マリンカイザー
次の日、俺達は白鳥から基地へ来るように命令があった。
恐らく。次の作戦に関することだろうと思いながら甲太と少し不安げなリーファと一緒に基地へと向かう。因みに寮の地下には基地に直結するリニアモーターカーがあり、ものの三分程度で到着することができる。
そして、基地に到着するとDATのスタッフが待機しており、そのまま目的の施設まで案内される。
その施設は巨大なプール。プールと言っても磯の香りがするため、海水をひいているんだろう。驚くのはその大きさであり、縦横の長さは百メートル近くあり、高さも三十メートル近くある。
わかりやすく言うならプールの傍らには既に合体が完了しているエクスヴァレッドが余裕で立っていられるくらいだ。
「よし、浮上させろ!」
周りをよく見ているとパソコンを片手にプールを見つめている白鳥が指示を出す。
その瞬間、水飛沫を上げながら水面に浮上するドリルのついた蒼い機体が現れる。
「久しぶりね。マリンカイザー」
リーファはポツリと呟いた。
それは今回の作戦の要であるマリンカイザーだった。
浮上し、波に揺られるマリンカイザーのコックピットからやつれた顔のボスと数名のメカニックが出てきた。
「博士! マリンカイザーの調整、完璧です!」
「そうか!」
ボスの報告に白鳥は満足そうに頷く。
そして、振り返り、俺達に向かって今日集めた理由を告げる
「リーファが戻ってきた! マリンカイザーの調整も終了した! 作戦に必要なピースは揃った! これから海中戦の訓練を行う!」
「訓練……ね」
俺と甲太の表情に緊張が浮かぶ。一方でリーファの顔には陰りがかかる。




