一か八か
本編には関わらない設定①
日登勇気の名前の由来はロボットアニメ制作で有名な「サンライズ」さんから取った
「飛んだの!?」
「飛ぶさ! 飛行機なんだから!」
加速と同時に全身に息ができないほどの重いGを感じる。
骨が、肉が、肺が潰れそうになる。
歯を食いしばって、苦しみに耐える。
「こいつでぇ!」
操縦桿を固く握り締め、直感的に前へと倒す。すると、浮き上がったブレイブジェットは前に傾き、ゆっくりと降下していく。
すると、前方にヴァレッドを踏み付けているメルフェスが見えてくる。
援護せんと攻撃を行おうとする。
「攻撃は……これか?」
当然、どの操作を行えば攻撃できるかなんてわからない。
わからないが、攻撃なんて重要な動作をわざわざ回りくどい方法で行うとは思わない。
ふと、右操縦桿にちょうど右人差し指が当たるトリガーを引く。
すると、機首からバルカンが発射される。
ヴァレッドに意識を集中していたこともあって、弾は運良く命中し、メルフェスは態勢を崩し、悲鳴を上げながら倒れる。
「ブレイブジェットガ……飛ンデイル!?」
「ちょうどいい。通信回線、開け!」
音声入力でヴァレットとの接触を試みる。
「おい、ヴァレッドって奴! 話がある」
「ブレイブジェットカラ……通信?」
操縦席にヴァレッドの声が響く。
「おい、聞こえるか!」
「ドウシテ、ブレイブジェッター人ガ!? 君達ハ何者ダ!?」
「俺達の素性なんて今はいい!」
当たり前のように感情を表しているがロボットが驚くというのは中々理解できない。だが、そんなくだらないことに気にしている場合ではない。
加えて、時間がない現状で悠長に自己紹介などしている場合ではない。
単刀直入に目的を伝える。
「オートによる合体はできないんだろ? なら、マニュアルによる合体はできるのか?」




