈に降り注ぐ!


「くっ! つ、貫ききってみせる…! はぁぁっ!」


「おまっエパタイ(バカモン)! その握りは!!!」


掌底から形を変え鈀子拳(バァズゥチュェン)に絞り両脚を再度激しく震脚して叫ぶ!


獣王(ジュウオウ)究極発勁(キュウキョクハッケイ)・ア…ふぁふぁ…んぐぐ…!」


「そ、そこまでですミチヒメ! もうダメです! そしてそれだけは絶対ダメです~!」


その声を聴きミチヒメが正気に還ると…二人の間にミチヒメを抑え込む様にヤチホコが割って入ってきていた…。


「…! ヤ、ヤチホコくん…? …? …? …! そ、そ~でしたぁ! 相手はカンナさんでした! あ、危なかったぁ~!」


集束させた権能(チカラ)を上空に放ち変身を解く。いつもの通り全裸となるが一向に介せず話し出した。


「ごめんなさいカンナさん! 思わず全力で没頭してしまいました…」


猛省(もうせい)している風でミチヒメはカンナにそう伝えた。


「…大丈夫です…! そのコィキ=イレンカ(闘志)…とても良きです…! 私も…おかげですべてのチカラ遣い果たしてしまいました…!」


「…すべての…? まだ全然元気そ…」


そこまで言いかけたミチヒメを制しカンナは八卦図を指し示す。観ると先ほどまでの輝きがすべて消失してしまっている。


「…最初の発勁を受け止めた刻に全集束力をを遣い切ってしまいまして…実はヤチホコさんが止めてくれなければモノ凄く危なかった処でした…!」


そう言って図の中央に戻り拱手してこちらに戻ってきた。


「…私が…ただのウタラが…すべての季節を二~三廻りする位の錬で…ここまでは出来ます…!」


カンナは笑みを浮かべてそう応えた。


「…それだけではなく独特の…武も身に着けていましたよね?」


「はい♪ あれは伏犠(フゥシィ)さまが八卦を見出した刻に編み出したモノを…パセ=トゥスクル(大日霊女)さまがその理を一連の所作に(まと)め、さらに武として遣えるモノに練り上げて下さったのです…!」


「な~るほど! あ、あとあと…、場所によって全く違うチカラ出したりとか…!」


「あれこそが八卦最大の長所です! 八卦図(バーグァトゥ)発動(ファードゥン)させた段階でお二人の様なエィキ・クル(権能の遣い手)と対等のトゥムアスヌ(チカラ強き)ケゥエ(身体)ケゥエ=エイキ(身体操作)を得ます。その上で八つの方位に応じた技を放つ事が出来ます! 今の私では各方位一度ずつ、全八回ですべてのチカラを遣い切ってしまいますので長期戦となると不利です。もっともここまで出来る様になったのでさえごく最近です…!」


「そうなのですね…! 確かに大技を放てるのは八回のみとなりますと工夫が必要でしょうね…!」


「ヤチホコさんまさにそうです! さすがにミチヒメさん相手ではその前に尽きてしまいました…」


「…そ~よね…アレ…六度目でしょ? あそこでなんでチカラ尽きちゃったのかなって思ってたの」


「…ミチヒメさんの…あの究極発勁…受ける為には残り三方位を全て合わせた技じゃないと不可能だったからです…! つまり…全力のミチヒメさんの発勁ですと…三度(みたび)受ければ私の八卦(バーグァ)は破られ…恐らく環を…です…!」


「避けるではなく…アレを一度でも受け止められるだけでモノ凄いですよカンナさん♪」


「ありがとうございます…! 私も…ゼストさんのお役に立てればと必死でしたので…♪」


「う~んステキね…♪ ここまでそ~と~大変だったと思うのに」


「…パセ=トゥスクル(大日霊女)さまの仰る通り…誰かへのイレンカは…一番すごいかもしれません…!」


「…そ~ですね! 僕もそう思います♪」


「わたしも…! 何と言っても身をもってカンジさせてもらいましたからね~! あれがゼストさんへの…シ・エラマス(ダイスキ)イレンカ(ヲモヒ)なら…それはも~ホントにモノすご…むんぐぐ…!」


「さすがにそこまでハッキリ言われると…恥ずかしいです…♪」


(迅くないのに…うまい…! 動きそのモノが化勁(フゥァジン)になっているカンジ…!)


「…カンナさん今のもすごいです…! 先を読んで動くのでもなく…何と言いますか…僕らのイレンカの…隙間(すきま)()(くぐ)って来た様な…そんな感じでしたね…!」


「ヤチホコさん…武の事に関しては…中々に鋭いですね! その通りです! 瞬きの合間を縫って動きました! この武は…相手の呼吸や拍子(ひょうし)を読み取り…その間隙(かんげき)を突く事によって彼我(ひが)の差と言える(はや)さを補っています!」


「そっか…! あのハラルキ()にも観えるアレは…拍子をはかる為の…!」


「さすがミチヒメさん…正解です♪」


「…これってでも…わたしたち同士…いえ…その上の存在へ挑む場合に利をもたらしてくれる…そ~ゆ~モノね…!」


「はい…! おっしゃる通り格上相手こそ利益あり! です」


「…なんか今すぐやってみたくなっちゃった! カンナさん教えてもらって良いです?」


「もちろんです! それでは今度はお二人にして頂きますね!」


二人はカンナと共に再度八卦図(バーグァトゥ)の中央へと向かっていった。


途轍もないモノでしたね八卦…! 今度は二人が学んでいきます♪


用語説明ですm(__)m

八卦(バーグァ)八卦図(バーグァトゥ):伏犠考案のウタラが権能を揮える数少ない手段。

ホロカモィ=エポソ(螺旋突貫)キㇰ():渦+貫く、突き抜ける+(~を)叩く、殴る より。


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