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鋼鉄の勇者 ヴァレッド  作者: 島下 遊姫
呪縛を解き放つ蒼き槍
116/117

窮地

ジークアクスはおもろかったわ

流石に冒頭はびっくりした

「グギァア!」


 ギガースの鋭く尖った鼻が発射される。発射された鼻は体を鎖が繋いでおり、アンカーとしての役割を持っているようだ。


「避けるぞ!」


『了解した!』


 迫るアンカーに対し、ブレイブジェッターはバレルロールを行って回避。アンカーは真横を通り過ぎる。

 ギガースは外れたと確認するとすぐさまアンカーを引き戻す。そして、再びブレイブジェッターに狙いを定め、逃さんと執念深く追跡してくる。


「そうだ。その調子で追い掛けてくるんだ!」


 こちらとして、この状況の方が都合がいい。今は少しでも民間船と距離を離す。民間船が安全圏まで逃げきれたことを確認できた場合、本格的に戦闘を開始する。

 ここは海だ。巨大な鉄の巨人と巨大生物が激しい戦いを行えば波や衝撃が起き、付近に甚大な影響を及ぼす。特にダメージを受けている小型民間船にとっては酷なことだ。

 どうやって船とギガースを引き剥がすと考えていたがこうして追跡してくれるおかげで余計な手間がかからない。 

 後はどう対処するかを考えればいいと油断していたその時だ。


『何!? 民間船がこちらに近づいてきているだと!?』 


「何でだ!?」


 驚きながら俺は映像を確認する。確かに逃げていたはずの船がまるでギガースの後を追いかけるように迫ってきた。

 どういうことだ!?

 何も装備のない船で巨大生物を追いかける意味なんてない。ましてや、今まで襲われていたんだ。

 あまりにも異常な行動。何か理由があるとモニターを凝視する。すると、船体にキラリと光る物が刺さっていた。その部分を拡大して、確認する。


「あれは……アンカー!!」


 刺さっていたのはギガースの尻尾から撃たれたアンカー。狙った獲物はどんな小さな物でも逃さない。ギガースの執念深い性格が見て取れる。


『勇気!』


「しまった!!」


 どうやってギガースと船を引き剥がそうと考える。それが注意力を欠いてしまうきっかけになり、迫る二本のアンカーに気づくことができなかった。回避行動を取ろうとした時には既にブレイブジェッターにアンカーが巻き付き、ギガースに捕らえられてしまう。


「ギガガガ!」


 ギガースが高笑いのような鳴き声を上げる。馬鹿にされているような感じで癪に障る。


『どうする!?』


「ヴァレッド! アンカーをブレイブジェッターだけに巻き付いている。ヴァレッドは動けるよな!」


『あぁ!』


「なら、分離して、民間船に刺さっているアンカーを破壊しろ!」


『だが、勇気はどうする!? 何かあっては!』


「だったら、何か起きる前に助けに来てくれ! それよりも何もできない民間人の方が危険だろ!」


 身動きできない状態での分離。危機的な状況ではあるがまず最優先は民間船の脱出と安全確保。それなら俺の判断は何も間違っていないはずだ。


『了解した! 本当に危なければすぐに脱出するんだ!』


「わかってる! そっちこそ頼むぞ!」


 互いに信頼した後、ヴァレッドはブレイブジェッターと分離。真っ先に小型船の傍へと寄る。


『チェンジ!! ヴァレッド!!』


 人型形態に変形すると同時に小型船に突き刺さるアンカーを手で引き離す。またしても自由の身となった小型船は全速力で発進する。

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