新しい日々への目覚め
昨日から仕事で山口に出張しています
期間が9月初旬までとか長くね?
窓から差し込む太陽の日差しが顔に当たる。
ほんのりとした温かさが俺の意識を優しく撫でるように目覚めさせる。
ふわりと欠伸をしながら状態を起こす。
ふと、周りを見回す。
昨日、移住したばかりなのに妙に見慣れた一室。きっと、前の家と同じような間取りでかつ最低限な家具しか置かれていない、個性のない風景だからだろう。
ただ、匂いだけは新築のような真新しいものでそこだけがはっきりと今までの世界と変わったことを知らせていた。
『おはよう。勇気』
「あぉ、おはよう。ヴァレッド」
枕元にある小さな机に置かれたブレスレットからヴァレッドの朝の挨拶が聞こえてくる。
俺は言葉を返しながらブレスレットを腕に巻く。
『よく眠れたか?』
「あぁ。それはもうグッスリとな」
他愛もない会話をしながらベッドから立ち上がり、クローゼットへ向かう。
あんまり朝は得意じゃないから足取りは少し重たい。
そして、ハンガーにかけられた白いTシャツと長袖の赤いと黒いズボンを手に取り、寝間着から私服へと着替える。
一度、鑑でおかしくないか確認する。
ファッションは問題はなかった。ただ、寝癖が酷かった。スーパーサイヤ人みたいに逆立っていて、とてもじゃないが外は出歩けない。
『こういう時はキマっていると言うべきなのか?』
「それは皮肉と受け取られることが多いからやめといたほうがいい」
髪型は後でシャワーでも浴びて、整えようと思いながら部屋から出る。
俺が寝泊まりをする部屋は二階にある。廊下には壁際に三つずつ部屋があり、俺は右側の一番奥の部屋だ。階段からは遠くて不便だが、上り下りの時の音が聞こえないから快適には過ごせるはずだからあんまり気にしていない。
まぁ、今のところ、この寮に住んでいるのは俺以外に一人だけだけど。一応、予定では後二人いるらしいけど、色んな事情があって叶っていないとのことだ。
そして、その三人はどうやら俺と一緒にメカに乗って戦ってくれる
事情というのはよくわからないけれどとにかく共に戦ってくれる仲間がいるのはとても心強い。
「早く会ってみたいな」
『誰にだ?』
「ここに住む人だよ。一緒に戦うなら仲良くしたい。それに……礼を言いたいしな」
階段を降り、リビングへと入るとそのまま併設されたキッチンへ向かう。
そして、業務用としか思えない巨大な冷蔵庫を開ける。その中にはもう一人の住人が作り置きしてくれた唐揚げの余りがある。
お言葉に甘えて昨日の夜ご飯にしたがこれがとても美味しかった。大袈裟かもしれないが今まで食べた料理でもトップレベルだと思うくらい。
あまりの量に食べ切ることはできなかったけど今日も食べれると思うと得した気分になる。
『甲太とは勇気以上に固い意志がある。きっと、いい関係になれると確信している』
「俺以上か。それは本当に頼もしいな」




