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鋼鉄の勇者 ヴァレッド  作者: 島下 遊姫
紅蓮の勇者、大地に立つ!
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飛べ、ブレイブジェッター!

リックドムⅡの再販は……何時なのです!?

ナンノタメニナイタンダ

 その時だ。メルフェスが起こしたであろう振動によって、高嶺はバランスを崩す。


「高嶺!」


 俺はすかさず、全身で高峰を受け止め、そのまま操縦席に背中をぶつける。その結果、背中に刺さったガラスがより深く突き刺さることになった。


「グッ!」


「だ、大丈夫!?」


「俺は……平気だから」


「でも、背中が!」


「いいから!」


 思わず悲鳴を挙げたくなるほど痛みに襲われる。だが、弱音を吐く暇はない。

 今ここで立ち止まってたら死ぬ。

 俺は生きるんだ。

 生きて、明日を迎えるんだ!


「高嶺、このままで行くぞ」


「う……うん!」


 コックピットはそこまで広くなく、副座席使用でもない。

 仕方なく、高嶺をそのまま膝に乗ってもらう。

 怖い。加速のGで俺が潰れるかもしれない。


「どのボタンを押せば……」


 俺は操縦席の中をグルリと見回す。戦闘機の操縦席なはずが無数のボタンや計器があるわけでもなく、あるのはほんの数個のボタンとタッチパネル。そして、一つペダルと左右に一つずつ操縦桿があるだけ。

 こんな簡素な作りで戦闘機が飛ぶのか。

 試しにタッチパネルに触れてみる。

 すると、システムが起動し、画面にエンジン出力などをデジタルで示した計器や機体の全体図が映し出される。

 機体の全体図は一部の箇所が赤く点滅し、『warning』と表示されている。

 案の定、万全の状態ではないようだ。


「さて、マニュアルは……あるわけない」


 コックピットを見回して、もしかしたらアニメのように運良くマニュアルが落ちていないか探すが、当然ない。

 そんな都合のいいことが続くわけがないか。


「あぁ、もういい。こうなればやけだ。取り敢えず、ハッチを閉めないと……」


 ポツリと呟いた時だ。

 キャノピーがゆっくりと閉じる。立つこともできないコックピットの閉塞感は凄まじく、息が詰まりそうになる。


「音声入力か? なら……エンジンをかけてくれ!」


 俺の言葉に呼応するように計器が動き始める。

 ビンゴ。これでどうにかなる。


「高嶺! しっかり掴まっていろよ!」


「うん!」


 起動したことを確認すると、ゆっくりと右足でペダルを踏む。すると、聞き慣れないエンジン音が大きくなっていくと同時にブレイブジェットは前に進んでいく。

 こいつ……ちゃんと、動くぞ!


「ブレイブジェット……テイク……オフ!」


 そして、一気にペダルを踏み、ブレイブジェットは加速し、飛び上る。

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