第104倭 シンナ・モシリで八卦の錬
ヤ=マ=タイのカンナの元へ…
「…やっと戻ってきましたね…ヤ=マ=タイに…!」
「…ね~♪ 思った以上に…楽しすぎちゃいました~♪」
「僕もです…♪ 色々と…ホントに色々とステキでした…♡」
「え…あんもぅ…♡ オネ~サンちょっち恥ずかしいゾ♪」
「…照れているミチヒメもステキです♪」
「ホント? じゃぁ素直によろこんじゃおっかな~♪」
(…本当にミチヒメは…ステキですね…♪)
「もう…♡ ありがとうヤチホコくん♪」
ミチヒメはヤチホコの首に腕を絡めて抱きすくめ、頬に唇を押し当て舌先で優しくくすぐった。
「…エッ、エシカルンしてしまいますー♪」
「あはは♪ ゼストさんのマネね♪」
「あ、いえいえあんなコトされたら話し方もおかしくなってしまいますよー!」
照れながら困り笑いを浮かべてヤチホコはそう応えた。
(…トカㇷ゚チュㇷ゚=カムイが緋徒フィトの姿を象ったのが…きっとミチヒメなのでしょうね…♪ 誰にでも分け隔てなくオマプのイレンカ抱いていますからね…♪)
「…わたしも実は…誰にでもじゃないのよ…♪」
「え? あ…あれれ? なんでそれを…?」
「あれ~? ヤチホコくんいまそ~ゆ~ふ~に口にしてなかった?」
「え? あ…そ、そ~かもしれませんね…イレンカ廻らせていますと良く勝手に口づいているようですからね…」
ミチヒメは心の中で胸を撫で下ろして応えた。
「さ、ムカツヒメさまとカンナさんの処行ってみましょ♪」
「あ、はい! そ~でしたね…!」
二人は港ありし都にある神殿へと向かっていった。
「…はい、そこで片脚を前に滑らし後ろ足をついてこさせ手を添えます…!」
「こ、こうです…ね!」
どうやら…舞踊の稽古…をしている様に観える…?
「…ピリカ・エイキですね…♪ カンナさんやっぱりステキです…♪」
「ホントね~♪ ってヤチホコく~ん…シㇰ・トゥㇷ゚ですかぁ?」
「え! あ、いえいえそ~ではなくてですね…」
(まぁ…目を瞠るモノをお持ちではありますけどね…ミチヒメとちが…っ)
「ぶほっ!」
まったく気配も観じさせずに目の前の少女の肘から勁が撃ち込まれた…!
「ぜっさん生長中~のわたしがすっごくピリカって言ったのはどちらさんでしたかね~?」
「そ、そんな…今のは間違いなくイレンカ廻らせただけでしたのに…? ま、まさかミチヒメ…?」
「え? うん? なぁに?」
「…なんでしょう…?…。…。気のせい…でしょうかね…?」
(あ、危なかった~…いくらヤチホコくんでもあれはさすがに気がついちゃうよね…♪)
くるりと後ろを向き目くばせして舌を出しつつミチヒメはヲモヒ廻らせていた…。
「はい…そこまでです…お疲れ様でございました…」
「あ、ありがとうございました…!」
「おふたりとも您辛苦了です! とてもステキな…ハラルキ? でした♪」
「とってもピリカだったけど…なぁ~んか気になるのよね~」
「ヤチホコさんありがとうございます! まだ全部ではありませんが…あらかた体得して参りました!」
「…今度のイノミで舞われるのですか?」
「ふふ…それも良きです♪ が違います…これは…ウタラの様に…チカラなきモノが己にチカラ呼び込む為の儀を行使した後の技…です…! 伏犠さまが解き明かして下さりました真理の一端…それを正しく用いる事により…極まれし刻は…己が内にカムイ=マェを宿す業であります…!」
「ええ~! わたしそんなのまったく教わった事無いですよ~?」
「ぼ、僕も今初めて聞きました!」
「あなた達には不要なモノでしたのでお伝えしておりませんでしたね…。万一すべてのチカラ封じられし刻…この技がイノトゥを紡いでくれるでしょう…。二人共カンナさんに教えて頂くと良いでしょう…」
「それではお二人共私について来て下さい…! このカムイ=チセの奥よりシンナ・モシリへ行けます。そちらで錬を行いましょう!」
「あ、は、はい! あ…もしかしてカンナさんずっとこの中で…!」
「はい! 中では幾度もスクス=トイとシリクンネが廻ったと思います! もしかしたらいくつかの季節が廻ったかもしれませんね♪」
(…前以上の落ち着いた佇まいは…気のせいではありませんでしたね…! そしてその分よりいっそうピリカに観えたのですね♪)
(…ふむふむ…)
「そっか~! それでカンナさん雰囲気が前と違っていたんですね~!」
「あ! 今僕もそれをイレンカ廻らせた処でした!」
「ホント? きぐ~だね~♪」
そうミチヒメが応えるとヤチホコは満足げに嬉しそうな表情で微笑んだ。
(…これがこのチカラの上手な遣い方…ね♪ しっかしおかーさん…大したモノだよね~!)
「…さぁ…こちらです…!」
少し大きめの中庭のある屋敷が観えてきた。
「…どことなく…ウガヤ兄の処みたいですね♪」
「そ~ね~♪ わたしもよく似ていると思うな~♪」
「そーなんですねー! ゼストさんならこう言いますねきっと♪」
「きっとその口調で言うと私も思います♪ あ、荷物はそちらへ…そしてこちらに来られて下さい…!」
観るとそこの地面には何かが描かれていた…。
「…あの中心は…太極…! その他何やら…八方にも描かれているみたい…?」
「これこそが伏犠さまの見い出せし…八卦です! これは…このモシリの真理の一端を顕し、その理に則り一定の所作を行う事で…モシリよりチカラを貸し与えて頂きこの場に集められるモノです!」
「すっご~い! と、言うコトは…もしかしてわたしもこの子たち無しでトゥム解放出来ちゃうのかな?」
「…可能だと思います! 私でも…トゥム、ヌプル共に集められましたから!」
「ええ!? カンナさん…ど~観てもフツーのウタラよね…? それで出来ちゃうなんて…すっごいねコレ♪」
「はい! まだ今の私では展開した八卦の中にいないとチカラがエトゥッカ出来ません。しかし段階上がりし後には…そのまま自在に動き回れると…ムカツヒメさまより伺っています!」
「な~るほど! あ…えっと…この八卦を遣ってチカラ出すためには…いっつもこれを描かないといけないのかな…?」
「ふふ…これは初心の方の為のモノです♪ もちろん描きますが…無意識的に自動的に…です!」
「そ~なのね~! なぁんか覚えられないかも~って思っていたんだよね…良かった良かった♪」
「あ、えとえと…そ、それは…トゥムやメル=ストゥ=マゥェで描かれる…そう言う事なのでしょうか?」
「さすがヤチホコさん♪ 良きです♪ その通りです! ですので動き回っても宙にいても問題ありません!」
「…これを考え付いた伏犠さま…すごいですね!」
「伏犠さまもシ=パセ=カムイに至るまでの間活用されたと聞いています…!」
「そっか…シ=パセ=カムイには必要ないんだね…!」
「はい。それがお二人にムカツヒメさまが伝授されなかった理由だと思います!」
「ま~わたし達…みんながカムイに至っている中…まだなんだけどね…」
一本指で頭を掻きながら困り笑いを浮かべミチヒメはそう応えた。
「…僕たちも…ナニカが足りないのだと思います…! もしかしたらこの八卦の錬で…それが掴めるかもしれませんね!」
「そのイレンカ…良きです♪ いつも前向きなヤチホコさん…とっても素敵です…!」
カンナはそう応え優しくヤチホコを抱きすくめた。
「あ…♪ なんででしょう…カンナさんは…おかあさまとまた違ったラムシリネのイレンカが溢れてきます…。頼れる…ナニカの様な…?」
「…アマムさんやオオトシさんの言う通りでしたら…私は…ヤィコ=トゥィマで…ヤチホコさん…あなたのエムスであったそうです…! 」
「エムス…! た、確かにそうですね! このイレンカは…シパセのチカラを手にした自信やラムシリネ…そこからくるモノだと思います…!」
「…そこまで観じても…エシカルン…テㇺカしないのですか…?」
「ヤィコ=トゥィマ…? あの…恐ろしいモノですね…! あの刻…僕のヤィコ=トゥィマとして観せられたモノ…そう観じてはいますが…信じられないと言いますか…今一つ確信もち切れませんね…?」
「…きっと今はそれで良きです…! さぁ…それでは錬を始めましょう!」
「あ、は、はい!」
二人はカンナについて八卦図のそばへ歩いて行った。
カンナの指導の下八卦の錬となりましたね…!
用語説明ですm(__)m
・ピリカ・エイキ:美しい+動き より。
・シㇰ・トゥㇷ゚:目+移る、引っ越しする より。
・您辛苦了:お疲れ様(北京語)ただし日本と違い本当に大変でしたね! の刻に遣うそうです。
・ハラルキ:「鶴の舞」や「水鳥の舞」、~を踊る より。
・シンナ・モシリ:別の、違う、変わる+世界 より。
・八卦:ここでは伏犠が生み出した方を遣います。




