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第二話

 


 問 友達が一人もいない陰キャラオタクぼっちは休憩時間になにをしているか?

 答 寝たフリをするorスマホをいじる。


(はぁ~、今期は微妙だな~。ダークホース的なのないかな~)


 陰キャオタクぼっちである僕は、一人寂しくスマホでアニメ情報を調べていた。

 春季に始まったアニメは、僕の好みにばっちし合う作品が余りない。なので、1話~3話を視聴して意外と面白かったアニメを見つけたーっていう同士達の感想を検索しているのだが、ダークホース的なのは中々見つからなかった。


 というか最近、『なろう』アニメ多すぎるよ。

 最初は新鮮で面白かったけど、段々同じような内容なのばっかりで飽きてしまった。作画も手を抜いているなーってはっきり分かっちゃうし、今はちょっと敬遠してしまっている。


 原作ラノベ勢頑張れよと言いたいけど、今はすっかり『なろう』ブームに喰われてしまって余り息をしていない。果たして彼等が再び覇権を取り戻す時代は訪れるのだろうか。これからに期待だね。


「昨日の坂本君マジカッコよくなかった?灯里ちゃんを抱きしめる所なんかキュン死しそうになったんだけど」

「そう?ちょっと演技が下手だった気がする」

「えーマジー?」

「モモは良いと思ったよ~。やっぱりイケメンって最高だよね~」


 どうやらギャル達は、昨日の恋愛ドラマの話題で盛り上がっているみたいだ。

 恋愛ドラマか……僕には無縁の世界だな。

 あんな三次元のつまらん恋愛話見るくらいなら、YouTube流しながらうまぴょい踊り狂ってる方が全然楽しい。


 あっ別に盗み聞きしている訳ではないよ?彼女達の声が大きいから、勝手に聞こえてくるんだ。

 ギャルってどうしてこう声が大きいんだろうね。

 周りの迷惑とか考えないのかな。主に僕とかに。

 ギャル一人だけでも強いのに、レベル100のギャル三人によるトライアングルボイスをくらう僕へのダメージ半端ないんだけど。


(それにしてもこの三ギャル、マジでレベル100だよね……)


 ちらりと、バレないように横目で彼女達を観察する。

 クラスの中でも、彼女達の容姿は飛び抜けて可愛かった。


 僕の前の席にいる七瀬奈々さん。

 金髪ショートヘアーに、耳には赤いピアスを付けている。キリリとした目と高い鼻。顔の輪郭は細く、真剣のような妖しい美しさだ。

 背が高く足も長くスラっとしていて、モデル体型。陸上部だからなのか肌は浅黒く、それがまたイイんだ。


 僕の右斜め前の席にいる夢野桃さん。

 黒と赤のメッシュのゆるふわセミロング。

 顔と鼻は小さいのだが、目と唇は大きくて小動物のように可愛い。三人の中でも一番ギャルメイクをしている印象だけど、それが小悪魔的な感じがして男心がくすぐられてしまう。因みに声も甘ったるい。

 しかし彼女で一番目がいってしまうのは、たわわに実った二つの果実だ。

 マジデカい。マジ巨乳。一体何カップなんだろうか。知りたい気持ちもありつつ、未知のままでいたいという相反する気持ちが僕の脳を揺さぶる。

 ロリ巨乳ギャル……インパクトありすぎんだろ。


 最後に、僕の隣の安藤花さん。

 金髪ロングで、顔は完璧すぎるほど整っている。ギャルメイクをしない方が絶対可愛いと思うのだが、ギャルメイクをしていても可愛いので問題なかった。

 肌は白く、男の理想を体現したかのような身体。

 THE・正統派ギャルである。正統派ギャルってなんじゃいと首を傾げるかもしれないが、そうだとしか言えなかった。

 彼女こそ、ギャルの中のギャル、キングオブギャルである。


 以上、僕の周りを取り囲む三人のギャルを紹介しました。

 というかこの学校、大丈夫?いくら緩い校則が売りだとしても、こんな派手な見た目をしているギャル達を野放しにしていいのだろうか……いいんだろうな。


 三人共ギャルだけど、外見レベルはカンストしている。他のクラスの事を知らないので何とも言えないが、このクラスでは断トツで可愛い。

 彼女達と肩を並べられるとしたら、学級委員長の園原さんぐらいだろう。

 因みに、僕のハートにドストライクは園原さんだ。

 黒髪ロングの清純派美少女って、最高だよね。


 え?僕?

 散々言っているじゃないか。僕は陰キャオタクだって。

 そんな僕が、実はイケメンなんて事は天地がひっくり返ってもあり得ない。

 中肉中背。普通の顔。片目が完全に隠れるほどの長い前髪。

 THE・陰キャとは僕のことさ。

 勿論運動も出来ないし、隠れた超能力者でもない。

 あ、勉強は出来る方かもしれない。ほら、勉強さえできていれば、家でオタク趣味を満喫していても親からガーガー五月蠅く言われないでしょ?


「ねー、あんたはどう思う?」

「……」

「おいってば。シカトしてんじゃねーし」

「イタッ……え、僕に聞いてるんですか?」

「あんた以外に誰がいんのよ」


 そう言って睨んでくる安藤さん。

 いやいやいや、おかしいでしょ。今三人で話してたじゃん。何で突然蹴ってきて、脈絡もなく陰キャの僕に話を振ってくるの?

 ギャル恐いんだけど。


「え、えっと……ごめん、なんの話?」

「だからマジ恋の話じゃん。男子的には、坂本を拒絶した灯里ちゃんをどう思う訳?」


 マジ恋って、なんの略でしょうか?

 マジで恋する10秒前とかみたいな題名なのかな。んな訳ないか。


「ご、ごめん……そのドラマ見てない」


 陰キャって、とりあえず謝っちゃう癖あるよね。


「はぁ~!?マジ恋見てないってあり得ないんですけど。あんた一遍死んだ方がいいよ」


 眉間に皺を寄せ、信じらんない!と怒る安藤さん。

 そこまで言わなくてもいいじゃないか。キメツじゃないんだし、全日本人が見ている訳じゃないんだから。


「もーいいわ。ちゃんと見ときなさいよ」


 そう言って、何もなかったかのようにギャル友と会話を始める安藤さん。

 僕はスマホに視線を落としながら、心の中でこう思っていた。


(帰ったらマジ恋チェックしなきゃ!!)


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