歓迎
ROBOT魂ゴーストガンダムが届いて、全身からファントムライト(汗)が吹き出すくらい興奮してる
「な、何だ!? テロか!? クーデターか!?」
突然の発砲音に俺は咄嗟にコックピット内で身を屈める。コックピットから出る瞬間を狙って狙撃したのか。
まさか、DATを快く思わない人間達が武装蜂起したのか。
最大の戦力であるヴァレッドを強奪……いや、知性があるから強奪したところで素直に従うはずがないから破壊か。
それなら急いでここから脱出しなければ。身を屈めて、射線を切った状態のまま、操縦桿を握り、空いた手でペダルを押す準備をする。
幸い、発砲音はしない。だが、もしかすれば攻撃を止めたと油断させ、その隙にブレイブジェッターを取り囲むかもしれない。
どちらにせよ急いで方が良さそうだとエンジンをかけようとしたその時だ。
『勇気! 落ち着くんだ!』
「落ち着けって! 俺達は襲撃を受けているんだぞ! なら、急いで逃げないと! 特にお前がいなくなったら!」
『だから、落ち着くんだ! 周りをよく見て欲しい』
下には鼠色の整備服を着た整備員。白と青のツートンの制服姿の男性達と白とピンクのツートンの制服姿の女性達が開かれたクラッカーを手に持っていた。
足元にはキラキラと光る紙テープや紙ふぶきが落ちていた。
今度は下から上に視線を移すと紙で作った輪っかを繋げたものや垂れ幕などで装飾されていた。なんなら、目の前には「ようこそ、エーオン島へ!」と書かれた垂れ幕がある。
「ハッハッハッ! 警戒しすぎだぞ。勇気!」
似たような制服を身に纏った集団の中で一人だけ白衣を羽織った白鳥がブレイブジェッターの傍まで歩いてくる。
「わ、笑い過ぎだ! 博士!」
白鳥の豪快な笑い声を聞き、冷静になった途端、自分の慌てように恥ずかしくなり、顔が熱くなる。
『ある意味でサプライズは成功だな』
「なぁ、知ってたら少しくらい匂わせてくれたもいいだろう?」
『火薬の匂いをか?』
「そうじゃない。サプライズがあるってことさ。こっちは大恥をかいたんだから……」
『それではサプライズではなくなるぞ?』
「そうだけど……」
「諦めるんだな。大丈夫だ。パニックなった瞬間はきっちり監視カメラで撮ってあるからな」
「どこが大丈夫なんだよ!!」
「まぁ、取り敢えず降りてくれ」
「……わかった」
あの醜態が後の世にも残されるなんて最悪だ。
なんなら、墓場まで持っていくような出来事。
はぁと溜息を吐きつつ、それでも自分が巻いた種だと諦めつつ、コックピットから飛び降り、白鳥の前まで歩く。
「なかなか、騒がしくなったが改めてだ。歓迎するよ。DATにようこそ! 日登勇気!」
真剣な笑みを浮かべ、白鳥は手を差し出す。
「あぁ! こちらこそ!」
俺はふと笑いながら白鳥と固い握手を交わす。
その瞬間、周囲のスタッフが一斉に拍手をし始めた。




