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憧れの彼女  作者: 「」
16/53

翌朝。

気分は晴れやかだ。

あの後片付けを済ませ二人で久しぶりに外食。

一緒にお風呂に入り、純粋に抱き合ってそのまま眠りについた。

冬乃に慰められて元気になるなんて自分でも現金なやつだと思う。

まだ隣で眠るの彼女の綺麗な髪をそっと撫でる。

絹のような滑らかな肌触りで気持ちがいい。

目が覚めると彼女がいる。ただそれだけの事実が嬉しい。

頬にキスをして立ち上がろうとすると、冬乃も起きたようで焦点の定まらない視線俺を見上げて微笑んだ。



「おはよう」

「春人くん。おはよう……。えへ、なんかいいね。起きたら横に彼氏さんがいるって」

「そっか。俺も横に彼女がいるって喜んでたとこだよ」



起き上がりキッチンへと向かうと、ケトルに水を注いでスイッチをいれる。彼女にマグカップを見せると頷いていたので二人分の紅茶を用意する。



「今日は大学?」



マグカップを持ってふーふーと息を吹きかけながら、冬乃は尋ねてきた。



「うん。大学で昼食取るから昼前には出ようかなって思ってるけどそっちは?」

「昼過ぎにお見舞いに行ってから、そのままお仕事のつもりだったけど私も大学についていていい? 一緒にお昼しよ? でも、私休学中だけど入ってもいいのかなー?」

「いいんじゃない? 在学生ではあるんだから。入れないんだったら手続きすらできないよ」

「確かに」

「智明たちも一緒だけど問題ないか?」

「うん。私も香ちゃんともっと話したいし全然いいよー」



そう言い切ったものの冬乃は天井を見上げながら考える様子を浮かべる。

自己解決したのかこちらに向き直る。



「予定が決まってる分が過ぎたら、いつもより早めに出勤するようにして帰りも早くなるようにしようかな」

「一緒にいる時間が増えて、俺はうれしいかも」

「じゃあ、そうしようっとー」



短いながら共有の時間を過ごし通学する時間となった。

二人並んで大学への道を進むのが新鮮だった。


5月も駆け足で過ぎ去ろうとしているこの時期、空気は湿気を孕む。吹き抜ける風が涼しくて気持ちがいい。

夏が来ようとしていた。

あと2ヶ月で学生の楽しみの一つ。夏休みだ。

大学の夏休みは7月末から9月末と長期になる。

予定としてはアルバイトがメインになるが、智明とダブルデートの約束もした。行き先はまだ決めていないが2泊3日の旅行なんていいんじゃないかと話し合っている。

そのことは冬乃に秘密にしている。藤井さんも多分知らない。

俺ら男性陣のサプライズ的なものだ。

今年の夏は楽しくなりそうだ。


芝生で覆われた広場。

学生のグループが点在しており、結構な人気スポットとなっている。

いつも智明たちとはこの場所で過ごしていることが多い。3人ともサークルには所属せずに好き勝手やるが性格にあっている。

携帯を取り出しながら智明に連絡をとる。

大学の構内にある広場だが中々に広く見つけづらい。


『お前ら今日どこいんの?』

『オープンテラス』


と手短に要件だけを済ます。

合流してから俺は智明と、冬乃は藤井さんと話が弾みつつも連れ立って学食へ向かう。

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