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始まりのkiss

ドルフィンウェーブがエッチすぎるけど、普通にメカがかっこよすぎるのもやばい

「な、なにやってんだ!!」


 頬からナナの唇が離れた瞬間、俺は叫びながら一気に十メートルくらい後ろに下がる。

 あまりの挙動不審さに周囲にいた人達が一斉に俺を見る。

 俺の顔が熱い。鏡を見ていないから確認できないが、きっとキスされたことと見られているという二つの恥ずかしさで顔が真っ赤になっているはずだ。


「どうしたの?」


「それはこっちの台詞だよ!! 人の肌に付いた食べ物を直接食う奴がいるか!!」


「だって、勿体ないじゃん!」


「勿体ないかもしれないけど、それなら指で取ってから食うだろ! それでも汚いけど!」


「結局、口に入れるのは変わらないよ?」


「肝心な人との接触が緩和されるがある!」


「でも、指が触れるから……」


「あぁ、もう! その……キスになるじゃんか!」


 どんなに力説してもナナは全く意に返さない。

 何が問題なのかと飄々とさえしている。

 もしかしたら、俺が回りくどい言い方をしているから話を理解できていないかもしれない。短い付き合いだが、ナナは少し変わっているからその可能性はある。

 だから、恥じらいを感じながらストレートに伝えたけど、ナナの反応は全く変わらない。


「キス? そんなに特別なことなの?」


「……はぁ、悪かった。俺が意識しすぎたみたいだ……」


 これは勝てない。そう確信した。

 考えてみればアメリカかどっかではキスは挨拶の代わりになっているところもある。それでも仲がいい間柄であるという前提だけど、きっとナナのことだ。もう既に仲がいいから問題ないと言いそうではある。

 何はともあれ、ナナにとってはキスというのはただのスキンシップなんだろう。

 つくづく、ナナという人物が分からなくなってくる。


「とにかく、人の肌についた物を勝手に食べたりしないこと。色々と誤解を招くし、普通に汚いからな」


「でも、勿体ないよ!」


「勿体ないが先に出るのか……とにかくダメ! 禁止!」


 すると、ナナは唇を尖らせ、不満そうにブーブー言っている。

 勿体ないという気持ちは分からなくはないけど、だからといって推奨できるものじゃない。

 なんか、子育てをしているような気になってきた。

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