仲間の力
アーマードコアクリアしたけど、パルデウスとシースパイダーの難易度はおかしいと思う
「ハガァ!」
地面に叩きつけられ太ディカーは土煙に包まれる。その土煙の中から何かが飛び出してくる。
まさか、反撃かと驚いたがそれはただの杞憂であった。
出てきたのは角だった。
叩きつけられた衝撃でディカー自慢の角が根本から折れ、空中で回転した後、地面に突き刺さる。
勝った。あの角はディカーにとって攻撃の要。近接戦で振り回すことで圧をかけ、距離を取ればミサイルを発射し、攻める隙を与えない。だからこそ、破壊してしまえば戦闘力は大幅に下がる。
「ヴァレッド! 炎神剣を抜け! バーニングインパクトで一気に倒すぞ!」
『おう!』
こうなれば必殺技でとどめを刺すだけ。
ヴァレッドはこちらの指示通り、炎神剣を抜く。
これで終わりだ。しかし、その早急な判断が足元をすくうことになる。
『勇気! ディカーの頭部から高エネルギー反応! 何か来るぞ!』
「何!?」
炎神剣をエネルギーをチャージしようとしたその時。
ディカーに先程まで生えていた角の跡が赤く発光し始める。
高エネルギー反応だと!? 何か嫌な予感がする。
剣を前に構え、直ぐに攻撃にも防御にも転じれるように準備をする。
『何か来るぞ!』
警戒心と集中力を最大限に高める。
しかし、そんな覚悟など簡単に散ってしまうような攻撃が放たれる。
「何!?」
なんと、ディカーの角から赤黒い禍々しくビームが放たれる。
まさかの飛び道具に驚きを隠せない。だが、驚いてばかりではただやられるだけ。咄嗟に剣を横に傾け、刃でそのビームを受ける。
直撃を受けた瞬間、エクスヴァレッドが後方へと押される。ビームの余波が盾となった刃から受け流され、エクスヴァレッドの体を掠め、装甲が焼け爛れる。
『何て熱量だ!』
「耐えろ! 耐えれば何とか……なる!」
エクスヴァレッドは踏ん張り、俺もペダルを限界まで踏み込み、耐える。しかし、こちらの気合とは裏腹に炎神剣がもたなかった。
長時間、強力な攻撃を受け、受け続けていた部分が軽く変形してしまう。このままだと耐えきれず、折れてしまう。いや、その前に剣が弾かれて直撃か。どちらにしても危機が迫っていることには変わりない。
しかし、ディカーの攻撃も止む気配はない。この攻撃で決めつもりなのだろうか。
気合でどうにかなる状況下じゃない。どうにかして起死回生の一手を打たなければと策を巡らせたその時だ。
「カバァ!」
ディカーの頭部が突然爆発する。
長時間の照射によって、多大な負荷がかかって暴発したのか?
いや、それも違う気がする。内部が破裂したようなものではなく、外部から与えられた爆発に見えた。
『待たせたな!』
「甲太!」
しかし、爆発の正体は届いた通信によって明らかになる。ヴァレッドの後方にはグランドタンクが構えており、砲身から硝煙が上っている。
『無事に引き渡せたのか』
『あぁ。ちゃんと母親の元にな。それより、さらに強くなっているな』
「角を折ったら滅茶苦茶強いビームを発射するようになった」
『くらったら終わりか?』
「確実に」
すると、甲太は「そうか」と呟き、考え込む。
今は二体一の状況なら、エクスヴァレッドが囮になる、生まれた隙をグランドタンクで叩くのが理想の動きだろう。
『合体だ』
「合体? 既にエクスヴァレッドに……」
甲太の言っていることに困惑しているとモニターに設計図のようなものが映し出される。
それにはグランドタンクが三分割され、エクスヴァレッドの脚部とバックパックに合体するシークエンスが映っている。
『グランドタンクなどのアシストモビルにはエクスヴァレッドと合体する機能がある。そして、環境に適した形態換装できる。グランドタンクの場合、陸戦型に特化される。こんな荒野は最高の舞台だ』
「だからっていきなりで上手くいくのか!?」
『何を言ってる? 初戦で成功させたのはどこの誰だ? 心配するな。こっちも上手く合わせてやる』
甲太は俺の心配を鼻で笑ってみせた。
それが逆に俺の不安を取り除いてくれた。
「わかった! 頼むぜ! ヴァレッドもあの時みたいに成功させるぞ!」
『了解した! それなら問題はない!!』




