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プロローグ
――母が倒れた。
12月の初め、アルバイトを終え帰宅している途中で携帯が小さく震えた。
〇〇病院。
自宅であるアパートから電車で一駅離れたところにある総合病院からだった。
嫌な予感しかしない。
雪が降り積もり、いつもは車の音や住宅から聞こえるテレビの音、人の営む生活の音がすべて吸い込まれ静かだ。
灰色の空も、より一層私を不安させる。
「…はい。白雪です」
震える声を抑え応答する。
「〇〇病院の高橋です。お母様に関してお知らせしたいことがありますので、お越しいただけますか?」
「…すぐに向かいます」
神様。
私はあなたが嫌いです。
初作品、初投稿。
バッドエンドは嫌いです。