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憧れの彼女  作者: 「」
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シャワー浴びてくるねっと冬乃先輩が席を外れて、風呂場へと姿を消した。



「にしても驚いたな」



冬乃先輩の姿が見えなくなってから智明が口を開いた。



「なにが?」

「白雪先輩だよ。俺は春人を通じてしか先輩と繋がりないけどさ、あんなはっちゃけた先輩初めてみたよ」

「わたしもびっくりしたわ。聞いて話と全然違うもの。勝手に大和撫子的なイメージ抱いてたけど、会ってみたら普通の女の子みたいできゃらきゃら笑って市ノ瀬くんに甘えてるんだもの」



二人の言葉に俺が恥ずかしくなった。

確かに言われてみれば先輩は少し変わったと思う。劇的な再会から付き合ってしばらくは高校までの冬乃先輩のイメージのままだ。



「いいわね。ペアリング」



急に話題が変わる。

藤井さんの視線が俺の右手に移り、風呂場へと向かった。



「なに欲しいのか?」

「えぇ良いじゃない。仲がいい恋人って感じで羨ましいと思ったわ」

「じゃあ、俺もバイトしないとなぁー。春人のバイト先募集とかしてねぇーの?」

「募集してるよ。本気でバイトするなら店長に伝えておくけど」

「マジか! サンキュー。大学にも慣れてきてやることないからさぁ、ちょうどバイトでもしようかなってー思ってたとこだったんだよなぁ」

「明日もバイトだし、そんときに伝えとくー」

「そういえば、市ノ瀬くんと白雪さんって付き合ってどのくらいだっけ?」



藤井さんが話題をころころ変えるのはいつものことなので気にしない。



「急にどうしたのさ?」

「まだ先輩呼びなのねって思って。白雪さんは春人くんって呼んでいるのに市ノ瀬くんは変わらないじゃない?」

「呼び慣れなくてね……。何度か挑戦したんだけど、気恥ずかしさが勝っちゃって」

「初だな春人は」

「んー。休学してるといはいえ一応先輩になるのかしら? 白雪先輩は」

「単位自体は足りてるらしいから先輩だね」

「それならまだいいかしら。でも、白雪先輩の味方をするなら呼び捨てがいいと思うわよ。なんだか他人みたいに思えるわ」



それから色んな話題が登っていき、会話が二転三転していく。

あの講義がさぁー、あそこの通りに新しい店できたよねぇー、と実のないが楽しい話を繰り広げていく。



「冬乃先輩?」



中々お戻ってこないと思っていた彼女が、ぼーっとこちらを眺めながら立っていたので気になって呼んでみた。

智明たちも振り返り、彼女の姿を確認しようとするが藤井さんが智明の目を潰していた。

先程まで着ていたブラウスはなく、上半身は身体のラインが出ているキャミソールだけになっていた。



「なんでもないよ。パーカー借りるね」



彼女はそう言って、シャワーを浴びるため纏めていた髪をほどく。

クローゼットから水色のパーカーを取り出し被る。見た感じすぐ男性物とわかる感じで、とてもぶかぶかで萌え袖になっていた。

かわいいからいいけど。

彼氏の物を着ている彼女っていうシチュエーションは破壊力あるよな……。

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