合体 グランヴァレッド
俺達は気合を入れ、合体の準備に入る。
しかし、ディカーはこちらが何かを企んでいることに気づき、阻止せんと再びビームを発射する。
エクスヴァレッドとグランドタンクはお互い左右反対方向に回避する。
「一筋縄ではいかないか!」
『ならば!』
グランドタンクはディカーに向かって煙幕を撒き、視界を防ぐ。
だが、ディカーは後ろに向かって跳躍し、煙幕から逃れようとする。
それは意表を突く絶好のチャンスだ。
「ヴァレッド! 剣を投げろ!」
『剣!? 射撃武器でなくていいのか!?』
「その反応が答えだ! 相手だって射撃で追撃すると思い込んでいるはずだ!」
『当たる確率は……低いぞ!』
「少しでも注意をそらせればいい! そこを……」
『俺が狙う。それだろ?』
「さっすが!」
数少ないやり取りで作戦が決まる。
そして、早速作戦に入る。
こっちが出力操作をするとエクスヴァレッドは炎神剣を思いきり投げる。ビームを受け、剣は歪み、ひびまで入っている。投げても重心はぶれて、空力の観点から見たら、まっすぐに進むはずがない。その不確定要素も踏まえて、ヴァレッドが計算して投げている。
だが、運悪く強風が吹き、剣は奇しくも軌道が反れ、ディカーの目の前に突き刺さる。しかし、はったりとしては十分でディカーは突き刺さる剣に注目した。
『余所見をしたな!』
「バグッ!?」
その隙を甲太が狙い撃つ。
ディカーの脚部に向け、砲撃。脚部の表面が爆発すると同時にディカーは思い切りに地面に倒れこむ。
今がチャンスだ。
『勇気! ヴァレッド! 行くぞ!』
「おう!」
『了解した!』
この瞬間、俺達はすぐさまに合体を行う。
グランドタンクのミサイルコンテナ四つと砲身部分が宙に浮き、本体が左右に分割する。
分割されたグランドタンクはまるで下駄を履くように足裏に合体する。
ミサイルコンテナは肩部の上部と脚部の側面に装着。
砲身部分はバックパックと合体。上を向いていた砲身が前に倒れ、合体が完了する。
『武装合体! グランヴァレッド!』
大地に聳える紅の城。
その身に纏いし正義の火は立ちはだかる悪を打ち払い、その強靭なる脚で倒れた悪を踏み潰し、二度立ち上がらせることはない。
その名はグランヴァレッド。
誰もが待っていた。果てしない戦いを終わらせる英雄だ。




