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鋼鉄の勇者 ヴァレッド  作者: 島下 遊姫
シンクロニシティ
46/117

答えは

ヒプマイの7thライブ見たけど滅茶苦茶熱かったわ


因みにナゴヤ推しよ

「どうしたもんか」


 俺は昼休みになると学校の屋上で寝そべって空を眺めていた。

 残暑も過ぎ去り、涼しい風が吹いている。空は高く感じ、いわし雲が流れ、空模様はすっかり秋に変わっていた。

 ヴァレッドと訓練を始めてもう一ヶ月が経った。相変わらず、息が合わず不甲斐ない結果しか出していなかった。

 訓練でできないことが本番でできることがわけがない。

 幸い、この一ヶ月の間はメルフェスの出現がないものの、もしあった場合は俺達は間違いなく死んでいる。

 このままメルフェスが出現しないことに越したことはないが、物事をそう上手くいくはずがなく、いつ出現してもおかしくない。

 悠長に考えている暇はない。それどころか、今すぐにでもこの問題を解決しないといけない。だが、どんな解決策を打ち出しても上手くいかず、焦りと不安が募るばかりだった。


「また、空見てるね」


「高嶺か」


 隣から聞き慣れた声が聞こえ、ふと隣を見るとそこには高嶺が寝そべる俺の顔を見つめていた。

 高嶺は「隣、いい?」と聞いてきたので俺は首を縦に振る。すると、高嶺はぺたんととんび座りをする。


「溜息なんか吐いてどうしたの?」


「いや、色々問題が出てきてね」


「問題って?」


「俺とヴァレッドの方向性の違い」


「……バンドみたいだね」


「本当にそれなんだよ」


 俺達の問題の端的な説明に高嶺は苦笑いを浮かべる。

 こう言うとふざけた理由に聞こえるけど、間違っていないから困る。


「俺は隙があれば攻めたいけれど、ヴァレッドはかなり慎重で足回りが全く揃わないんだ。だから、どこかで折り合いをつけないといけないんだがな」


『正反対故ニ妥協点ガ見ツカラナイ』


 ポケットの中からヴァレッドの声が聞こえてきた。

 ヴァレッドもこの事態を重く受け止めていて、必死に考えていはいるものの、ヴァレッドですらいい案が思いついていない。

 いや、案が思いついて、実行しても上手くいかないのだ。


「まぁ、わざわざ高嶺に言うことじゃ……」


「……つけなくていいんじゃないの?」


「えっ?」


 高嶺の単純明快な返しに俺は素っ頓狂な声をあげる。


「だって、この前は上手くいってたよね。それと同じ感じでやればいいんじゃないのかな?」


「でも、あの時はお互い必死でよくわからないままで戦っていたから……」


 単純な話。高嶺の言う通りだ。

 一番初めのような戦いをできればそれでいい。だが、あの時はお互い必死になっていたため、どんな感じで戦っていたかを思い出せないでいた。


「言葉にするのが凄く難しいんだけど、二人とも本気でぶつかっていたの。生きる為に、戦う為に、皆を守る為に自分達は何ができるかって……。こういうと失礼なのかもしれないけど、細かいこととかは考えてないように見えたの。ただ、目の前のことをどうにかする。ただ、それだけに……」


「本気で……」


 でも、あの時俺達なんかよりも後ろで見ていた高嶺はわかっていた。

 そうかもしれない。あの時、俺達は小難しいことなんて何一つ考えてなかった。ただ、生き残る為に。メルフェスを倒す為に。そして、これ以上の被害を出さない為に俺達は戦った。

 ただ単純で当然の理由だ。

 でも、今の俺達は立場や世界を背負っていることを認識した結果、気にし過ぎてしまい複雑に考えてしまっていた。 

 違うだろ。どんな重い責任や命を背負っていても俺達の使命は何も変わらない。


「そうか。俺達は馬鹿になっていたんだな」


 ようやく答えに気づいた。俺はスッと立ち上がり、ポケットからブレスレットを取り出し、見つめる。


「答えは出たぞ」


『……ソウカ。私ハマダダ……』


「なら、教えてやるよ……俺達はただ……」


 ヴァレッドの俺が導いた答えを伝えようとしたその時だ。

 ブレスレットから不安を煽らせるサイレンの音が鳴り響く。


「これは!?」


『勇気! メルフェスガ現レタ! 出動ダ!』

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