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プロフェッサー

本編に対して関係ない設定②


ヴァレッドの名前はバーニングとレッドと合わせた言葉。

 病室に奇妙な静寂が流れる。

 目の前に立つ、ふざけた頭と格好をした老人、プロフェッサー白鳥。こいつがあのヴァレッドの開発したのか。

 俺は白鳥を睨み、警戒心を強める。


「さて、自己紹介も終わったし、勇気君。ワシが訪ねた理由はわかるだろう?」


「俺達はヴァレッドに乗り込んだ。あんなテクノロジーの塊の秘密を知った俺達の口封じだろう?」


 すると、白鳥は「半分正解」と小さく拍手する。


「ヴァレッドは人類の叡智であり、財産。そして、武力そのもの。メルフェスを倒せる力があるのなら当然、人間だって倒せる。そんな力を欲しがる悪人はごまんといる。ヴァレットの技術が世界に流出すれば第三次世界大戦ことスーパーロボット大戦の火蓋が切られると言っても過言ではない」


「それは……アニメみたいだな」


「アニメじゃないさ。現実のことさ」


 ヴァレッドの情報が断片でも何処かの国に流れてしまえば、血眼になって開発着手するだろう。そして、一体でもヴァレッドのような武力を開発すれば、他国の侵略は容易になる。さらに毒を以て毒を制すと言わんばかりに世界の各国がロボットに対抗せんと同等以上の兵器を開発し、その負のサイクル繰り返していく。

 それは血を吐きながら進み続け、後の時代に怨恨と負の遺産を紡いでいく悲しい駅伝だ。

 俺達は地獄を生み出しかねない立場にいることを痛感した。


「因みに彼女にはヴァレッドのことは黙ってもらうことを約束した」


 白鳥は出入口付近でピンと立っている高嶺を一瞥する。

 当然だろう。そう言わなければ、物理的口を封じてくるのは明白だ。

 この先、終わりのない戦争と数え切れない犠牲者のことを考えたら、たった一人を殺す方が明らかに安い。

 無論、俺も黙っているつもりだ。

 

「そして、残るは君なんだが……君にだけは別の選択肢を与えようと思う」


「選択肢?」


 この時、俺の心臓が跳ねた。まるで、釣り糸に垂らされた餌に食いつく魚のように。

 心がざわつく。


「一つは彼女のように口を貝のように閉ざし、いつもの日常に戻る。もう一つは、ワシ達と共にヴァレッドのパイロットとして戦うこと」

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