バーニングインパクト
メイレスケンブ、買えましたか?
僕は買えました
「ボードフィールドミサイル!」
エクスヴァレッドはバックパックからブーストを吹かし、一気にグラーブスに詰め寄りながら肩からミサイルを放つ。
ミサイルはグラーブスに命中し、煙が立つ。
煙の中に包まれるグラーブスは右腕の鋏で煙を振り払う。
『ディヤァァァ!』
煙の中からエクスヴァレッドが飛び出し、グラーブスに蹴りを浴びせる。
エクスヴァレッドの凄まじい力の蹴りを受け、グラーブスは後方に大きく蹴り飛ばされる。
グラーブスは空中で一回転しながらも針のような六本の脚で踏ん張りながら着地する。
「キジャアァァァ!」
着地と同時にグラーブスは銃弾を放つ。
「当たるかよ! アームドガトリング!」
地面を強く蹴り、エクスヴァレッドは跳躍し、銃弾を回避する。真下で爆発が起き、煙が上がる。煙を纏いながらエクスヴァレッドは腕部に搭載されていたガトリング砲を展開。緩やかに落ちながら今まで受けた借りを倍返してやると言わんばかりに乱れ撃つ。
グラーブスは一つしか残っていない鋏を盾代わりにガトリングを弾くが全ては防ぎ切れず、ダメージをくらう。
ブレイブジェッターでは回避することしかできなかったがエクスヴァレッドなら回避だけでなく、攻撃も同時に行える。
やはり、エクスヴァレッドの戦力はかなり高いと俺は改めて思った。
『ココデ畳ミカケルカ!?』
「あぁ! 今のうちに攻める!」
地面に着地したエクスヴァレッドは再び、グラーブスに迫る。
近接戦ならば鋏の攻撃力が生かされると思っているのかグラーブス同様に俺達に迫る。そして、鋏を思い切り引き、貯めを作り、渾身の右ストレートを放つ。
エクスヴァレッドは体を傾け、面積を小さくして回避する。
渾身の一発を回避され、ならばとグラーブスのパンチはストレートからジャブへと攻撃方法を変更する。
ハンマーのような威力の鋏を辛うじて目で終える速さで打ち込まれ、エクスヴァレッドは紙一重で回避することしかできない。
しかし、それは今だけの話だ。
「ヴァレッド! パターンは解析したか!」
『アァ! パンチヲ終エテカラ次ノ一撃ヲ打ツノニ0.6秒ノ隙ガアル!』
「そうか! なら! その隙を打ち込む!」
ヴァレッドの機械特有の解析能力によって、グラーブスのジャブにほんの僅かな時間だが隙が生まれているのを見つけた。
俺達はその隙を見逃さんとグラーブスのジャブを回避しながら、ジッと睨みつける。
そして、ほんの僅かな隙を俺は直感で、ヴァレッドは分析で見つけた瞬間。
「『今!! アイアンフィストォ!』」
俺とヴァレッドの声がコンマ一秒のズレもなく重なる。
グラーブスのジャブを掻い潜りながらエクスヴァレッドの鋼鉄の拳がクロスカウンターの形でグラーブスの顔面にクリーンヒットする。
グラーブスの顔面にヒビが入り、一部甲殻がパラパラと落ちる。
悲鳴を上げ、悶るグラーブスは動きをピタリと止まる。
エクスヴァレッドはグラーブスの右腕を掴む。
『ウオォォォォォ!』
すると、グラーブスの巨体を持ち上げ、一本背負いをし、地面に強く叩きつける。グラーブスは裏返しになり、脚をバタバタを動かす。
「ヒートキャノン!」
さらにグラーブスを完全に無力化する為にヒートキャノンを腕と胴体の関節部に撃つ。ダメージを受け、外れかかったグラーブスの腕。エクスヴァレッドはその怪力で引っこ抜き、その場で投げ捨てる。
「よし! 決めるぞ!」
『アァ!』
腕を全てもがれ、文字通り打つ手が無くなったグラーブスはその場でただ暴れ散らすことしかできない。
その姿は哀れとしか言えない。でも、人間を襲う以上、同情して生かそうという気は一切ない。
エクスヴァレッドは一度、後退させる。
そして、必殺技の準備に入る。
「炎神剣!」
『チャージアップ!』
背中から炎神剣を抜き、エネルギーを溜める。
刀身が赤く染まり、エネルギーの充填が完了すると剣を頭部の横に持っていき、剣先をグラーブスに向け、構える。
『勇気!』
「わかってる! 技名を叫ぶんだろ!」
名乗りに拘るヴァレッドだ。
一番の見せ場であるトドメで何も言わずに終わらそうとするはずがない。
「バーニングインパクトってのはどうだ?」
『ナルホド。イイジャナイカ!』
「そうか……なら!」
俺はペダルを踏み、エクスヴァレッドの出力を限界間近まで上げるとエクスヴァレッドは勢いよく前に進む。
「『バーニングインパクト!』」
グラーブスは残った脚で何とか立ち上がり、打つ手がなくとも反撃しようとエクスヴァレッドを睨んだその時だ。
赤き刃がグラーブスの強固な甲殻を容易く溶断する。
「ギジャァァァァァ!」
刃は甲殻だけでなく、グラーブスの内部。そして、体の中心にあるコアまで斬る。
グラーブスは文字通り、一刀両断され、断末魔の叫びを上げながら爆発四散する。
勢いよく突撃し、斬り抜けたエクスヴァレッドは血は付いていないが、剣を血払いした後、剣を肩に乗せ、残心を取る。
『コアノ破壊ヲ確認』
「これにて一件落着か……」
コアが破壊され、戦闘が終わると俺の緊張の糸はプツリと切れると拾うが滝のように勢いよく伸し掛かる。座席に全体重を乗せ、寄りかかる。
一時はどうなるかと思ったが、何とか……いや、俺とヴァレッドの動きの思考が完全にシンクロしたおかげで勝てた。
「ヴァレッド……やったな」
『アァ。私達ダカラコソ、アゲラレタ戦果ダ』
初めての戦闘の時では味わう余裕がなかった達成感を味わえ、俺は自然と笑みを浮かんだ。
『アァ』




