甲板の上で
ミオリネの怯え顔が非常に性癖に刺さっちまったよ
今までミオスレ好きじゃなかったけど、大好きになっちゃったよ♡
ミオスレ最高!ミオスレ最高!
「総員! 敬礼!」
強烈な潮風が吹き荒ぶ鋼鉄の甲板の上で厳つい顔立ちの白い制服をピッチリ着こなしたアメリカ人の集団が一寸の乱れもなく整列し、俺達に向かって一切のズレもない敬礼をしている。
「す、すげぇ……」
軍人から手厚い歓迎を受け、俺は唖然とするしかなかった。
俺達が今立っているのは原子力空母ロナルド・レーガン。
今、アメリカのテキサス州でメルフェスの存在確認。アメリカ軍が対処に当たったものの、大した戦果を上げられず、被害が広がることを危惧し、DATの出動を要請された。
そして、俺達はアメリカに向かって基地からDATの所有する特殊潜水艦に乗った。だけど、途中で米海軍が拾ってくれるという話になっていたらしく、今に至る。
潜水艦でも目的地に着くまでなら余裕だけど、物資があまり詰めず、中々辛い思いをするらしい。
本当なら俺達も船を運用したいが、白鳥曰く今は最終調整中らしい。
「ジョージ艦長。今回は乗船させて頂き、感謝する」
「何のこれしき。世界の危機を前に意地を張らないよ。それにゴルサップの頼みだからな」
歓迎された後、白鳥がこの軍艦の艦長と握手を交わす。
「へぇ、艦長と指令は知り合いなのか」
「当然だ。指令は元々軍人だったからな」
後ろから嫌いな奴の声が聞こえてくる。
振り返るとそこには気に食わなさそうに睨みつけてくる兜山甲太がいた。
そうだ。今回の作戦はこの兜山甲太と肩を並べて戦うことになる。
かなり気が滅入るが流石に戦いの場でそんな私情を持ち込むわけにはいかない。
「もうここまで来ちまったんだ。今は帰れとは言わん」
「今は……って」
そういう思いは皮肉なことに共通のもののようだ。
それじゃあ、戦いが終わって、戻ったらまだクドクド言ってくるということか。
公私を完璧に割り切っているんだろうけど、逆にやり辛い。
「二人共。この後、米軍を交えて全員でのブリーフィングを行うからな。船員にブリーフィングルームまで連れてってもらうようにな」
艦長と挨拶を終えた白鳥がこちらに寄ってくる。
すると、兜山甲太はただ黙って歩き出し、白鳥とすれ違う。
そして、そこら辺にいた船員に話しかけ、そのまま艦内へと入っていった。
「全く。何なんだよあいつは……」
「やっぱり、上手くいっていないか」
「それはそうだろ。あんだけ敵意を向けられてんだから」
不満を漏らすと白鳥は気不味そうに視線を逸らす。
「それに関しては許してやってくれ。あいつは不器用で優しいやつだから……」
「優しいって……どこが?」
『あぁ。彼なりに気を使っているんだ。裏目に出てしまっているが』
「ヴァレッドまで……」
二人共、口を揃えて兜山甲太を庇っている。
確かに俺よりもずっと前からDATにいるのだから理解が深いのは理解できる。
しかし、相手によって態度を変える人間を俺は快く思えない。
気に食わない理由があれなら、はっきり言ってくれた方がこっちはやりやすいんだけど。
ミオスレは最期、殺し合って欲しい




